懐かしいな~などと言ったらたちまちお叱りを受けるだろうし、受けて当然だとも思うけれど、最近の世の中の雰囲気は、かつてHIV/エイズで経験した長い試練の時期を思い出します。繰り返したくないけれど、変に懐かしいといいますか。正直なところHIV/エイズという世界史的な現象に捨て身で挑む敏腕記者というわけではなかったとしても、本人はかなり必死に取材を続けていたつもりだし、様々な現象に振り回されつつ、心に残るたくさんの人に出会うこともできました。
その一人、南定四郎さんはいまなお、沖縄で健在です。本日(2010年6月15日)発行の現代性教育研究ジャーナルNo111に掲載されているコラム『多様な性の行方』第38回にもご登場いただきました。10ページに載っています。
『そのレジェンド中のレジェンドである南さんから昨年、「ラグビーのワールドカップについて何か書いてくれませんか」と連絡をいただいた』
まだ、1年もたっていないのに、ラグビーW杯の盛り上がりが、ずいぶん昔のことのように感じられます。日本でもせっかくファンが増えたのに三密を避けていたらラグビーは成り立たない・・・でも、なんとかしなければ。
『原稿では W 杯日本大会が盛り上がった理由として、①日本代表の大健闘、②日本社会への波及効果、③ビールを飲みながらの観戦―の3点をあげた』
超満員のスタンドでビールを飲みながら感染・・・じゃなかった観戦? 懐かしいな~と言うのもはばかられる世の中をどう潜り抜けていくか。おおむね品行方正、晴れ時々逸脱、を生活のモットーとして人生の大半を過ごしてきた一ラグビーファンの老人にも、試練の日々は続いています。