『最後に別れなかった人』 エイズと社会ウェブ版526

 現代性教育研究ジャーナルの2020年11月号(No116)に掲載された連載コラムOneside Nosideの第43回です。5月に亡くなったラリー・クレーマー氏については、第41回でも紹介しましたが、その時はエイズメモリアル公園の話が中心になってしまいました。私は事前にきちんと構想を立て、それに従って原稿を書き進めるということができず、書き始めたら風任せ・・・みたいなところがあります。生活態度もそうなので、しょうがないか(え?そんなこと誰も聞いていない。そうですね)。

 改めて、クレーマー氏を偲び、 20ページに掲載していただきました。こちらでご覧ください。 

www.jase.faje.or.jp

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 『クレイマー氏は2013年7月24日、ニューヨークの病院でパートナーのデビッド・ウェブスター氏と結婚式を挙げている。腸閉塞の手術を受け、集中治療室に入っていたため、会場をアパートのテラスから集中治療室に変更し、友人、親戚ら約 20 人が出席した』
 結婚式は7年前でしたが、パートナーとしてのお付き合いはそれ以前から長く続いていました。なぜ集中治療室での挙式になったのか。原稿ではそのことにも少し触れました。そして、今年5月に最期を看取ったのもウェブスター氏だったそうです。

 GMHC、ACT UPとHIV/エイズ対策の中心を担う組織を作っては飛び出し(つまり喧嘩別れし)・・・ということを繰り返してきたけれど、パートナーとは別れなかった。同性間の結婚を認めない理由はないということを改めて感じます。本文中に紹介した北丸雄二さんの訳書のタイトルにもあるように、まさしく「絶対に諦めなかった人々」の1人ですね。