世界エイズデー2020『グローバルな連帯、共有の責任』 エイズと社会ウェブ版527

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)が世界エイズデー2020のキャンペーン概要を公式サイトに発表しました。テーマは“Global solidarity, shared responsibility”( グローバルな連帯、共有の責任)です。日本語仮訳版がAPI-Net(エイズ予防情報ネット)に掲載されているので、こちらをご覧ください。 

api-net.jfap.or.jp

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 日本語版のタイトルは、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が3月31日に発表したコロナ対策報告書『Shared responsibility, global solidarity: Responding to the socio-economic impacts of COVID-19』の国連広報センター訳(共有の責任とグローバルな連帯:COVID-19の社会経済的影響への対応)を参考にしています。

 shared responsibilityは『責任の共有』か『共有の責任』か、迷うところですね。責任の共有(つまり、責任を共有する)の方が日本語としては通りがよさそうにも思いますが、「課題を共有する責任がである」といったニュアンスも含め、『共有の責任』としました。

 『キャンペーン自体も国連事務総長報告を踏まえ、HIV/エイズとCOVID-19の二つのパンデミックを克服する観点から、不平等の解消に向けた構造的課題への対応を重視しています。また、その中でとくに以下の5課題を強調し、ポスターやビデオも自由に活用できるようにして、様々な立場の人たちの協力を呼びかけています』(API-Netの紹介文から)。

 おっと、5課題は次の通りです。

・保健資金の確保

・保健システム強化

・治療薬やワクチンへのアクセスの保障

・人権尊重

・女性・女児の権利とジェンダーの平等

 総合的、ふかん的といいますか。COVID-19とHIV/エイズという2つのパンデミックに対峙する中で、重要な視点が網羅されている印象は受けますが、キャンペーンとしてみると、具体的な動きに結びつけるにはどうすればいいのでしょうか・・・ということで少々、戸惑ってしまう印象もあります。

 世界はいま、それほどに切実かつ重大な課題を抱えているということなのかもしれませんね。

 GO TOのように、まるで、お金で釣って動きをそそのかそうとでもしているのではないかとついつい思いたくなってしまう政府キャンペーンよりは、はるかにましだとは思いますが・・・。