2030年を目標達成年とする国連の持続可能な開発目標(SDGs)には、17分野のゴールが設定されています。(公衆衛生上の脅威としての)エイズ流行終結は、このうちゴール3「すべての人に健康と福祉を」の中の、さらにその各論編ともいうべき感染症分野のターゲットの、そのまた一部として位置づけられています。ミレニアム開発目標(MDGs)当時と比べると、ずいぶん格下げされたなあ・・・という印象を抱かずにはいられません。
国際的な『エイズはもういいだろう』感覚が広がる中で、何とかターゲットの中に位置づけられただけでも、何もなくなってしまうよりははるかにましだったといえるかもしれません。ターゲットのそのまた一部に押し込むだけでも関係者の努力はさぞかし大変だったのではないかと推察いたします。
ただし、SDGsについて考える際には、HIV/エイズ対策に関連する目標はゴール3の保健に限った話ではありませんよということもまた、改めて強調しておかなければならない。この点もまた重要なのではないかと思います。
治療も進歩したことだし、もう保健医療の分野できちんと対応できるのだから、それでいいではないか・・・といった意見を少数の医療関係者から、まれに聞くこともあります。
あくまで、「少数」であり「まれに」ではありますが、世界も日本も広いからそうした気分がないこともないのでしょうね。この際、HIV/エイズ対策の資金を自分たちの分野でいただいてしまおうなどと考える人はさすがにいないとは思いたい。それでも根が心配性なせいか、ひょっとするといるかもしれないと思ってしまうような場面に遭遇することもないわけではありません。
社会的な関心が低いままだと、そうした見方がいつの間にか、少数ではなく、多数意見になってしまうのではないか。そんな懸念がますます募ることもあります。
したがって、間違ってもそんなことにはなってほしくないと思っていたら、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の公式サイトにSDGs特集のページが設けられていました。
参考までにYoutubeの動画はこちら。
私は「活字が主役」の世代なので、英語の動画はほどほどに流して、メインの記事を日本語に訳してみました。ざっくり言えば、HIV/エイズ対策に関係しているのは、ゴール3だけではありませんよということが書いてあります。
『HIV陽性者およびHIVに影響を受けている人びとのニーズに対応しない限り、そして健康と脆弱性の決定要因に対応しない限り、エイズの流行は終わりません。HIV陽性者は社会的に弱い立場のコミュニティに属し、差別を受け、排除され、不平等や不安定な状態に置かれていることがしばしばあります。したがって、持続可能な開発は、こうした人たちの懸念に対応できるようにすることを中心に据えていかなければなりません』
具体的にはエイズ終結に向けたSDGsの関連目標として以下の10分野が挙げられています。
ゴール 1:貧困をなくそう
ゴール 2:飢餓をゼロに
ゴール 3:すべての人に健康と福祉を
ゴール 4:質の高い教育をみんなに
ゴール 5:ジェンダー平等を実現しよう
ゴール 8:働きがいも経済成長も
ゴール10:人や国の不平等をなくそう
ゴール11:住み続けられるまちづくりを
ゴール16:平和と公正をすべての人に
ゴール17:パートナーシップで目標を達成しよう
以下、日本語仮訳を紹介しておきましょう。
◇
17の持続可能な開発目標(SDGs)とエイズ対策の基本原則は、誰も置き去りにすべきではないということです。HIV陽性者およびHIVに影響を受けている人びとのニーズに対応しない限り、そして健康と脆弱性の決定要因に対応しない限り、エイズの流行は終わりません。HIV陽性者は社会的に弱い立場のコミュニティに属し、差別を受け、排除され、不平等や不安定な状態に置かれていることがしばしばあります。したがって、持続可能な開発は、こうした人たちの懸念に対応できるようにすることを中心に据えていかなければなりません。
エイズ対策は健康への権利やジェンダーの平等、人権、雇用、社会保障などを前に進めてきました。保健と開発の成果を阻害するような硬直した社会規範や社会的排除、法的な障壁の打破に取り組み、その手法は次第にグローバルヘルスと開発分野に広く取り入れられるようになりました。
UNAIDSを含む国連機関は、SDGsの課題全体の達成に向けて活動しています。その課題の中にはとりわけエイズ対策との関係が深い10分野のSDGsも含まれています。
ゴール:1 貧困をなくそう
貧困はHIV感染に対する脆弱性を高めることになります。女性は社会経済的に不平等な立場に置かれていることで、HIV感染の予防やHIVがもたらす影響の軽減が困難になっています。HIVに影響を受けている家庭は、貧困に陥りやすく、そこから抜け出すことも困難になります。経済的な支援と社会保障の提供が、貧困とHIVに対する脆弱性を抑え、HIV陽性者が健康に生活していくことを助けます。
詳しくは以下を参照
https://www.ilo.org/aids/Constituents/lang--en/index.htm
- UNAIDSと社会保障
https://www.unaids.org/en/topic/social-protection
- 世界銀行ヒューマンキャピタルプロジェクト
https://www.worldbank.org/en/publication/human-capital
ゴール2:飢餓をゼロに
飢餓は、HIV感染リスクが高い行動を促し、治療の継続にも悪影響を及ぼすことで、HIV感染に対する脆弱性を高めます。そして、HIV関連の疾病が進行すれば、栄養状態が悪化し、生産力が落ちることで家族の食糧安全保障も脅かされるのです。家族に対する栄養支援、および栄養支援とHIVサービスの統合型提供システムにより、HIV感染を防ぎ、健康状態を改善することができます。
詳しくは以下を参照
- 世界食糧機関の開発・人道分野におけるHIVと栄養合同プログラム
https://www.wfp.org/nutrition-in-hiv-and-tubercolosis
ゴール3:すべての人に健康と福祉を
性と生殖に関する健康サービスや注射薬物使用者へのハームリダクションを含むユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)が実現できないと、HIVの予防と治療へのアクセスも大きく制限されてしまいます。HIVは性感染や母子感染が主要な感染経路です。HIVに配慮したUHCが健康格差を解消し、一方で、人権を重視した性と生殖に関する健康、非感染症、肝炎、結核などさまざまな保健医療サービスとHIVサービスを統合して進めることが、保健分野のより大きな成果をもたらすことにもなります。SDG3には、2030年までのエイズ終結という国連全加盟国による約束も含まれています(ターゲット3.3)。
詳しくは以下を参照
- 『協力を強化し、健康を実現しよう:すべての人の健康な生活と福祉に向けた世界行動計画』。世界保健機関など12国際機関による報告書。2019年9月、国連総会で発表
- ユニバーサル・ヘルス・カバレッジに関するUNAIDSガイド
https://www.unaids.org/en/resources/documents/2019/hiv-uhc-guide-civil-society
https://www.unfpa.org/hiv-aids
- 注射薬物使用者へのHIV対策。国連薬物犯罪事務所
https://www.unodc.org/unodc/en/hiv-aids/new/addressing_HIV_and_AIDS.html
https://www.ilo.org/aids/lang--en/index.htm
https://www.worldbank.org/en/topic/universalhealthcoverage
ゴール:4 質の高い教育をみんなに
世界にはHIVに関する包括的かつ正確な知識がない若者がたくさんいます。HIV関連の疾病、およびスティグマや差別は、教育の機会を妨げることにもなります。教職員も影響を受けます。学校をHIV陽性者やHIVに影響を受けている生徒、教員にとって安全で、健康的で、インクルーシブな場所へと変えていくには国の教育担当部門の力が必要です。また、質の高い包括的セクシュアリティ教育を提供することは、若者の人生を変えていく力にもなります。若者が健康に関する十分な情報を得たうえで責任のある行動をとり、自尊感情を高め、有害なジェンダー規範や社会規範、態度を変えていくために必要な知識と技術を得られるようになるからです。
詳しくは以下を参照
https://en.unesco.org/themes/health-education/hiv-sexuality-education
https://en.unesco.org/themes/health-education/hiv-sexuality-education
- UNAIDSの若者関与のための対策
https://www.unaids.org/en/topic/young-people
ゴール 5:ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダーの不平等、差別、暴力、有害な習慣は、女性、女児、男性、男児に悪影響を与え、HIV感染のリスクと影響を拡大します。HIVは出産可能年齢の女性(15–44歳)の最も大きな死亡原因なのです。HIV陽性の女性は暴行を受ける機会が多くなります。女性の注射薬物使用者に対するスティグマと差別、ジェンダーに基づく暴力や迫害は、HIVや結核、肝炎、性感染症の感染リスクを高めています。固定化したジェンダー概念を変えていくHIVプログラムは、男性による暴力を減らし、女性を力づけていくことができます。一方で人権を基本にしたHIVサービスと性と生殖に関する健康を統合していくことがサービスの普及と成果を高めることになります。
詳しくは以下を参照
- UNAIDSとジェンダー
https://www.unaids.org/en/topic/gender
- UN WomenとHIV
https://www.unwomen.org/en/what-we-do/hiv-and-aids
https://www.unfpa.org/hiv-aids
- 女性薬物使用者のニーズに対する国連薬物犯罪事務所の対応
https://www.unodc.org/unodc/en/hiv-aids/new/drug-use_and_HIV.html
ゴール8:働きがいも経済成長も
安全で安心できる職場環境があれば、HIVサービスは利用しやすくなります。とりわけ非合法の移民労働者やセックスワーカーなど非正規の雇用形態では、そうなります。職場環境の改善を通して、HIV予防、治療、ケア、支援のサービスを移住労働者やレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、インターセックスの労働者、その他の弱い立場の労働者に届けることができるのです。HIV陽性者の失業率は、国の平均失業率の3倍も高いことがあります。働く世界でHIVに対応すること、そして労働者の権利を守ることによって、HIV陽性者やHIVに影響を受けている人たちは十分に能力を発揮して働けるようになります。
詳しくは以下を参照
- UNAIDSと民間企業との協力
https://www.unaids.org/en/topic/privatesector
- 国際労働機関のHIVと働く世界
https://www.ilo.org/aids/lang--en/index.htm
https://www.worldbank.org/en/topic/infectiousdiseases
ゴール10:人や国の不平等をなくそう
収入の格差があるとHIV陽性率は高くなります。HIVは力を奪われ、社会的に弱い立場のコミュニティに最も厳しい影響をもたらしています。キーポピュレーションに対するスティグマと差別は、HIV陽性率を高める主要因であり、医療や住宅の確保も困難になります。人が自らの権利の実現を求め、HIVサービスへのアクセスを広げるには、法的なサービスや権利についての理解を深め、司法へのアクセスを確保し、国際的にもそのための対応策を整え、弱い立場の人たちが差別から守られるようにする必要があります。
HIVと法律に関する世界委員会は、国連開発計画(UNDP)がUNAIDSを代表して招集した独立の委員会です。18カ月にわたって集中的な調査と協議、分析、検討を重ねました。140カ国からHIV関連の法律に最も大きな影響を受けている700人以上から証言を得たのに加え、HIV、保健、法律分野の専門家や学術団体からの意見聴取も行っています。
詳しくは以下を参照
UNAIDS HIVと人権
https://www.unaids.org/en/topic/rights
- 国連開発計画(UNDP) HIVと保健
https://www.undp.org/content/undp/en/home/2030-agenda-for-sustainable-development/people/health/
https://www.unfpa.org/hiv-aids
https://www.unaids.org/en/topic/key-populations
ゴール11:住み続けられるまちづくりを
HIVの流行は特に都市部に大きな影響を与えています。HIV陽性者の4分の1以上は世界の200都市に集中しているのです。都市化の急速な進行に伴い、多くの都市がHIVの流行拡大に直面しています。スラムに暮らす人たちは、同じ都市内の他の地域よりもHIVに感染する確率が高くなることが多いのです。各都市が主導するエイズ対策は、社会から最も排除されやすい人たちのために保健、社会システムを整えることを通して社会を前向きに変える力になっています。
詳しくは以下を参照
- HIVと都市
https://www.unaids.org/en/cities
ゴール16:平和と公正をすべての人に
排除とスティグマ、差別、暴力は、成人と子供のHIV流行の拡大を促してきました。一方で、エイズ対策はHIV陽性者やHIVに影響を受けた人たちが引っ張ってきたことから、その経験を踏まえた教訓をもとに、公正な扱いを求め、人を中心に据えた仕組み作りを促すことにもなりました。保健と開発の分野では、コミュニティが主導することで、人権を基盤にしたより適切かつ責任の持てるプログラムを生み出すことができます。
詳しくは以下を参照
- 緊急事態とHIVに関する国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の対策
https://www.unhcr.org/hiv.html
- 緊急事態とHIVに関する世界食糧計画(WFP)の対策
https://www.wfp.org/nutrition-in-hiv-and-tubercolosis
https://www.iom.int/human-mobility-hiv
https://www.unaids.org/en/topic/key-populations
- HIVと安全保障
https://www.unaids.org/en/topic/security
- 刑務所など閉ざされた場所にいる人たちに対する国連薬物犯罪事務所のHIV対策
https://www.unodc.org/unodc/en/hiv-aids/new/publications_prisons.html
ゴール17:パートナーシップで目標を達成しよう
エイズ流行終結には、HIV関連の製品が手ごろな価格で得られるようにするため、世界が力を合わせて行動する必要があります。HIV運動は、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)の柔軟な運用と自由貿易交渉を利用し、法的措置も取りつつ、特許関連の法律および規制システムの改革を求めてきました。抗レトロウイルス治療の第2、第3選択薬を含めたHIV関連製品の手ごろな価格を守ることは、結核やC型肝炎、非感染症を含むより広範な保健と公正に関する課題の解決にも役立つのです。SDGの課題とエイズ対策の連携は、とりわけ市民社会とコミュニティにおける開発分野のイノベーションを進めるうえで、極めて重要な意味を持っています。
詳しくは以下を参照
- エイズ対策に活用できるリソース
https://www.unaids.org/en/topic/resources
- アクセスと提供パートナーシップを通じて医薬品へのアクセス確保を支える国連開発計画の活動
http://optimamodel.com/hiv/applications.html
AIDS AND THE SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS
A core principle of the 17 Sustainable Development Goals (SDGs), and of the AIDS response, is that no one should be left behind. The AIDS epidemic cannot be ended without the needs of people living with and affected by HIV, and the determinants of health and vulnerability, being addressed. People living with HIV often live in fragile communities and are frequently discriminated against, marginalized and affected by inequality and instability—their concerns therefore must be at the forefront of sustainable development efforts.
The AIDS response has advanced the right to health, gender equality, human rights, employment and social protection. It has addressed entrenched social norms, social exclusion and legal barriers that undermine health and development outcomes, and its investment approach is increasingly being adopted to accelerate gains across global health and development.
The United Nations system, including UNAIDS, works towards achieving the entire SDG agenda, which include 10 SDGs that are particularly relevant to the response to AIDS.
Ten SDGs for ending AIDS
Goal 1: end poverty
Poverty can increase vulnerability to HIV infection. The unequal socioeconomic status of women affects their ability to prevent or mitigate the effects of HIV. Households affected by HIV are more vulnerable to falling into and remaining in poverty. Economic empowerment and social protection can reduce poverty and HIV vulnerability and help keep people living with HIV healthy.
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The International Labour Organization’s work on HIV and social protection
UNAIDS and social protection
The World Bank’s Human Capital Project
Goal 2:end hunger
Hunger can increase vulnerability to acquiring HIV by increasing risk-taking behaviour and negatively affecting treatment adherence. Advanced HIV-related illness impairs nutritional status and undermines household food security by reducing productivity. Nutritional support to households and integrated systems to deliver nutritional support and HIV services can prevent the transmission of HIV and enhance health outcomes.
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The World Food Programme’s efforts within the Joint Programme to address HIV and nutrition in development and humanitarian contexts
Goal 3: ensure healthy lives
Lack of universal health coverage, including sexual and reproductive health services and harm reduction for people who inject drugs, restricts access to HIV prevention and treatment. Most people acquiring HIV infection acquire it through sexual transmission or transmission from mother to infant during pregnancy, childbirth or breastfeeding. HIV-sensitive universal health coverage can play a vital role in promoting health equity, while integration with rights-based services for sexual and reproductive health, noncommunicable diseases, hepatitis, tuberculosis and other conditions can improve broader health outcomes. SDG 3 includes the promise made by Member States to achieve the end of AIDS by 2030 (target 3.3).
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The Global Action Plan to accelerate progress towards the global health goals, coordinated by the World Health Organisation in partnership with 11 organizations, will be presented in September 2019 at the United Nations General Assembly
UNAIDS’ guide on HIV and universal health coverage
The World Health Organization and HIV
The United Nations Population Fund’s work on HIV
The United Nations Office on Drugs and Crime’s work on HIV among people who inject drugs
The United Nations Children’s Fund’s work to ensure that all children and their families are protected from HIV infection and live free from AIDS
The International Labour Organization’s work to ensure access to HIV prevention, treatment, care and support services through the workplace
The World Bank and universal health coverage
Goal 4: ensure quality education
The majority of adolescents and young people globally do not have accurate and comprehensive knowledge about HIV. HIV-related illnesses impede learner attendance and education outcomes, as does stigma and discrimination in school settings. Teachers and education staff are also impacted. National education sectors can make schools safer, healthier and more inclusive places for learners and teachers living with and affected by HIV. They can also make a transformative impact in the lives of young people by providing them with quality comprehensive sexuality education, which empowers them with the knowledge and skills they need to make responsible and informed health decisions, to improve their self-esteem and to change harmful attitudes and gender and social norms.
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The United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization’s work on HIV and comprehensive sexuality education
The United Nations Population Fund’s work on HIV and young people
The United Nations Children’s Fund’s work on HIV and among young people
UNAIDS’ work to engage young people
Goal 5: achieve gender equality
Gender inequalities, discrimination, violence and harmful practices negatively affect women, girls, men and boys and increase the risk of HIV infection and its impact. HIV is the leading cause of death among women of reproductive age (15–44 years old). Women living with HIV often face increased violence. Stigma and discrimination against women who inject drugs, as well as gender-based violence and abuse, increases their risk of contracting HIV, tuberculosis, viral hepatitis and sexually transmitted infections. Gender-transformative HIV programmes that engage men can reduce violence and empower women, while integration of rights-based services for HIV and sexual and reproductive health increases service uptake and impact.
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UNAIDS and gender
UN Women and HIV
The United Nations Population Fund’s work on HIV
The United Nations Office on Drugs and Crime’s work on addressing the needs of women who use drugs
Goal 8: promote economic growth
Safe and secure work environments facilitate access to HIV services, especially for workers in informal employment, such as undocumented migrants and sex workers. Through the work environment, HIV prevention, treatment, care and support services reach mobile workers, migrant workers, lesbian, gay, bisexual, transgender and intersex workers, mine workers and other vulnerable workers. People living with HIV can experience unemployment rates three times higher than national unemployment rates. Addressing HIV in the world of work and protecting labour rights can help to ensure that people living with and affected by HIV enjoy full and productive employment.
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UNAIDS’ work with the private sector
The International Labour Organization’s work on HIV and the world of work
The World Bank’s work on HIV
Goal 10: reduce inequality
Income inequality is linked to higher HIV prevalence. HIV affects vulnerable and disempowered communities most severely. Stigma and discrimination against key populations is a major contributor to high HIV prevalence among them and is linked to lower access to health care and housing. Protection against discrimination, alongside legal services, rights literacy, access to justice and international protection, can empower people to claim their rights and enhance access to HIV services.
The Global Commission on HIV and the Law is an independent body, convened by the United Nations Development Programme on behalf of UNAIDS. The Global Commission on HIV and the Law undertook 18 months of extensive research, consultation, analysis and deliberation. Its sources included the testimony of more than 700 people most affected by HIV-related legal environments from 140 countries, in addition to expert submissions and the large body of scholarship on HIV, health and the law.
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UNAIDS’ work on HIV and human rights
The United Nations Development Programme’s work on HIV and health
The United Nations Population Fund’s focus on inequality in the response to HIV
The work of the Joint Programme to ensure that no one is left behind, particularly among key populations such as gay men and other men who have sex with men, transgender people, people who inject drugs and sex workers
Goal 11: make cities safe and resilient
HIV especially affects cities and urban areas, with 200 cities accounting for more than one quarter of the world’s people living with HIV. With rapid urbanization, many cities contend with growing HIV epidemics; people living in slums often acquire HIV at higher rates than the rest of the city. City-led local AIDS responses support positive social transformation by strengthening health and social systems to reach the most marginalized people.
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HIV and cities
Goal 16: promote peaceful and inclusive societies
Exclusion, stigma, discrimination and violence fuel the HIV epidemic among adults and children. The AIDS response, led by people living with and affected by HIV, has demanded access to justice and pioneered people-centred accountability mechanisms, providing lessons on which to build. Participatory governance, which includes community-led responses, can drive more relevant, rights-based programmes and stronger accountability for health and development.
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The work of the Office of the United Nations High Commissioner for Refugees on HIV and emergencies
The World Food Programme’s work on HIV in emergencies
The International Organization for Migration’s work on HIV and mobility
The work of the Joint Programme to ensure that no one is left behind, particularly among key populations such as gay men and other men who have sex with men, transgender people, people who inject drugs and sex workers
HIV and security
The United Nations Office on Drugs and Crime’s work on HIV among people in prisons and other closed settings
Goal 17: strengthen means of implementation
Global collective action to improve access to affordable HIV commodities is critical to ending the AIDS epidemic. The HIV movement has led advocacy for the reform of patent laws and regulatory systems, full use of the Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights (TRIPS) flexibilities, monitoring free-trade agreement negotiations and taking legal action. Efforts to secure affordable HIV commodities, including second- and third-line medicines, can benefit wider health and equity agendas, including for tuberculosis, hepatitis C and noncommunicable diseases. Partnerships are critical to the SDG agenda and the AIDS response has been at the forefront of developing innovations in this area, particularly with civil society and communities.
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The resources available for the AIDS response
The work of the United Nations Development Programme to support access to medicines through the Access and Delivery Partnership
The World Bank’s support to countries with optimizing their investments in the AIDS response, particularly using the Optima Model