9月20日(金)に開幕するラグビー・ワールドカップ日本大会に向けて、日本代表の最終登録メンバー31人が29日午後、発表された。もうテレビやネットのニュースでさんざんやっているので、皆さん、先刻ご承知だとは思うが、たまたまニュースを見逃しちゃった方は、日本ラグビーフットボール協会の公式サイトに名簿が掲載されているので、こちらをご覧いただこう。
参考までに読売新聞のサイトには顔写真入りで紹介されている。
https://www.yomiuri.co.jp/rugbyworldcup/201908221048/
ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)はこの日午後、東京都内のホテルで行われた協会の発表記者会見の後、東京・内幸町の日本記者クラブで改めて記者会見を行い、目標とするトップ8進出について、「18カ月前なら確信が持てなかっただろうが、いまは持てる」と述べ、強い意欲と手ごたえを示した。
31人の内訳はFW18人、BK13人で、BKの中でも攻撃の起点となるSHには3人が選ばれている。また、FW18人ではプロップが5人、フッカーが3人を占め、タフな試合が続くW杯にあわせ、スペシャリストを数的に重点配置している。
会見でジョセフHCは就任した2016年当時のジャパンの状態について、前年のW杯イングランド大会で南アフリカを倒すなど3勝をあげ、期待度が高まっていたが、2016年に残ったメンバーにはハングリー精神が欠け、貪欲さがなかったと語った。このため層を厚くしなければいけないと考え、若い選手を発掘し、どう力を高めていくかを重視したという。
また、チーム強化には、選手層を厚くし、経験を与え、高いレベルのラグビーをさせることを主眼に2つの戦略を立てた。
1 高いレベルときつい環境によってレベルを高める→サンウルブズのスーパーラグビー参戦
2 ティア1チーム(世界の上位グループ8~9チーム)のすべてと試合を行う。
そして、2019年には代表スコッド全体を1年抱えて鍛えるという初の経験をした。その中で1か月間のオフ期間を設け、選手にはしっかりと休むよう指示して、リフレッシュした状態から強化を進めたという。
実は、今年の日本代表は私のような外野席のファンから見ると、厳しい練習に明け暮れている印象ではあるが、強豪国の代表クラスのような手ごわい相手との試合は7月のパシフィック・ネーションズカップ(PNC)まで、まったく行われなかった。このため、実戦経験に乏しいのではないかという不安もあったのだが、PNCではフィジー、トンガ、米国に3連勝して優勝。そうした不安を一掃し、今度のジャパンはちょっと違うぞということをファンにも強く印象付けた。ハードな練習に入る前に1カ月のオフを取ったことの効果が表れているのかもしれない。
ジョゼフHCはチームの現状を「フィジカル的に最高にいい状態。準備は万端で、不屈の精神も持っている」と語る。もちろん、他のチームもW杯にはこれまでとは異なる次元の力を発揮できるよう戦力を整えてくる。したがって、実際に試合をやってみなければ、わからないことではあるけれど、期待は大いに持てそうだ。
W杯開幕までにはもう一試合、9月6日に世界ランク5位の南アフリカ代表との対戦が待っている。負けて自信を失うリスクもあるのではという質問にジョゼフHCは「南アは確かに強いが、W杯前には適切な相手だ。負けてもそれは、何を準備する必要があるのかを知る材料になる。この試合はマストウィン(必勝)ではなく、マストパフォーマンス(いいプレーをすること)が重要だ」と答えた。
前回W杯では日本代表が歴史的勝利を飾った南アとの再戦、そしてW杯の開幕カードである20日のロシア戦・・・どんな試合を目撃できるのか、ファンとしてもますます楽しみになってきました。