始まっていました サル痘→エムポックス 名称変更のパブコメ募集 エイズと社会ウェブ版645

 昨年春ごろから国際的に感染の拡大が顕著となったサル痘の名称変更について、厚労省パブリックコメントを募集しています。
 『四類感染症である「サル痘」について、WHO の名称変更に伴い「エムポックス」とし、三種病原体である「オルソポックスウイルス属モンキーポックスウイルス」の別名を「エムポックスウイルス」とする』という改正案についてのコメント募集ですね。
 コメントの受付開始は4月10日でした。締め切りは5月10日です。
 報告が遅くなってすいません。いつやるの? と厚労省の公式サイトを探していたのですが、募集告知がなかなか見つけられませんでした。
 ちょっと経緯を説明しておきましょう。
 WHOがサル痘(monkey pox)からM痘(mpox)への名称変更推奨を発表したのは昨年11月28日でした。ただし、1年間の移行期間を設け、徐々に変更を進めていくということです。変更理由について、WHOは当日発表したプレスリリースで『サル痘拡大期には人種差別的でスティグマを生み出すような発言がオンラインなどで観察されWHOに報告がありました』と説明しています。このあたりのことはエイズ&ソサエティ研究会議のTOP-HAT News第172号の『はじめに サル痘からM痘に 1年かけて名称変更』で少し詳しく紹介したので参考にしてください。
 https://hatproject.seesaa.net/article/495848784.html
 このWHO発表を受け、じゃあ日本ではどうしようかということになり、厚労省は今年に入って2月17日に専門家の意見を聞いた結果、新名称をカタカナ表記の「エムポックス」にし、パブリックコメントを募集したうえで、最終決定する方針を明らかにしました。
 このパブリックコメントの開始がなかなか見つけられなかったわけですね。
 実はコメント募集の対象は『感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令』であり、サル痘名称の変更はその一部だったので、分からなかった。つまり、私の検索の仕方が甘かっただけの話ですが、あえて憎まれ口をたたけば、本当に意見を聞きたいのか、ちょっと疑ってしまいます。疾病の予防や治療の普及には、多くの人に関心を持ってもらう必要がありますが、そのためにはパブリックコメント募集を啓発のツールとして活用するぐらいの戦略眼が欲しい・・・。
 まあ、いいか。個人的には「エムポックス」に異論があるわけではありませんが、ご意見がある方はどしどし投稿してください。こちらです。
 https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495230011&Mode=0