『未知の感染症に立ち向かう』 エイズと社会ウエブ版666

 現代性教育研究ジャーナルNo.151(2023年10月15日)が発行されました。日本性教育協会のサイトでPDF版をダウンロードできます。

https://www.jase.faje.or.jp/jigyo/journal/seikyoiku_journal_202310.pdf 

 連載コラム『多様な性のゆくえ』第78回は14ページに掲載されています。タイトルは『未知の感染症に立ち向かう』。

 世界のエイズ対策の基本となる「GIPA原則」(Greater Involvement of People Living with HIV/AIDS(HIV陽性者のより積極的な参加)、およびその源流となった1983年のデンバー宣言の紹介です。

 1983年はエイズの病原ウイルスが見つかった年であり、発見者であるフランスの医学者2人は後にノーベル賞を受賞しています。

《同時期に登場したデンバー宣言も、エイズ対策に重要なパラダイムシフトを促す契機となった。ただし、そのことを知る人はいまも少ない。デンバー宣言と言われ、えっ、何それ?と思う人が圧倒的に多いはずだ》

恥ずかしながら、私もデンバー宣言については「名前は聞いたことがある」といった程度の知識しかありませんでした。

 というわけで、知ったかぶりで恐縮ですが、しばらくデンバー宣言をめぐる話題を取り上げます。1回ではとても紹介しきれません。

《もちろん、政府間の国際会議であるパリ・エイズサミットの共同声明に盛り込まれた背景には、そうした条件が整うように動き続けてきた人たちの長い活動の蓄積があった。そして、その出発点が米国内のゲイコミュニティを中心にしたエイズアクティビストによるデンバー宣言だったことは、もっと評価されてもいい》

 よくもまあ、臆面もなく・・・と言われれば、その通りですが、このことはやはり伝えておきたい。