世界エイズデーの12月1日、国連合同エイズ計画(UNAIDS)と世界保健機関(WHO)がジュネーブで特別イベントを開催し、2030年のエイズ終結とCOVID-19など新たなパンデミックの対応に向けて、不平等の解消が重要なことを改めて強調しています。イベントでは、サセックス公ハリー王子がナレーションを担当したビデオやメッセージも紹介されました。
特別イベントのプレスリリースの日本語仮訳『世界エイズデー2021-エイズ終結と不平等の終止符、もうパンデミックを起こさないというさらに大胆な目標に向けて、さらに進んでいこう』)がAPI-Netに掲載されています。
https://api-net.jfap.or.jp/status/world/booklet057.html
《サセックス公ハリー王子とビヤニマ事務局長の力強いナレーションによるビデオが上映され、HIV治療へのアクセスとCOVID-19ワクチンへのアクセスに対する不穏な共通性が示されました。1997年から2006年の間に、HIVの影響を最も大きく受けている低・中所得国の多くで、価格が高いために抗レトロウイルス薬を手に入れることができず、推定1200万人がエイズ関連の病気で亡くなっています。生命を救うことができるHIV薬を利用できないでいる人は今日でもなお、世界中で約1000万人もいるのです。サセックス公は、エイズの歴史から学び、COVID-19ワクチンへの不公平なアクセスを克服すること、すべての人が最新のHIV薬と医療技術を利用できるようにすることを世界に促しました》
何かと話題の方ですが、発言の趣旨はピシッと決まっていますね。そのメッセージにもあるように、イベントではとくに、低・中所得国における治療薬の普及を進めることで状況を好転させたHIV/エイズ対策の教訓を生かし、COVID-19対策のワクチン普及も公平性を重視して進める必要があることが、繰り返し指摘されています。
まさに格差の解消がパンデミック対策の鍵を握っているというわけですが、極東の島国の片隅で、早く3回目のワクチンも打ってしまいたいなと思う高齢層のおじさんとしては、微妙に切ない気分でもあります。
低中所得国の人たちにワクチンが行きわたることはもちろん大切です。でも、できればそれよりも先に自分には早く打ってほしい。このジレンマと言いますか、自らの内にあるダブルスタンダード感覚には、なかなか納得できるような説明がつかない。できれば日本の医学研究にも十分な資金を確保し、世界のワクチン供給の重要な一部をなしうるような状況を実現してほしい。それができない日本じゃあないだろう。ささやかにそんなことを思う・・・。
思っても、何の力にもならないけれど、HIV/エイズ対策で文字通り血も、汗も、涙も流して得られた教訓は無駄にしたくない。すいません、自らの無力をあげつらっても、きりがないですね。英語のままで恐縮ですが、ハリー王子とUNAIDSのウィニー・ビヤニマ事務局長がナレーションを担当した特別イベントのビデオ動画はこちらでご覧ください。
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