ワールドラグビーが作成した『ラグビーとCOVID-19 プレー再開のガイドライン』をコンパクトにまとめたフライヤーがあります。しかも日本語版。
練習や試合の再開に向けた指針ですね。練習もするなという地点から、どうすれば練習ができるかという方向に一歩、踏み出した。この一歩は重要ですね。選手にとってはまだ小さな一歩ですが、ラグビーというコンタクトスポーツの大げさに言えば存続をかけて月面に降り立った一歩でもあります。
1 政府のルールや指針に従う症状がある人はトレーニングやプレーに参加しない。
から
15 トレーニングが終わったらすぐに帰る。
まで、15項目がアイコンとともに示されています。ラグビーは各チーム15人がグラウンドに出て闘うゲームなので、15項目にそろえたのでしょうね。「ウォーターボトルを持参する」とか「公共交通機関を使わない」といった練習前の注意事項から、練習中、さらには練習が終わったあとのことまで、発想の転換が必要なものもかなりあります。例えば・・・、
6番目の「トレーニングの直前に到着し、フィールドに直行する」。早めに行って、準備に時間をかけるのはダメ?
10番。「ラグビーボールを定期的に交換し、洗浄、消毒する」
ずっと昔、まだ私が高校生だったころの話ですが、革製ボールの時代には、練習の後、ボールに唾液をかけ、表面を湿らせてから布でピカピカに光るまで磨く。これが1年生の仕事でした。くたくたで唾液がなかなか出ないこともあって、こっそり飴をなめながら磨いたこともあった・・・。
今は合成皮革なので、事情がまったく異なりますね。天然皮革素材のボールをピカピカに磨けば必然的に表面はツルツルです。いまは合成皮革のうえ、滑り止めのために表面は小さなボツボツでおおわれているので、試合中のノックオンも少なくなる。スキルの向上ももちろんあるのでしょうが、実際の試合などを見ていても、以前より前にポロっと落とす機会は減っているように思います。
ちょっと脱線しましたか。ともかく、このご時世、ボールの管理に唾液はNGです。
スクラムの駆け引きは組んでみないと・・・ということで、この辺りは試合への影響も出てきそう。
13 感染リスクを抑えるため、タックルは低く。
もちろん、タックルは低く、突き刺すように、が基本です。ただし、下にばっかり行っているとオフロードパスを防げない。ダブルタックルはどうするか・・・といったところで、このあたりも試合中のプレーに影響が出てきそうですね。
そして、15 トレーニングが終わったらすぐに帰る。
これはいささかつらいね。高齢者ラグビーチームなどは、練習の後、みんなでビールを飲んで・・・こちらを楽しみに集まってくる人が多かったのではないでしょうか。ま、不良老人のわがままはともかく、高校生から国の代表チームまで、試合があってもアフターマッチ・ファンクションはしばらくお預けでしょう。
パンデミックを乗り切るための過渡的な措置ということで、感染が広がらないようにする努力には最大限、協力しましょう。
より詳しくは、日本ラグビーフットボール協会の公式サイトに掲載されている『ラグビートレーニング再開のガイドライン』をご覧ください。