五輪とエイズ対策

I’mpossible ありえないと思っていたことが実現できる アイムポッシブル賞創設

英語でImpossibleといえば、「不可能な」「ありえない」といった意味ですが、Iとmの間にアポストロフィ(’)が入って、I’m possibleだと「私はできる」に変わります。 東京パラリンピック2020の開催を1年後に控え、国際パラリンピック委員会(IPC)チーフマ…

HIVとオリンピック・パラリンピック総集編 + 五輪とHIV関連年表

日本エイズ学会誌2019年2月号に掲載していただいた『HIVとオリンピック・パラリンピック』の原稿に加筆し、当ブログでも7回に分けて紹介しました。最初から通して読みたいという方は、もちろんそれほど多くはいないのでしょうが、少しはいるかもしれません。…

HIVとオリンピック・パラリンピック 7 『「ギャグ」ではすまない現実』

◆「ギャグ」ではすまない現実 エイズの流行は政治的課題としてとらえなければならない。流行の初期段階から常に指摘され続けてきたことではあるが、国際エイズ学会(IAS)は2018年の年次書簡で、この古くて新しい課題をあえて取り上げ、(いまなお)と強調し…

HIVとオリンピック・パラリンピック6 『(いまなお)政治的な課題』

◆(いまなお)政治的な課題 HIV/エイズ分野で世界最大の専門家組織である国際エイズ学会(IAS)は1988年に創設された。ソウル五輪の選手村で初めてコンドームが配られ、12月1日が世界エイズデーになった年でもある。 ベルリンにはまだ東西ドイツの分断を象徴…

HIVとオリンピック・パラリンピック5 『ソチ五輪とオリンピック憲章』

◆ソチ五輪とオリンピック憲章 2014年2月に開かれたソチ冬季五輪はロシアにとって、旧ソ連時代のモスクワ五輪以来36年ぶりに国内で開かれるオリンピックだった。日本で平成という時代がスタートしたのと同じ1989年から始まった冷戦終結とソ連崩壊という世界史…

HIVとオリンピック・パラリンピック 4 『最終走者のその先に』

◆最終走者のその先に 個人的な話で恐縮だが、1996年夏のアトランタは記者生活で唯一、五輪を現場で取材する機会だった。産経新聞アトランタ五輪取材班のキャップとして取材の総指揮を執った・・・というと聞こえはいいが、実際は他の記者の取材配置や食事、…

HIVとオリンピック・パラリンピック 3 『カミングアウト』

◆カミングアウト 米プロバスケットボールNBAのアービン・マジック・ジョンソンは1991年11月、シーズン開幕直前の記者会見で現役引退を発表した。健康診断でHIV感染が判明し、心身両面で強い緊張が続くNBAのシーズンは戦い抜けないと判断したからだ。 それで…

HIVとオリンピック・パラリンピック 2 『コンドーム配布の理由』

◆コンドーム配布の理由 ロス五輪の次の1988年ソウル夏季五輪では、選手村でコンドームが配布された。米国のウェブマガジン『SLATE』によると、8500個のコンドームが用意されている。配布規模はその後、拡大を続け、2012年のロンドン五輪で15万個、16年リオ五…

HIVとオリンピック・パラリンピック 1 『モスクワとロサンゼルス』

日本エイズ学会誌の2019年2月号に『HIVとオリンピック・パラリンピック』という文章を寄稿しました。半年後には当該号のPDF版が学会公式サイトに掲載されるということです。 こちらは2018年8月号。2019年2月号はもうちょっと待っててね エイズ学会の会員では…

HIV/エイズに関するクイズその他 スポーツコミュニティのためのHIV/エイズ教育ツールキット9

IOCとUNAIDSによるHIV/エイズ教育ツールキットの日本語仮訳は今回が最後となります。最終部分の参考資料のうち、「HIVとエイズに関するクイズ」と「用語集」を紹介します。以下の付属文書は省略します。悪しからず。 クイズ、用語集ともおそらく2010年当時の…

第7部「コーチ、トレーナー、指導者のHIVとAIDSへの対応」 スポーツコミュニティのためのHIV/エイズ教育ツールキット8

セクションの冒頭に書かれているように第7部では対象年齢別のカリキュラムが紹介されています。最初の囲み記事のすぐあとには、指導にあたるコーチ、トレーナーに対しても以下のようなアドバイスが載っています。 《HIVとエイズは誰にとっても難しい話題です…

第6部「スポーツ機関のHIVとエイズへの対応」 スポーツコミュニティのためのHIV/エイズ教育ツールキット7

世界エイズデー(12月1日)の前後数週間は、紹介したい文献も増え、何かと忙しくなります。したがってツールキット紹介の方は途中で止まっていましたが、再開しましょう。 第6部は、国際労働機関(ILO)のた職場におけるHIV/エイズ対策行動規範などをもとに…

第5部「スポーツとHIV」 スポーツコミュニティのためのHIV/エイズ教育ツールキット6

少し時間があいてしまいましたが、国際オリンピック委員会(IOC)と国連合同エイズ計画(UNAIDS)によるHIV/エイズ教育のツールキットについて、紹介を続けます。今回は第5部「スポーツとHIV」です。第4部同様、かなり長いセクションですが一挙に掲載します…

第4部「知っておく必要があること」 スポーツコミュニティのためのHIV/エイズ教育ツールキット5

IOCとUNAIDSによるHIV/エイズ教育のツールキットはここからが本編といいますか、実際にHIV/エイズ教育をスポーツの場で進める際の教材になります。第4部はそのうちのHIV/エイズに関する基礎知識編ですね。かなり前に作成されているので、事実関係としてアッ…

第3部 「このツールキットの内容は?」 スポーツコミュニティのためのツールキット4

IOCとUNAIDSによるHIV/エイズ教育ツールキットの第3部は、ツールキット本体ともいうべき第4部から第7部までの内容を短くまとめた紹介です。あれ・・・ということは、いままではずっと前置きだったの? と少々、ずっこけてしまうような感じにもなりますが、あ…

第2部「コーチ、トレーナー、役員の皆さんに」 ツールキット3

IOCとUNAIDSによるHIV/エイズ教育ツールキットの第2部は、若者のスポーツ指導に当たる人たちへのメッセージです。 『HIVに関しても同じことです。お手本を示すことで、若者は理解するのです。もしも選手たちにHIV陽性者をケアするように求めるのなら、そのお…

スポーツコミュニティのためのツールキット2 第1部 どうしてこのツールキットが作られたのか

国際オリンピック委員会(IOC)と国連合同エイズ計画(UNAIDS)によるツールキットの第一部は、どうしてこうした資材を作成したのか、その理由を説明しています。どうしてIOCがエイズ対策に取り組むのかという説明でもあります。 『スポーツの世界は、他の世…

『力を合わせてHIVとエイズの予防に取り組もう スポーツコミュニティのためのツールキット』1

スポーツを通じたHIV&AIDSの啓発・予防教育のために、国際オリンピック委員会(IOC)と国連合同エイズ計画(UNAIDS)は詳細なツールキットを作成し、2005年に発表しています。 2013年11月に出されたUNAIDSとIOCの『スポーツを通じたHIV&AIDSの予防』というフ…

五輪とエイズ対策2 ロンドンからのレポート『性の健康に関する計画とレガシープログラム 総括報告』

困った話題が次から次へと登場し、2020年東京五輪はいまだに課題がありすぎるほどある印象ですね。こんな時期におずおずと「五輪とエイズ対策」について言及しても、ほとんど相手にしてもらえないかもしれません。たぶん、してもらえないでしょう。でも、じ…

『スポーツを通じたHIV&AIDSの予防』 新シリーズ・五輪とエイズ対策1 

リオデジャネイロ・オリンピックは大々的な盛り上がりのうちに閉会式を迎え、1カ月後の現在、リオではパラリンピックの熱戦が展開中です。TV放送で選手たちのプレーに声援を送りつつ、あの政治も経済も大混乱で、保健分野に関しても不安だらけだったブラジル…

4209 オリンピックとエイズ対策 TOP HAT News第61号

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ TOP-HAT News(トップ・ハット・ニュース) 第61号(2013年9月) ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ TOP-HAT Newsは、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指し…