国連12機関が保健医療の場での差別解消に協力して取り組むことを約束 エイズと社会ウェブ版274

国連合同エイズ計画(UNAIDS)や世界保健機関WHO)など12国連機関が630日に共同で、保健医療の場における差別解消に取り組む声明を発表しました。UNAIDSのサイトに掲載されたその紹介記事の日本語仮訳です。英文はこちら

 『保健医療の場における差別解消を呼びかけるとともに、加盟国がスティグマと差別のない保健医療サービスを提供できるよう12機関が協力して支援していくことを約束した』

 2030年までの国際社会の共通目標である『持続可能な開発目標(SDGs)』では、保健医療の場における差別や偏見の解消はそれ自体が保健分野(目標3)における重要な課題であり、同時に他の16分野についても目標達成の大きな前提条件になっているというべきでしょう。

 『保健医療の場での差別はさまざまであり、個人または集団が、ほかの人なら利用できるサービスへのアクセスを拒否される結果、顕在化することがしばしばある。また、たとえば女性のような特定の集団のみに必要なサービスの提供が拒否されるといったかたちの差別もある』

 UNAIDS世界保健機関WHO)はこれまでにもしばしば同内容の報告書や声明、勧告を発表していますが、今回の声明には国連難民高等弁務官事務所国連児童基金、世界食糧計画、国連開発計画、国連人口基金UN Women、国際労働機関、ユネスコ国連人権高等弁務官事務所国際移住機関も加わっています。声明本文(英文)はこちらから。

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 もちろん声明を出せば、差別や偏見がなくなるわけではありません。一介の口舌の徒に過ぎないわたくしのような者が言うと、すぐに「お前はどうなんだ」というブーメランが返ってきそうですが、「やるぞ、やるぞ」と言っているだけではやったことにはなりません。それでも「やるぞ」という意思の確認は必要ですね。

 

 

 

国連12機関が保健医療の場での差別解消に協力して取り組むことを約束

     2017.6.30

 

 国連12機関が630日、前例のない共同声明を発表し、保健医療の場における差別解消を呼びかけるとともに、加盟国がスティグマと差別のない保健医療サービスを提供できるよう12機関が協力して支援していくことを約束した。声明は、各国政府がさまざまなかたちの差別解消に取り組み、誰も置き去りにすることなく持続可能な開発目標を達成することを強く呼びかけている。

 保健医療の場での差別は、社会から排除され、スティグマの対象になりがちな人びとに向けられる。持続可能な開発のための2030アジェンダで各国が目標達成のための優先対象とすることを約束している人びとであり、あまりにもしばしば置き去りにされてきた人びとでもある。

 差別は保健医療サービスの利用者、保健医療従事者の両方に影響を与える。保健医療サービスのアクセスを閉ざす壁となり、提供するサービスの質を落とし、個人や集団に対する社会的な排除をより強めることになる。

 数多くの個人や集団が、年齢、性別、人種、民族、健康状態、障害や病に対する脆弱性性的指向性自認、国籍、難民または移民の状態、犯罪歴などによる差別に直面し、そうした差別が組み合わされていることもしばしばある。

 保健医療の場での差別はさまざまであり、個人または集団が、ほかの人なら利用できるサービスへのアクセスを拒否される結果、顕在化することがしばしばある。また、たとえば女性のような特定の集団のみに必要なサービスの提供が拒否されるといったかたちの差別もある。特定の個人または集団に対する身体的虐待・言葉による虐待と暴力、同意のない治療、個人情報保護の侵害、両親や配偶者・保護者の同意を求めるといったかたちの自己決定権無視、自由で情報を得たうえでの同意の欠如なども差別の例として含まれる。

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)事務局、国連難民高等弁務官事務所国連児童基金、世界食糧計画、国連開発計画、国連人口基金UN Women、国際労働機関、ユネスコ世界保健機関国連人権高等弁務官事務所国際移住機関が声明を支持している。

 

 

Twelve United Nations agencies commit to working together to end discrimination in health-care settings

  30 June 2017

 

On 30 June, 12 United Nations entities released an unprecedented joint statement calling for ending discrimination in health-care settings and committing to work together to support Member States to provide health-care services free from stigma and discrimination. The statement is a powerful call to action for governments to do more to address discrimination in all its different forms and will contribute to the achievement of many of the Sustainable Development Goals, ensuring that no one is left behind.

 

Discrimination in health-care settings is directed towards some of the most marginalized and stigmatized populations, the very populations that states promised to prioritize through the 2030 Agenda for Sustainable Development and who are all too often excluded or left behind. 

 

Discrimination affects both the users of health-care services and health-care workers. It serves as a barrier to accessing health services, affects the quality of health services provided and reinforces exclusion from society for both individuals and groups. 

 

Many individuals and groups face discrimination on the basis of their age, sex, race or ethnicity, health status, disability or vulnerability to ill health, sexual orientation or gender identity, nationality, asylum or migration status, or criminal record, often experiencing intersecting or compounding forms of discrimination.

 

Discrimination in health-care settings takes many forms and is often manifested when an individual or group is denied access to health-care services that are otherwise available to others. It can also occur through denial of services that are only needed by certain groups, such as women. Examples include specific individuals or groups being subjected to physical and verbal abuse or violence, involuntary treatment, breaches of confidentiality and/or denial of autonomous decision-making, such as the requirement of consent to treatment by parents, spouses or guardians, and lack of free and informed consent.

 

The agencies supporting the statement are the UNAIDS Secretariat, the Office of the United Nations High Commissioner for Refugees, the United Nations Children’s Fund, the World Food Programme, the United Nations Development Programme, the United Nations Population Fund, UN Women, the International Labour Organization, the United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization, the World Health Organization, the Office of the High Commissioner for Human Rights and the International Organization for Migration.

研修期間満了のごあいさつ

 6月末をもちまして産経新聞社を退職しました。在職中は公私にわたり温かいご指導と格別なご厚情を賜り、まことにありがとうございました。

 一部の方には、メールでもご挨拶を差し上げたのですが、「研修期間満了のごあいさつ」といういかにも怪しげなタイトルが裏目に出て、即ゴミ箱に直行してしまったケースもあるようです。したがって、改めまして・・・。

 長い間、ありがとうございました。44年におよぶ記者研修を終え、7月からはフリーランスのジャーナリストとして新たな生活がスタートします。無職とほぼ同義語かと覚悟はしていたのですが、案に相違し、初日にして早くも原稿を送稿いたしました。前途には依然、不安ばかりですが、いただいたお仕事は一つ一つ大切にしていきたいと決意を新たにしています。英語→日本語の翻訳を含め、挨拶文以外なら一応、もの書きとして原稿のご依頼をお引き受けできるのではないかと秘かに自負もしております。どうか皆様、ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

 話が唐突に変わりますが、わたくしの座右の銘は「面従腹背」・・・ではなくて、「私の心を叩くな」でもなく、「貧乏暇なし」であります。「貧乏」にも、「暇なし」にも、経験は豊富なのではないかと、これもひそかに自負しているところであります。

 鎌倉は本日、海開きとなりました。アジサイの季節から海水浴シーズンへと町の表情は変わっていきますが、江ノ電は相変わらずの混雑ですね。足腰を鍛えるためにできるだけ市内は徒歩で移動します。貧乏暇なしなのに、なぜか所在なげに町をうろついている(つまり、言葉が軽く座右の銘もすぐに変わる)おじさんの姿を見かけましたら、どうぞ声をおかけください。

 

アジサイもまだまだnot over

 雨が上がりましたね。本日は午後1時半から鎌倉の世界遺産登録をめざす市民の会の総会がありました。 

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 その会場である扇ガ谷の鎌倉風致保存会に向かう途中といいますか、敷地周辺のアジサイも雨上がりで鮮やかでした。右手の柵の向こうにはJR横須賀線の線路が走っています。 

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 入り口から庭へ向かう小道。そこを抜けると・・・。

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 一段と鮮やかに咲いていました。色がいいね。風致保存会の建物は国の登録有形文化財となっている旧坂井家住宅です。お住まいになっていた方が亡くなり、日本のナショナルトラスト運動の草分けである風致保存会がご遺族から敷地と建物の寄贈を受けたそうです。

建物は現在、補修を進めているので非公開ですが、来年あたりはこの見事なアジサイとともに見学を希望される方にもご覧いただけるようになるかもしれませんね。

 というわけで世界遺産をめざす市民の会の総会ですが、はっきり言って苦難の日々です。鎌倉の世界遺産登録の再チャレンジは前途多難。鎌倉市民の皆さんの中にも「あんなもの、もういいんじゃね」といった気分が広がっています。鎌倉市の、とりわけ市長さんの意欲にも疑問符が十個ぐらい付いている印象です。

 しかし、終わったわけではありません。どうすれば再チャレンジに向けたモメンタム(勢い)を生み出すことができるのか。熱い議論が交わされています。

私の大きな関心領域であるHIV/エイズ対策では、過去3年間、国内啓発キャンペーンのテーマの中心コンセプトとして AIDS is not over. が使われてきました。正確に言えば、AIDS is not over を基軸にして、毎年、もうワンフレーズがつく構成です。

それにならえば、鎌倉の世界遺産もまた、not overですね。まだ終わっていない。これからですということを強調したい。なんだか、よく似ためぐりあわせといいますか・・・。

I am not overということかな(いやoverでしょう)。いよいよ明日退職。お後がよろしいようで・・・。

 

 

 

エイズ予防指針改正案参考 JASAフォーラム(2017.3.21)から

 エイズ予防指針・性感染症予防指針の改正案に対する意見募集(パブリック)が行われているので、参考までに3月21日(火)に開催されたエイズソサエティ研究会議第125回フォーラム「エイズ予防指針見直し傍聴報告」のスライド資料を掲載します。

 第3回小委員会開催終了時点での報告です。 
 なお、4月11日の第4回小委員会については、当ブログで3回にわたって傍聴報告を掲載しましたので、そちらを紹介しておきます。 
 第4回エイズ性感染症に関する小委員会傍聴記
 http://miyatak.hatenablog.com/entry/2017/04/11/233213
 郵送検査をどう考えるか 第4回エイズ性感染症に関する小委員会の傍聴記その2 
 http://miyatak.hatenablog.com/entry/2017/04/15/103845
 個別施策層の表記をどうするか 第4回エイズ性感染症に関する小委員会傍聴記その3
 http://miyatak.hatenablog.com/entry/2017/04/16/224542

 「参考まで」と書きましたが、あくまで報告者の傍聴に基づく感想です。報告者自身の性格に起因する問題もあるのか、思い込みの色彩が強く、論点見逃しの項目も多いので(例えば教育に関する議論など)、かなりバイアスがかかった内容になているかもしれません。その点は取り扱い注意ですね。

 パブコメどうしようかなあ・・・と思っている人は、あくまで「世の中にはこういうひねくれた受け止め方をする輩もいる」程度に考えた方が(つまり読まない方が)いいかもしれません。

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あらら、パブコメ募集が始まっていました エイズ予防指針改正案

 感染症法に基づくエイズ予防指針と性感染症予防指針の改正案について、厚生労働省パブリックコメントを募集しています。

 

 エイズ予防指針 

 http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495170067&Mode=0

 

 性感染症予防指針

 http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495170068&Mode=0

 

 よく見ると、意見募集開始日は616日になっています。アチャ~、もう一週間も前に始まっていたんだ。退職を控え、何かと気ぜわしかったもので、見逃してしまいました。でも、締め切りは715日なので、まだ十分、意見は言えますね・・・ということで、ここから先は主にエイズ予防指針に関する言及です。

先ほどのエイズ予防指針の意見募集のページから改正案の概要をPDF版でダウンロードできます。まずはそれを見て・・・といっても簡略すぎて何がどう変わるのか、わかりにくいですね。

2つの予防指針改正案は昨年12月から今年4月にかけて4回にわたって開催されたエイズ性感染症に関する小委員会で検討されてきました。

619日には厚生科学審議会の感染症部会が開かれ、その結果が報告されています。

面目ない。私はその感染症部会も「え? もう開かれちゃったの・・・」と後で気が付いた次第でありまして、どんな様子だったのか、報告はできません。ただし、資料はネットで見ることができるので、それを参考にしてください。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000168236.html

いっぱい報告があったようで、ほかの感染症の資料もおずらっと並んでいますが、エイズ関係は

 

資料1 後天性免疫不全症候群及び性感染症に関する特定感染症予防指針の改定について(案)

参考資料4  後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針(改正案)

 

の2つですね。と、ここまで書いてきて、ちょっと読むのがしんどくなってきました。夜も遅いし、明日にしようかな。

バイアスがかかるといけないので、あまり積極的にはおすすめしませんが、当ブログでも小委員会開催時にはその都度、傍聴の感想を書いています。お暇な方はさがしてください。でも、まあ、その前に寝よう。

 

 

 

「レガシー」を生み出す変化

 現代性教育研究ジャーナルNo75(2017年6月15日)が発行されました。不肖私の連載コラム・多様な性のゆくえ One side/No side(3)《「レガシー」を生み出す変化》も掲載されています。日本性教育協会の公式サイトでpdf版がダウンロードできます。

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www.jase.faje.or.jp

 三日坊主といいますが、腰が引けっぱなしの私のコラムも何とか3回目を迎えました。いやあ、もう青息吐息。今回は東京五輪を取り上げました。1964年と2020年のどっちの五輪かというと、両方です。
《オリンピックで女性が参加できる競技は男性より圧倒的に少なかった。逆の言い方をすれば、「男の」とか「紳士の」といった冠がつくスポーツがそれだけ多かった。1964年東京五輪では、サッカーもバスケットボールもレスリングもウェートリフティングも男子種目のみで、女性が参加するのはずっと後のことだ》
 世情騒然とした折に、のんびりしたコラムで恐縮ですが、ご関心がお有りの方はお読みください。

名前だけではありません:AIDS.govがHIV.govに移行 エイズと社会ウェブ版273

 米国政府のHIV/エイズ啓発サイトAIDS.govの名称が、6月5日付でHIV.govに変わりました。あわせてサイトのリニューアルも行われています。

https://www.hiv.gov/

 

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  どうして名前を変更したのか、その理由については6月5日付のプレスリリース「名前だけではありません:AIDS.govがHIV.govに移行」に短い説明があります。それをさらに要約して言えば、

 ・治療の進歩でエイズを発症していないHIV陽性者の方が、エイズを発症している人より多くなっている。

 ・サイト検索のサーチは「AIDS」よりも「HIV」で行う人の方が圧倒的に多い

という2つの理由に集約できそうです。

 確かに「AIDS」より「HIV」の方が一文字、少ないので、検索には便利かもしれませんね。日本の場合はどうなのか、HIVがどこまで浸透しているかということを考えると、検索はカタカナで「エイズ」の方が多いかなあ。

 米国サイトのHIV.govへの名称変更は昨年秋に発表され、そのときは「今年春に変えます」ということでした。ところが4月になっても5月になっても変わらないので、いったいアメリカはいつまで春なんだと思ったり、ひょっとしてこれもトランプ政権発足に伴う混乱の一つ?などと変な邪推をしたくなったりもしましたが、実はエイズの最初の公式症例の日である6月5日まで引っ張っていたということですね。

 あざといというか、このぐらいの広報センスは最低限、必要と言いますか。

 このあたりのお手並みは、人手が足りず、何でも後手、後手の感が最近、とみに顕著になっている日本のエイズ対策とは大分違いますね・・・といいたいところだけれど、HIVの感染に関しては、日本の方がはるかに低く抑えているという現実もあります。

 ただし、日本のエイズ政策はお世辞にも立派とは言えず、HIV陽性者のグループやエイズ関連のNGO/NPO、研究者、医療従事者の皆さんのがんばりで、政府の手抜きを許してしまったかなあという反省も個人的にはあります。ただし、ここでそっちに話がそれていくと、ついつい愚痴も多くなり、いたずらに混乱を招くばかりなのでで、そのあたりの話題はいずれ・・・。

 ともあれ、HIV.govは名前を変えただけではなく、中身も一層充実させますということなので、取りあえずプレスリリースの日本語仮訳を紹介しておきましょう。

   ◇

名前だけではありません:AIDS.govがHIV.govに移行

 HIV.govプレスリリース 2017.6.5

https://www.hhs.gov/about/news/2017/06/05/more-name-change-aidsgov-becomes-hivgov.html

 米保健福祉省は本日、連邦政府の主要なHIV情報源であるAIDS.govの名称をHIV.govに正式変更した。この発表は、米疾病管理予防センター(CDC)が後にエイズと命名される疾病の最初の公式報告を行ってから36周年の記念日に行われた。名称変更は、ほとんど「死の病」とされていた疾病が、早期の診断と治療開始・継続により、感染を管理しエイズ発症を防ぐことが可能になるという大きな科学的成果を反映したものだ。米国内では実際、エイズを発症した人よりも、発症していないHIV陽性者の方が多くなっている。

 「1981年にこの病気が初めて認識されて以来、HIV/エイズ研究は大きな成果をあげてきました。今日では延命効果の高い抗レトロウイルス治療により、HIV陽性者はより長く、より健康的な人生を送れるようになっています。かつては不可能と思われていた成果です」と国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は語る。「AIDS.govのウェブサイトはこれまでも、HIV/エイズに関する情報を知りたい人にとっては価値ある情報源だった。HIV終結に向けて、なすべきことはまだまだ残されているとはいえ、HIV.govへの名称変更は、このパンデミック(世界的大流行)の形を変えてきた私たちの成果を反映するものである」

 2016年には800万人以上が、HIVに関する情報、およびHIV検査・ケア・治療を含むHIV関連のプログラムやサービスに関する情報を求めてAIDS.govウェブサイトとそのソーシャルメディアを利用している。名称変更は、この病気に関してオンライン情報を求める人たちのサーチの動向を踏まえたものでもある。ネットサーチ用語としては「HIV」の方が「AIDS」よりもはかに多く使われているのだ。

 「HIV.govへの移行は今後を見据え、より多くの人が使いやすくなるようにするものです。全米110万人のHIV陽性者を支える力強いメッセージを伝えます」とCDCのHIV/エイズ・ウイルス性肝炎・性感染症および結核予防センター所長、ジョナサン・マーミン博士はいう。「2014年の年間新規HIV感染者数は、2008年当時より18%も減っています。しかし、すべてのコミュニティで同じように成果が上がっているというわけではありません。HIV.govは科学的かつ正確な最新情報を提供し、そうした情報を最も必要とする人たちにとって有効な情報源となるようにしていきます」

 保健福祉省HIV/エイズ感染症対策事務所のリチャード・ウォリツキ―所長は「私たちは米国内のHIV/エイズとの闘いに大きな成果をあげてきました。アドボケート(活動家)や保健医療従事者、研究者、その他たくさんの人たちの30年を超える困難な努力の積み重ねがもたらした成果です。しかし、その仕事はまだ終わったわけではありません」と述べている。「新名称のウェブサイトは、たくさんの人の努力を支え、その成果を持続させてさらに前に進んで行けるよう役に立つ情報をタイムリーに提供します」

 HIV.govのサイトを訪れ、関連ソーシャルメディア・チャンネルをフォローするようお願いします。

 

 

 

 

More than a name change: AIDS.gov becomes HIV.gov

 

The U.S. Department of Health and Human Services today officially changed the name of AIDS.gov, the federal government’s leading source for information about HIV, to HIV.gov. The announcement coincides with the 36th anniversary of the Centers for Disease Control and Prevention’s first report of the initial cases of what would become known as AIDS. The name change reflects major scientific advances that have transformed an almost universally fatal disease to a condition that, if diagnosed and treated early and continuously, can be controlled and prevented from progressing to AIDS. In fact, there are more people living with HIV in the United States now than people living with AIDS.

 

“Much progress has been made in HIV/AIDS research since the disease was first recognized in 1981. Today, lifesaving antiretroviral therapies allow those living with HIV to enjoy longer, healthier lives—an outcome that once seemed unattainable,” said Anthony S. Fauci, M.D., director, National Institute of Allergy and Infectious Diseases. “The website AIDS.gov has been a valuable resource for those seeking information about HIV/AIDS, and its name change to HIV.gov appropriately reflects our evolution in transforming the pandemic, even as work remains to bring about an end to HIV.”

 

In 2016, more than 8 million people used the AIDS.gov website and its social media channels to find information about HIV or to find HIV-related programs and services, including HIV testing, medical care and treatment. The name change also embraces the way most people now search online for information about the disease. “HIV” is a much more common Internet search term than “AIDS.”

 

“The shift to HIV.gov is proactive and inclusive, and it sends a strong, supportive message to the 1.1 million people across America who are living with HIV,” said Jonathan Mermin, M.D., M.P.H., director of CDC’s National Center for HIV/AIDS, Viral Hepatitis, STD and TB Prevention. “The number of annual HIV infections in the U.S. fell 18 percent between 2008 and 2014, but progress has not been the same for all communities. HIV.gov will deliver current science, accurate information and links to effective resources for the people who need them most.”

 

“We’ve made important progress in the fight against HIV and AIDS in the United States. These improvements are the hard-won result of decades of work on the part of advocates, healthcare providers, researchers, the federal government—and many others—but our work is not done,” said Richard Wolitski, Ph.D., director of the HHS Office of HIV/AIDS and Infectious Disease Policy. “The newly named website will bring people helpful, timely information to support our collective efforts to sustain and advance our progress in this fight.”

 

Please visit the new site at HIV.gov and follow its related social media channels.