厚生労働省のエイズ動向委員会が9月16日に開かれました。国内における2025年新規HIV感染者・エイズ患者報告数の年間確定値と、2026年上半期(第1・第2四半期)の報告数がまとまり、API-Netで公表されています。
2025年確定値
https://api-net.jfap.or.jp/status/japan/nenpo.html
2026年上半期報告数
https://api-net.jfap.or.jp/status/japan/index.html
2本立てになっているので、ちょっとややこしくてすみません。どちらも概要は『委員長コメント』をご覧ください。
昨年の年間確定値は、今年3月26日に発表された速報値と変わりありません。
新規HIV感染者報告 624件
新規エイズ患者報告 266件
合計 890件
新規HIV感染者報告は過去20年間で最も少なく、新規エイズ患者報告を合わせた合計数でも2022年の884件に次いで過去20年間で2番目に少なくなっています。
速報値の数字を精査して発表される確定値は、必ず速報値を上回るものだと思っていましたが、速報段階における把握の精度が上がったのでしょうか。そうだとすれば、動向委員会の努力と合わせ、全国の自治体や医療機関の貢献も大きいですね。
合計の報告数が最も多かったのは、2013年の1590件でした。その後は減少傾向が続き、年によって多少の増減はありましたが、2022年に1000件の大台を割って884件となっています。2023、24年は小幅な増加に転じましたが、昨年は再び900件を下回っています。
あくまで報告レベルの数字であり、増減にはエイズ対策への社会的関心度も影響しそうなので必ずしも楽観は許しませんが、速報値と同数だったことは、ひとまず歓迎すべき結果ではないかと思います。

ただし、今年上半期の報告数を見ると、それで安心している場合ではないぞ!と改めて警告されている印象です。動向委員会の委員長コメントを見ると、上半期報告は第1四半期(1~3月)と第2四半期(4~6月)に分けて報告されていますが、数字に弱い私は混乱するばかりなので、合計して上半期で考えていきましょう(最近は足し算も間違えそうですが、悪しからず)。
今年上半期の報告数は以下の通りです。()内は昨年上半期の数字です。
新規HIV感染者報告数 338件(304件)
新規エイズ患者報告数 139件(119件)
合計 477件(423件)
昨年と比べると合計数は上半期だけで54件も増えています。新規HIV感染者報告数、新規エイズ患者報告数、そして合計数と、いずれも1割以上増えています。仮定の話で恐縮ですが、再び報告が増加傾向に転じていくのだとすると、その背景には何があるのでしょうか。他のデータもあわせて分析する必要がありそうです。私には到底歯が立ちません。予防対策の現場はどこにあるのかという問題も含め、できれば現場の状況にも詳しい公衆衛生分野の専門家に分析をお聞きしたいところです。