こんなご時世だからこそ、楽しく続けたい 東京都エイズ通信私感

 

 

東京都福祉保健局のメルマガ『東京都エイズ通信』の第176号(2021年4月28日)が配信されました。今年に入ってから4月24日までの都内の新規HIV感染者・エイズ患者報告数は以下の通りです。

*************************************

 令和4年1月1日から令和4年4月24日までの東京都の感染者報告数です。

  HIV感染者数及びAIDS患者共に、令和3年よりも減少しました。

 

HIV感染者       71件    (102件)

AIDS患者        16件    ( 24件)

   合計             87件      (126件)

※( )は昨年同時期の報告数

*************************************

 新規HIV感染報告数も新規エイズ患者報告数(エイズを発症して初めてHIV感染が分かったケース)も、ともに前年同時期より減っています。合計報告数では前年同時期より39件も少なくなっています。3割以上の減少です。

 何度も同じことを書いていますが、これはあくまで、報告ベースの減少です。この期間に感染した人の数ではなく、検査を受けて感染が分かった人の数です。

 したがって、感染しても検査を受けなければ、報告の数字には反映されません。

 感染の高いリスクに曝されている人が検査を受ける機会が減るような要因が社会的にあれば、報告数は減っても、実際の感染は増えているといったこともあり得ます。

 コロナの流行、ウクライナに対するロシア軍の侵攻などがその要因になっているのかどうか。個人的にはなっているのではないかという印象も受けていますが、感想レベルの私の分析能力では、はっきりとは分かりません。

ただし、この困難な状況の中でも、感染の拡大は何とか抑えられているのではないかという期待もあります。世の中、心配事ばかりだし、HIV/エイズの流行に対する社会的な関心はますます低下するし・・・という逆境に追い込まれつつも、東京の検査施設やHIV/エイズ分野のNPOの皆さんが安心して検査を受けられる環境の整備に向けて健闘し、様々な工夫を重ねているということも、また聞きベースではありますが、聞いているからです。

感染の高いリスクに曝されやすい人たちに対するスティグマや差別の解消に取り組むこと、これも検査や治療の普及を妨げる社会的な障壁を克服する重要な要素です。遠回りのようでも、地道に辛抱強く、そしてできれば長続きするよう楽しくやっていきたい。抽象的な言い方で恐縮ですが、エイズ対策は世の中のいろいろな現象とつながっています。

 東京都エイズ通信の配信登録はこちらから。

www.mag2.com