認知症を「防ぐ」その先にあるもの 佐々木敦ニュースレターから エイズと社会ウェブ版 725

認知症を「防ぐ」その先にあるもの 佐々木敦ニュースレター

 多くの人が認知症を恐れている。人生100年時代、認知症と無縁で過ごすことは誰にとっても容易ではない。認知症をどう「防ぐ」のか。香港で開催されたBrain Health Forum2026でのプレゼン内容を共有します。
佐々木 淳 2026.09.03
https://junsasaki.theletter.jp/posts/dca213e6-ba48-497f-872c-bfb79df68fa3

 

今回、香港で開催されたBrain Health Forum 2026で、私は「Dementia is Preventable: Addressing the Mid-life Brain Opportunity」というテーマで話をする機会をいただいた。

テーマは「認知症予防」。

しかし私は、医学的に「どうすれば認知症を防げるのか」だけではなく、もう少し大きな問いについて考えてみたいと思った。

そもそも私たちは、認知症予防によって何を「防ごう」としているのだろうか。

 

都内のHIV感染報告の微増をどう読むか エイズと社会ウェブ版724


メルマガ東京都エイズ通信第229号が8月31日、発行されました。今年第1~33週(1月1日から8月16日まで)の東京都内の新規HIV感染者・エイズ患者報告数は以下の通りです。

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● 令和8年第1~33週(1月1日から8月16日まで)の感染者等報告数(東京都)
※厚生労働省 感染症サーベイランスシステムより抽出
※( )は昨年同時期の報告数

HIV感染者           134件     (125 件)

AIDS患者            40件        (38件)

合計                174件        (163件)

現時点でHIV感染者数とAIDS患者数は令和7年より多い。

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 あくまで報告数のレべルでの比較ですが、今年に入ってから感染者・患者報告は微増の傾向が続いています。東京都内の年間の報告数は2023年の302件から2024年289件、2025年275件と300件の大台を割って減少してきたので、増減の誤差の範囲での変化かも知れません。

 報告数の評価は微妙です。HIV感染を心配する人がいても、その人たちが何らかの事情で検査を受けにくくなれば、報告数は減少します。逆に安心して検査を受けられる条件が整えば、一時的に感染報告が増えることもあります。
 コロナの流行以前には東京都内の年間報告数は400件を超えていました。ただし、コロナの流行が一段落してからも、HIV感染の報告は低いレベルで維持されています。
 したがって、現状での微増を流行再拡大とまで言うことはできないと思いますが、引き続き注視していきましょう。

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『イニシャルだけのキルト』 エイズと社会ウエブ版723

 現代性教育研究ジャーナルNo186(2026年8月15日発行)のコラム『多様な性のゆくえ』第112回。13ページに掲載されています。
https://jase.faje.or.jp/jigyo/kyoiku_journal
《1991 年に作られた日本で最初のメモリアル・キルトは「ホワイトキルト」と呼ばれている。一対のキルトには、白い布にアルファベットで『K W』『K F』としか縫い込まれていない。なぜなのか》
 ホワイトキルトは6月のTOKYO PRIDEパレード2026にも参加しました。

  

 

 ぷれいす東京の公式サイトには5月29日付けで《パレードで一緒に行進する「AIDSメモリアルキルト」ご紹介》という記事が掲載されています。こちらもご覧ください。
 https://ptokyo.org/news/19036

 AIDSメモリアルキルト
HIV感染症/ AIDSで亡くなった人々を偲んで、その家族や友達たちの手によって思いを込めて作られ、その人の人生を記録した1枚の布(キルト)のことです。90cm × 180cmの布に縫い付けられている亡くなった人々の名前や衣服、生前に愛用していた小物類、周囲の人々からのメッセージは、この病気への偏見という逆境の中で、周囲に支えられれながら精一杯いきた証しを伝えています。
 メモリアル・キルト・ジャパン

 

『通史的記述を超えた魅力』エイズと社会ウェブ版 722

 現代性教育研究ジャーナルNo184(2026年7月15日発行)のコラム『多様な性のゆくえ』第111回です。12ページに掲載されています。
 https://jase.faje.or.jp/jigyo/kyoiku_journal
 《実は編著者の山縣真矢さんからは、1990年代のエイズに関する記述で問い合わせをいただき、2025年4月に何度かメールでやり取りをしたことがある。「良く調べられていて、私の知らないこともたくさんありました」とお答えし、ほとんどお役には立てなかったと思うが、事実確認の真摯な姿勢は伝わってきた》
 公開の時期が前後していたので、PRIDEパレードの歴史に関しては、取り上げる対象も視点も松岡弘明監督の映画『熱狂をこえて』と共通している面があるという印象を受けました。

 もしかして謎の仕掛け人がいて、プロジェクトを同時進行で進めていたのでは・・・などと、全く根拠のない妄想をたくましくして、念のため松岡監督に確認してみると、ヒストリーブックと制作期間が重なったのは「たまたま」だったそうです。

 ただし、「山縣さんのもとには資料や映像などが集まっていたので、たいへんお世話になりながら制作していきました」というこでした。しいて言えば、「時の流れ」という仕掛け人がいて、その結果、期せずしてメディアミックスが生まれたという感じでしょうか。時代の潮目を読むという意味では、映画を観てから本を読むか、本を読んでから映画を観るか。どちらもおすすめです。

 

  

 

映画『熱狂をこえて』 エイズと社会ウェブ版 721

 6月7日のTOKYO PRIDEパレード2026は、主催者発表によると『すべての人の平等な権利を願う15,000人が渋谷を大行進』した。その2日前の6月5日から1週間、東京・新宿のシネマート新宿では長編ドキュメンタリー映画『熱狂をこえて』が限定上映されている。映画館の公式サイトの上映作品欄には「日本のプライドパレード史はじまりのストリー」という紹介があった。

 1万5000人の大行進となったTOKYO PRIDEをはじめ、日本国内では毎年、全国の40カ所以上でプライドパレードが開催されているという。

 『熱狂をこえて』は、映像作家の松岡弘明監督が「1994年に日本で初めてプライドパレードを実現させたゲイの活動家・南定四郎の半生を、4年の歳月をかけて記録したドキュメンタリー」であり、松岡監督にとっては『沖縄カミングアウト物語』に次ぐ2本目の作品となる。

 南さんの存在は、性的少数者のコミュニティ、およびHIVとエイズ対策に取り組んできた人たちにとっては、レジェンドと呼ぶにふさわしい重みがある。TOKYO PRIDEパレードの関係者の中にも、南さんが1994年に500人余りでスタートしたパレードを原点と位置づける人は多い。

 だが、1994年のパレードがすんなりと現在の1万5000人の大パレードに結びつくわけではない。映画は南さんへのインタビューを重ね、周囲にいた人たちの証言も丹念に集めて、その紆余曲折を描き出していく。

(C)カミハグプロダクション

 その中で、南さんは晩年を迎え「やり方を間違えた」と過去を振り返る。「正しいことをやっているのだからいいだろう」という思い込みがあったことを認め、「いまは反省している。そのために20年の時間がかった。自分で納得するまでに20年」と述べる。映画はそこにいたる負の出来事の数々を伝えることも忘れない。

 それでも、南さんに対し独断専行との批判は必ずしもあたらないように思う。気付いた者がとにかく行動する。それが必要だった時代は確実にあったし、いまがそうではないということもできないだろう。時代と個人との関係に、一足飛びの結論は出せない。

 レジェンドの神格化を一歩手前で踏みとどまり、そのことで逆に存在の価値が浮かび上がる。『熱狂をこえて』、何が残ったのか、あるいは残せたのか。タイトルの意味が映画を見た後で改めて納得できる。そんなドキュメンタリーに巡り合える経験はそうそうない。

 あまり大々的にとは言えないが、映画の上映は全国で続けられている(現在は、アップリンク吉祥寺、アップリンク京都、横浜シネマ・ジャック&ベティで上映中)。

『LGBTヒストリーブック 日本編』 エイズと社会ウェブ版720

 コラム『多様な性のゆくえ』第110回です。現代性教育研究ジャーナルNo183(2026年6月15日発行)の12ページに掲載されています。昔話をひとしきりしたあとで、ヒストリーブックの紹介に入りました。
 https://jase.faje.or.jp/jigyo/kyoiku_journal
 《待ちに待った書籍なのだが、HIV とエイズに関する取材を 40 年にわたって続けてきた私のような異性愛者には、至る所に反省材料が待ち受けていた。例え
ば、国内の感染拡大に動揺が走った 1987 年当時は、個人的に(おそらく社会的にも)、同性間の性感染にはあまり関心が向かなかった記憶がある》

 奇しくもストーリーブックの発売日に掲載となりましたが、偶然です。
 続きは次号ということで。

 

    

 

HIV新規感染報告増加の兆し? メルマガ東京都エイズ通信から

 メルマガ東京都エイズ通信第223号が3月31日、発行されました。今年に入って最初の2カ月半(1月1日~3月31日)の東京都内の新規HIV感染者・エイズ患者報告数は以下の通りです。

*************************************

● 令和8年第1~11週(1月1日から3月15日まで)の感染者等報告数(東京都)
※厚生労働省 感染症サーベイランスシステムより抽出
※( )は昨年同時期の報告数

HIV感染者         52件    (37件)

AIDS患者          12件      (9件)

合計              64件      (46件)

現時点でAIDS患者とHIV感染者数は令和7年より多い。

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 前年同時期に比べ、新規HIV感染者の報告数は1.4倍に増えています。気がかりな数字ではありますが、前年のデータが少なかったことの反動かも知れません。年次比較はもう少し推移を見て判断する必要があります。

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