HIV陽性者支援やHIV感染予防の啓発活動を続けてきた国内6団体の代表が8月31日、厚生労働省を訪れ、HIV/AIDS GAP6として厚生労働大臣宛に『日本におけるHIVエイズの流行終結に向けた要望書』を提出しました。『当事者団体が積極的に取り組み、日本におけるHIV/エイズの流行終結を2030年までに実現させることを目標に掲げる決意をいたしました』として、流行終結に向けた具体的方策の策定など5項目を厚労省に要望しています。
GAP6を構成するのは、ぷれいす東京、日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス、はばたき福祉事業団、akta、community center ZEL、魅惑的倶楽部の6つのコミュニティ組織・当時者組織です。また、製薬会社のギリアド・サイエンシズも協力企業として加わっています。
要望書および提出後に行った記者会見資料はいずれも、はばたき福祉事業団の公式サイトからPDF版を見ることができます。
https://www.habatakifukushi.jp/news/news20230831/
私は記者会見にも出ていなかった（お呼び出なかった）のですが、記者会見の資料は要望項目だけでなく、我が国のHIV/エイズ対策の現状と問題点についても分かりやすくまとめられています。
これは助かるね。自己流解釈で誤解している点もあるかもしれませんが、その資料をもとにして手短に内容の説明を試みます。
まず、要望項目は以下の通りです。
2.HIV検査機会の多様化について
（1）一般医療機関における検査機会の導入及び強化
（2）HIV郵送検査の普及に向けた制度的課題の解決
3.地域で安心して医療が受けられるHIV陽性者への医療提供体制の整備について
4.HIV感染予防のための選択肢の拡充及び啓発について
5.HIV/エイズに対する社会全体の理解向上に向けた対策について
GAP6という名称は参加組織が6団体であることからの命名かと思いましたが、そうではなく、スライドの5番目に指摘されている「HIV/AIDSに存在する6つの理解のギャップ」を指しているようです。
その6つについて、「誤った理解」を指摘し、それに対置して「正しい理解」が示されています。誤った理解がある以上、じゃあ、正しい理解はなんだということになりますが、個人的には大上段に「正しい」と言われてしまうとちょっとついていけない。優柔不断であり、かつへそ曲がりな性格のせいかもしれませんね。
ただし、理解のギャップを埋める必要があることは確かなので、正しさへの個人的違和感は一時、措いといて、「理解のギャップを埋めることで、HIV/AIDSの誤解/偏見を解消し、適切な予防・検査・治療の推進を目指す」という趣旨にはおおむね賛同です。
