『編集者のアクティビズム』 エイズと社会ウェブ版687

 現代性教育研究ジャーナルNo158(2024年5月15日発行)に掲載されたコラム 多様な性のゆくえの第85回です。前号に続き、社会学者、大島岳さんの著書の紹介。

 12ページに掲載されています。よかったらご覧ください。
 https://www.jase.faje.or.jp/jigyo/journal/seikyoiku_journal_202405.pdf

 『私の場合、1990 年代のある時期から「HIV 陽性者探しはしない。当事者に会わなくても取材はできる」という個人的な思い込みで取材方針を勝手に決めていた時期があった。長谷川さんと知り合う機会が遅れたのも、そのためではないかと思う』
 ま、言い訳だけど・・・。
 ジャーナリズムとアクティビズム(あるいはアドボカシー)は同じことのように見えても実は、目指しているものが少し(時には大きく)異なることがある。
 うまく言葉にできないままなのですが、エイズについて何かを書くという作業を続ける中で、漠然とそんな印象が積み重なっています。
 ただし、はっきり線が引けるものでもない・・・ということで、思考はいつも堂々巡り。そんな状態だから、「エイズと報道について何か書いてください」といった依頼を受けると、困っちゃうんだよね。いつまでも歯切れが悪いままで、ご期待に沿える原稿にはなりません。
 1月に亡くなった樽井正義AIDS&Society研究会議副代表からは「一人くらいそんな奴がいてもいいんじゃないの」と暖かくもまた、突き放したような励まし(だったと思う、たぶん)の言葉をいただいた記憶があります。長谷川さん、そして樽井さんと、個人的には大きな支えが次々に失われていく気分。