目立たないけれどアジアのHIV流行、実は深刻 エイズと社会ウェブ版654

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)の年次報告書Global AIDS UPDATE 2023のプレスリリースに続き、概要版(Executive Summary)の日本語仮訳がようやくできました。API-Netでご覧いただけます。タイトルは『The Path that Ends AIDS(エイズ終結への道)』です。

     

https://api-net.jfap.or.jp/status/world/pdf/global_aids_update2023_overview.pdf

 『抗レトロウイルス治療へのアクセスは、HIV陽性者全体の約82% を占めるサハラ以南のアフリカとアジア・太平洋地域で大きく拡大してきた』
 報告書にはそんな記述があります。82%のうち65%はサハラ以南のアフリカ地域なので、アジア・太平洋地域は17%前後になります。
 ただし、報告書の別の場所には『世界の新規HIV感染のほぼ4分の1(23%)はアジア・太平洋地域で発生しており、感染の増加が警戒すべきレベルに達している国もある』との記述もありました。

 アジアは人口の規模が大きいので、HIV陽性者の数も多くなる。それは分かります。でも・・・
 治療の普及は進んでいるのに、新規感染は増えている?そうなると、ちょっと話しが違うじゃないのという感じもします。
 UNAIDSアジア・太平洋地域事務所のサイトには、地域版データを抜粋した報告が掲載されています。アジアで何が起きているのか。日本にとってもこれは見過ごせない事態ではないのか・・・ということで、いま、こちらの翻訳も進めています。
 ただし、早くも夏バテ気味で、いつ訳し終わるか分かりません。英文で読むのはおっくうだが、関心はあるという方がいらしたら、しばし、お待ちください。