メルマガ東京都エイズ通信の第127号(2018年3月号)が3月30日に発行されました。今年に入ってから3月25日までの報告数が掲載されています。
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平成30年1月1日から平成30年3月25日までの感染者報告数(東京都)
※( )は昨年同時期の報告数
HIV感染者 70件 ( 82件)
AIDS患者 14件 ( 20件)
合計 84件 (102件)
HIV感染者数、AIDS患者数ともに昨年同時期を下回っています。
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おおむね2018年第1四半期の報告数ということになりますね。前年の同じ時期と比べると、合計報告数は2割近く少なくなっています。報告数の、しかも短期の増減で、感染の動向を即断することはできませんが、かなり大きな減少率と言えます。
報告の増減は、流行に対する世の中の関心度によっても左右されます。HIV/エイズの流行が話題になる機会が多ければ、検査を受けてみようかなと思う人も多くなるかもしれないし、ほとんど話題にならなければ、検査に関する情報に接する機会も減っていき、検査を受ける人も減る。したがって、実際の感染は減っていなくても、報告は減る。そんな可能性ももちろんありますが、世の中の関心ということでいえば、低下傾向は何も今年に始まったことではなく、少なくともこの何年か続いています・・・というか、個人的な印象で恐縮ですが、続いているのではないかという感じがして、ここ何年もぼやき続けていました。
したがって、報告の減少は、関心の低下よりもむしろ実際の感染が(少なくとも何年か前から)減ってきていることのあらわれではないかと考えることができるかもしれません・・・と、どうしても婉曲に婉曲を重ねた言い方になってしまいますね。しつこく繰り返して恐縮ですが、報告数の、しかも短期の増減で即断はできません。
エイズ対策の現場の皆さんの、必ずしも報われることが多いとは言えなかった努力の成果が表れてきたのではないかという期待はにじませつつも、本当に減少傾向に転じたのかどうか、ここはもう少し報告の推移を見ていきたいと思います。