報告の減少傾向、変わらず メルマガ東京都エイズ通信第171号

 東京都の月刊メルマガ、東京都エイズ通信の第171号が11月26日、配信されました。今年に入ってから11月21日までの都内の新規HIV感染者・エイズ患者報告数は以下の通りです。

 

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  • 令和3年1月1日から令和3年11月21日までの感染者報告数(東京都)

  ※( )は昨年同時期の報告数

 

HIV感染者      270件     (277件)

AIDS患者        60件      (76件)

合計           330件      (353件)

 

HIV感染者数及びAIDS患者は昨年度よりも減少している。

 

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 今月は少し早めの集計でしたが、報告の減少傾向は変わっていません・・・ということで、毎回、手を替え、品を替えて書いてきましたが、そのための手も品もちょっと尽きてきた感じもします。

コロナの流行の一服感が今後、どのように影響していくのか。海外では新たな変異ウイルス(コロナの方の)の出現で、緊張感が高まっている様子ですが、その影響もまだ軽々に予言することはできません。もう少し推移をみていきましょう。

 

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『怪物は誰なのか』 エイズと社会ウェブ版587

 菊池修さんも、長谷川博史さんも、平々凡々たる私のような者にとっては、十分にモンスター的な存在感のある方でした。とりあえずコロナが下火になったように見えるいまなお、ソーシャルディスタンスと畏敬の念を抜きにして接することはできません。
 しかし、世の中のモンスターは実は他のところにいて、ルーティーンの怪物性をいかんなく発揮してくれちゃう。現代性教育研究ジャーナルの連載コラムOne Side/No Side(多様な性のゆくえ)第55回『怪物は誰なのか』はそんな場面に立ち会った経験を第7回アジア太平洋地域エイズ国際会議(神戸会議)の開会式会場から。
 https://www.jase.faje.or.jp/jigyo/journal/seikyoiku_journal_202111.pdf
 18ページに掲載されています。

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 『フリッカのスピーチの時には、その35人が共にステージに上がった。セブンシスターズが用意していたサプライズ演出だったとは思う。ただし、厚労省高官の得難いあいさつのおかげだったのではないかという印象も私は受けた』

 この部分だけ読んでも、なんだか分かりませんね。それほど長くないので、御用とお急ぎでない方はぜひ通しでお読みください。

 ・・・それにしても、神戸会議はもう16年も前のことなんですね。凡人は歳をとるけど、怪物はどうかな。

UNAIDSの世界エイズデー2021キャンペーンテーマとメッセージ エイズと社会ウェブ版586

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)の世界エイズデー2021キャンペーンテーマとそのメッセージの日本語仮訳版がエイズ予防情報ネット(API-Net)に掲載されました。テーマについては当ブログでもお知らせしたことがありますが、
 『End inequalities. End AIDS. End pandemics.』
 日本語訳は《不平等にエンド(終止符)、エイズにエンド(終結)、パンデミックにエンド(もう起こさない)》です。
 メッセージは基本メッセージと拡大メッセージの二本立てで紹介されています。けっこう長いですね。親しみやすさよりも、理屈を優先させている印象です。外野席からの感想で恐縮ですが、もう一つのパンデミックであるコロナの影響も大きく受け、それだけ切迫感が強いということでしょうか。

 UNAIDSの世界エイズデー2021キャンペーンサイトはこちら
 ポスター、絵葉書などソーシャルメディア用キャンペーン素材もダウンロードできます。

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 API-Netの日本語版はこちらでご覧ください。 

api-net.jfap.or.jp

 《2030年のエイズ終結だけでなく、COVID-19や近い将来に予測される未知のパンデミックも視野に入れたメッセージが展開されています》
 

『検査まるわかり情報局』 TOP-HAT News第158号 エイズと社会ウェブ版585

 厚労省エイズ動向委員会や東京都エイズ通信などで報告される新規HIV感染者・エイズ患者の報告数は減少傾向が続いています。ただし、実際の感染の拡大(または縮小)と報告数の減少とは必ずしも一致しているわけではありません。検査を必要としている人が安心して検査を受けられる状況がなければ、それも報告数の減少(および感染の拡大)の大きな要因になり得るからです。

しつこいようですが、TOP-HAT News第158号(2021年10月)はもう一度、このことを取り上げました。そのうえで、HIVマップの『検査まるわかり情報』というページを紹介しています。

厚労省の委託事業として特定非営利活動法人aktaが運営するHIV/エイズ分野のお役立ち情報サイト『HIVマップ』の特設ページ『検査まるわかり情報局』では、安心して検査を受けてもらうための新常識として、以下の8つのポイントが紹介されています》

具体的な8項目は本文をご覧ください。

 10月は政局が大きく揺れ動く中で、新型コロナウイルス感染症COVID-19の流行がなぜか下火になりました。縮小の要因については、様々な指摘がありますが、諸外国の動向と比べてみると、「どうしたんだろうね?」と思わざるを得ない面もあります。必ずしも社会の側の、あるいは政府や専門家を自称する人たちの思惑通りには動くわけではない。それが、感染症の流行、あるいは人の行動というものかもしれません。

 したがって、コロナについても、減ってよかったと安心するだけでなく、流行の再拡大に備える必要があるということを認めるのにもちろん、やぶさかではありません。ただし、人はコロナ対策のみで生きているわけではないということも同時に指摘しておきたい。社会が動き出したことに対し、「ゆるみが出てきた」とか、「常に最悪の事態を想定して行動しなければならない」などと警告に終始し、再び感染が増えだしたら「それ見たことか」と言いだすとしたら(もちろん、言い出さないとは思うけど)、そんなものは対策の名に値しません。

このこともまた、何度もHIV/エイズ対策で経験してきた苦い経験のひとつというべきでしょう。

 Safer Sexの考え方がどのような経緯を経て広がり、定着し、それでも限界はあるよねという認識に達してきたのか、その限界は医療的対応で、つまり医学が進歩すればそれで克服できるのか。こうしたことも改めて考えてみる必要があります。

あくまで個人的な感想ですが、実際に6月の国連総会ハイレベル会合で、日本を含む加盟国の圧倒的多数が賛成して採択された政治宣言の2025年エイズターゲットには、そのような反省も含めた考え方が反映されているように思います。

 また、医学の進歩がもたらした成果を生かしつつ、医学が無力だった時代の経験を忘れないという(実は何も言っていないに等しいかもしれない)感触も個人的には抱きつつあります。類型的な言い回しになってしまいますが、Cautiously Optimisticと言いますか・・・。

 HIVとセクシュアルヘルスに取り組む全国6カ所のコミュニティセンターなど9つのCBO(コミュニティを基盤にした組織)が、HIV検査を安心して受けやすくする試みとして「ゆうそう検査」を実施しています。その紹介も含め、コミュニティベースでHIV/エイズとCOVID-19対策の両方の経験知を生かした相乗効果を期待したい。TOP-HAT News第158号はそんな話題を中心に取り上げました。

 

 

 

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メルマガ:TOP-HAT News(トップ・ハット・ニュース)

        第158号(2021年10月)

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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発マガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。

なお、東京都発行のメルマガ「東京都エイズ通信」にもTOP-HAT Newsのコンテンツが掲載されています。購読登録手続きは http://www.mag2.com/m/0001002629.html  で。

エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部

 

 

◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

 

1 はじめに 『検査まるわかり情報局』

 

2 ゆうそう検査展開中

 

3 地域においてMSMのHIV感染・薬物使用を予防する支援策の研究

 

4 『どうするHIV対策!? COVID-19パンデミックの影響』

 

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1 はじめに 『検査まるわかり情報局』

 国内の新規HIV感染者・エイズ患者報告の減少傾向が続く一方で、2020年の年間確定値では、これまでの傾向から一転して、報告全体に占めるエイズ患者報告数の割合が急拡大していました。16年ぶりに31%を超えています。このことは前回のTOP-HAT NEWSでも報告しましたが、新型コロナウイルス感染症COVID-19対策の影響でHIV検査を受ける機会が減少し、HIVに感染していることに気付かずに生活する人が、じわりとではありますが、増えていることを示唆するデータでしょう。国内におけるHIV性感染の機会もその分だけ大きくなる可能性があります。

 確定値に続いてAPI-Net(エイズ予防情報ネット)には、分析結果などを含めた2020年エイズ発生動向年報も10月に公表されています。こちらでご覧ください。

 https://api-net.jfap.or.jp/status/japan/nenpo.html

 安心して検査を受けられる環境を整えることは、感染している人にいち早く治療の機会を提供することになるので、感染した人の健康状態の改善に大きく資するとともに、他の人への感染予防にもつながります。逆に言えば、何らかの要因でそうした環境が失われれば、近い将来の感染の拡大につながるおそれがあります。

 COVID-19の流行がそうした要因にならないように、いま、HIV検査を必要としている人たちに情報を伝え、実際に検査を受けてもらうにはどうしたらいいのか。

厚労省の委託事業として特定非営利活動法人aktaが運営するHIV/エイズ分野のお役立ち情報サイト『HIVマップ』の特設ページ『検査まるわかり情報局』では、安心して検査を受けてもらうための新常識として、以下の8つのポイントが紹介されています。

  1. 感染していることを早く知ることはメリットが大きい。
  2. 男性どうしでセックスしている人は、定期的に検査を受けよう。
  3. 保健所・検査所、病院・クリニック、郵送検査などでHIV検査を受けられる。
  4. HIVの感染初期に風邪のような症状がでることがある。見逃さないように注意しよう。
  5. HIV感染の機会から、2~3カ月経つと確実な検査結果を得ることができる。
  6. 梅毒やクラミジアなど、HIV以外の性感染症の検査も大事!
  7. PrEPは、正しい服薬と定期的な血液検査が必要です。
  8. 一人で考え込まないで!相談できる機関があることを知ろう。

 

 具体的にどういうことなのか。1から8まで、各項目をクリックすれば、分かりやすい解説が出てきます。

 ほかにも『HIVに感染したのではないかと思うと、不安な気持ちが止まりません』『アナルに中出しされてしまったけど、HIVに感染しちゃったでしょうか?いまからどうしたらいいですか?』『HIV検査を受けるときに、個人的なことをいろいろ聞かれるって本当ですか?』といった質問に答えるQ&Aコーナーや検査用語集もあります。

 情報を伝えるには地道な努力が必要です。こうしたサイトでドアを開いておけば、感染が心配になった人がそっと見に来るかもしれません。そんなときは、こちらをご覧ください。

 https://hiv-map.net/anshin/knowledge/

 

 

2 ゆうそう検査展開中

 東京・新宿二丁目のaktaや大阪・堂山のdistaなど、HIVとセクシュアルヘルスに取り組む全国6カ所のコミュニティセンターを含む9つのCBO(コミュニティを基盤にした組織)が、HIV検査を安心して受けやすくする試みとして「ゆうそう検査」を実施しています。どんな検査なのか、ここではaktaゆうそう検査について紹介しましょう。

《aktaゆうそう検査は、厚生労働省エイズ対策政策研究事業「MSMに対する有効なHIV検査提供とハイリスク層への介入に関する研究」が研究として無料で実施するHIVのスクリーニング検査・梅毒のTP抗体検査です。aktaで検査キットを受け取り、自宅で、ご自身で血液を採取し、結果はWebサイトで確認することができます》(akta公式サイトから)

 では、具体的にどうすれば、検査を受けられるのか。特設ページには、受け方の手順を分かりやすく説明したチャートや動画『知ってほしい6つのポイント』も載っています。こちらでご覧ください。

 https://akta.jp/pt/

 

 

3  地域においてMSMのHIV感染・薬物使用を予防する支援策の研究

厚生労働科学研究費補助金エイズ対策政策研究事業(つまり厚労省研究班ですね)2018~2020年度の最終年度の総合研究報告書が公開されました。『地域におけるHIV陽性者等支援のためのウェブサイト』でPDF版がダウンロードできます

 https://www.chiiki-shien.jp/kenkyu.html#i20210601

 以下の4つの分担研究の成果が報告されています。

(1)HIV 陽性者の生活と社会参加に関する研究

   2003年より約5年ごと4回目の調査結果、自由回答も紹介されています。

(2)精神保健福祉センターにおける MSM および HIV 陽性者への相談対応の現状と課題に関する調査

   全国の精神保健福祉センターにおける調査です。

(3)ダルクにおける MSM・HIV 陽性者支援の調査

   全国のダルクにおける受入調査結果は、令和元年度報告書に記載されています。

(4)MSM における薬物使用に対処する啓発・支援方策に関する研究

   ウェブサイトStay Healthy and be Happy所載の相談事例集が紹介されています。

 

 

4 『どうするHIV対策!? COVID-19パンデミックの影響』

 新型コロナウイルス感染症COVID-19の流行がHIV対策に与えている影響について、国連合同エイズ計画(UNAIDS)がコミックス仕立てのパンフレットを作成しました。

 治療、予防、暴力の増加、スティグマと差別、経済的影響の5つの側面から、ロックダウン政策の影響や関連するコミュニティによる課題解決の動きを紹介。日本語PDF版もAPI-Net(エイズ予防情報ネット)に載っています。

 https://api-net.jfap.or.jp/status/world/booklet054.html

 

 

 

『医薬品特許プール(MPP)とメルクシャープ&ドーム(MSD)の画期的な合意を歓迎』 UNAIDSプレス声明

 新型コロナウイルス感染症COVID-19の経口治療薬として注目される「モルヌラビル」について、製薬大手のメルクシャープ&ドーム(MSD)が医薬品特許プール(MPP)とライセンス契約を結びました。この薬については、米食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可を検討するなど、承認待ちの段階ですが、今回の合意により、承認が得られれば世界の105カ国でジェネリック薬製造の道が開けることになります。

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)は合意発表の翌日の10月28日、「利益より公衆衛生を優先させる重要な一歩」と歓迎のプレス声明を発表しました。

 MPPは10年前、途上国におけるエイズ結核マラリアの治療薬の普及を目指しユニットエイドが設立しました。製薬特許を持つ大手製薬会社が自発的にその特許の使用許諾を行い、途上国でジェネリック薬を製造できるようにする仕組みです。今回の合意についてUNAIDSは「公衆衛生の観点からCOVID-19治療の普及を保障する最初のライセンス契約となります。COVID-19の治療薬が不足している現状を考えれば、極めて重要な成果です」と述べています。

 なお、世界保健機関(WHO)とユニットエイドもこの合意を歓迎する声明を発表しました。声明の日本語訳はUNITAID.JapanのFacebook(2021年10月28日)に掲載されています。

https://www.facebook.com/UNITAIDJapan

 

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以下UNAIDSプレス声明の日本語仮訳です。

 

医薬品特許プール(MPP)とメルクシャープ&ドーム(MSD)の画期的合意を歓迎

 UNAIDS

https://www.unaids.org/en/resources/presscentre/pressreleaseandstatementarchive/2021/october/20211028_medicines-patent-pool-merck

 

ジュネーブ 2021年10月28日 UNAIDS医薬品特許プール(MPP)とメルクシャープ&ドーム(MSD)の画期的な合意を歓迎します。この合意により、成人の軽症から中等症のCOVID-19患者を治療する抗ウイルス薬について、知的財産権非独占的かつ透明性のある基準のもとでサブライセンシー(二次許諾者)に共有されることになります。開発中の新薬モルヌピラビルは規制当局の承認を待っている段階ですが、臨床試験では良好な結果が得られています。国連合同エイズ計画(UNAIDS)のウィニー・ビャニマ事務局長は「重要な最初の一歩です。利益よりも公衆衛生を優先させるための一歩を踏み出したのです」と述べています。「この新しい治療薬は、COVID-19対策がさらに前進することを約束しています。世界中の企業がより手頃な価格で製造できるようになるのです」

今回の合意は、公衆衛生の観点からCOVID-19治療の普及を保障する最初のライセンス契約となります。COVID-19の治療薬が不足している現状を考えれば、極めて重要な成果です。今回のイニシアチブにより、この薬が国や地域の保健規制当局から認可されるか、世界保健機関(WHO)の緊急使用リストに含まれるかすれば、ジェネリック薬の市場参入がより手頃な価格で可能になります。

合意によると、ジェネリック薬製造の資格を有し、関心がある製薬会社は、ライセンス契約の対象となる世界105カ国で製品化を認められることになります。さらに、COVID-19の流行には国境がないことを考え、この病気に苦しんでいるすべての国でジェネリック市場へのアクセスが可能になることをUNAIDSは期待しています。すべての健康技術を国際公共財と見なさなければなりません。

今回の合意の対象には、サハラ以南のアフリカのすべての国、およびすべての低所得国、大多数の下位中所得国、20の上位中所得国が含まれます。

MPPはもともと、HIV結核マラリアの医薬品・医療用品を公衆衛生の観点でとらえ、ライセンス契約の交渉を行うために設立されました。医薬品市場の競争を促し、必須医薬品の価格を押し下げることを通して、HIV対策に重要な役割を担ってきました。UNAIDSとMPPはともに、WHOの COVID-19技術アクセスプール(C-TAP)の運営委員会メンバーとなっています。C-TAPは、医療製品の技術と知識、データ、知的財産権を自発的に共有し、COVID-19の予防、診断、治療の普及を進めるイニシアチブです。

「COVID-19ワクチンの製造でも同様の取り決めをなすべきです。治療薬の普及に有効な仕組みは、ワクチンや診断薬、その他の救命技術にも有効です」とビヤニマ事務局長は語っています。「命を救う手段と技術を公平に共有できるようにすることは特許権者の義務です。G20諸国やその他各国政府は、この点をしっかりと認識していただきたい」

 

 UNAIDS welcomes landmark agreement between Medicines Patent Pool and Merck Sharp & Dohme

GENEVA, 28 October 2021—UNAIDS welcomes the agreement between the Medicines Patent Pool (MPP) and the pharmaceutical company Merck Sharp & Dohme through which the intellectual property rights over an antiviral medicine to treat mild to moderate forms of COVID-19 in adult patients are shared with interested sub-licensees on a non-exclusive and transparent basis. The new medicine, molnupiravir, is still pending regulatory approval but has obtained optimal results in clinical trials.

“This agreement is a good first step, where public health has been prioritized over profits,” said the Executive Director of UNAIDS, Winnie Byanyima. “This new treatment promises to be a valuable addition in the response to COVID-19 and access to it will be considerably widened by allowing companies from around the world to produce more affordable versions of the medicine.”

This is the first licensing agreement on a COVID-19 tool to be established within a public health perspective. It is a significant development considering the lack of medicines to treat COVID-19. The initiative will allow the entry into market of more affordable generic versions of this medicine as soon as it is granted authorization from national and/or regional health regulatory bodies or included in the World Health Organization (WHO) list for emergency use.

According to the agreement, pharmaceutical companies based anywhere in the world that are interested and qualified to manufacture generic versions of the product will be allowed to commercialize the medicine in the 105 countries included in the geographic scope of the licensing agreement. Nevertheless, recognizing that COVID-19 knows no geographic boundaries, UNAIDS expects that all countries suffering the disease burden will have access to the generic market for this product. All health technologies should be considered global public goods.

This agreement includes all sub-Saharan countries, all low-income countries, the majority of lower-middle-income countries and 20 upper-middle-income countries.

Originally established to negotiate public health-oriented licensing agreements for HIV, tuberculosis and malaria products, the MPP has been an important player in the HIV response by promoting competition within the pharmaceutical market and helping to push down the prices of essential medicines. UNAIDS and MPP are both members of the steering committee of the WHO COVID-19 Technology Access Pool (C-TAP), an initiative that calls for the voluntary sharing of technologies, knowledge, data and intellectual property rights of health products to prevent, diagnose and treat COVID-19.

“It is high time that similar arrangements are also made for making COVID-19 vaccines. What works for medicines should also work for vaccines and diagnostics and other life-saving technologies,” said Ms Byanyima. “I call on the Group of Twenty and other governments to ensure that patent holders are obliged to share life-saving tools and technologies equitably.”

報告数の減少は、前年比20件で推移 東京都エイズ通信

 

東京都が毎月発行しているメルマガ東京都エイズ通信の第170号(10月28日)が配信されました。今年に入ってから10月24日までの都内の新規HIV感染者・エイズ患者報告数は以下の通りです。

 

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  • 令和3年1月1日から令和3年10月24日までの感染者報告数(東京都) 

   ※( )は昨年同時期の報告数

 

HIV感染者      248件     (250件)

AIDS患者        51件      (69件)

合計           299件      (319件)

 

HIV感染者数及びAIDS患者は昨年度よりも減少している。

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 感染者・患者報告数の合計は、前年同期と比べ20件少なくなっています。前年との20件の差は、9月の発表(9月26日現在)と同数です。新型コロナウイルス感染症COVID-19の流行が一段落したことの反映でしょうか。根拠があるわけではなく、漠然とした感想で恐縮です。

 少ししつこく、同時に混乱を招いてしまうかもしれませんが、9月26日現在の報告数は264件で前年同時期は284件でした。

 つまり20件差ではありますが、報告数としては依然、減少傾向にあり、今年に入ってほぼ10カ月が経過した時点でもなお、300件の大台を下回っています。昨年の年間速報値は381件でしたから、それをさらに下回ることは確実ではないかと思います。

 ただし、報告の減少傾向は、必ずしも実際の感染の動向を示すものではありません。とくに今年は新型コロナウイルス感染症の流行が長期化し、東京もかなりの期間、緊急事態宣言の下にありました。それがHIV/エイズ対策にどのような影響をもたらしているのか。大きな影響があったことは薄々、分かってはいますが、その背景の分析はこれからの作業になります。

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『人間として闘いたい』 エイズと社会ウェッブ版584

 2005年に神戸で開催された第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議(神戸会議)の思い出話が続いています。申し訳ありませんがしばらくのご辛抱を。

 現代性教育研究ジャーナルの連載コラムOne Side/No Side(多様な性のゆくえ)第54回『人間として闘いたい』。2021年10月15日号の13ページに載っています。

 https://www.jase.faje.or.jp/jigyo/journal/seikyoiku_journal_202110.pdf 

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 神戸会議開会式の司会は長谷川博史さんと池上千寿子さんにお願いしました。「開会式の予算はありませんよ」という組織委員会からの無情のお達しがあり、苦肉の策の人選・・・というか、懇願してお引き受けいただいたのですが、これがまた大正解。

 『英語と日本語を巧みに使い分け、2時間に及ぶ式典を円滑に進めることは至難の業だと思えたが、長谷川・池上コンビはそれをやすやすとこなしていく。舞台の袖に控えていた私は、ただただその手際に見とれるだけだった』

 アジア・太平洋地域のHIV陽性者やキーポピュレーションの人たちを代表してスピーチを行ったのは、インドネシアのフリッカ・チア・イスカンダールさんでした。

  「私はここに立って、HIVに感染していることを明らかにし、偏見や差別にさらされるようになることを恐れています。それでも私はここにいます。なぜなのか。人間として闘いたいと思うからです」

 その時、フリッカは母国のインドネシアHIVに感染していることを明らかにしてはいませんでした。壇上でスピーチを行えば、どうなるのか。大きな不利益が予想されるかもしれない。それでも・・・。

 「もしも私たちが偏見や差別を避けて通ろうとするなら、それでどうやって偏見や差別と闘うことができるのでしょうか」

 そして、フリッカに続いて壇上に立ったヒロシ(長谷川さん)は次のように語っています。

「世界中が力を合わせてエイズと闘うには、いかなる理由が あろうと、同じ病で倒れる者と生き残る者の格差があってはなりません。治療にアクセス出来る者と出来ない者のギャップを認めてはなりません」

 COVID-19のパンデミックを前にして世界はいまなお、同じ課題と試練に直面しています。