狛犬も 日向ぼっこの 雨上がり

 お正月も成人式も終わり、雨が降りました。久々ですね。鼻の奥やのどの粘膜が少し楽になります。

 

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 雨上がりの午後、鶴岡八幡宮の参道・段葛です。連休が終わって、さすがに人出も一段落しました。二の鳥居の前に陣取る狛犬も雨上がりの日差しを浴び、阿吽の呼吸で、気持ちがよさそうですね。

 どっちが阿で、どっちが吽だったかな・・・。鎌倉の神社の狛犬については、中尾京子さんが一つ一つ(というか一対、一対)訪ね、詳しく論じた『神社とお寺は楽しい』という快著があります。2010年に出版されたこの本を読んだおかげで、私は神社の狛犬を見るたびに志村けんの「あい~ん」を思い出してしまうという謎の症状に襲われるようになりました。

 当ブログでも読後感想文を載せてあるので、どれどれ?と思う方はご覧ください。

 http://miyatak.hatenablog.com/entry/2015/02/24/154403

 

 鎌倉居住歴数年(注:2010年当時なので、いまは十数年ですね)の中尾さんは、鎌倉の神社やお寺に《超現実主義的、ポジティブ視点》を感じ取る。《神社とお寺は、いつでも行くと、私が私であることを「正解」にしてくれます》。なんと、含蓄のあるお言葉ではありませんか。私が私であることがなかなか「正解」にできない。それが時代感覚であるからこそ、鎌倉に来るとほっとするのか。そうかそうか・・・。

 

 いまは、どうなんだろうか。お会いして聞いてみたい気もする。

 

GNP+の事務局長にリコ・グスタフ氏 スプレイグ前事務局長はいま・・・ エイズと社会ウェブ版365

 

世界HIV陽性者ネットワーク(GNP+)の新事務局長がインドネシア出身のリコ・グスタフさんに決まりました。19日付けでGNP+公式サイトに発表文が掲載されています。 

www.gnpplus.net

 

 前任のローレル・スプレイグさんが昨年5月に退任し、その後、空席となっていたので、ようやく決まりましたかという印象ですね。就任は2月上旬のようです。

お手数ですが、詳しくはGNP+のサイトで発表文(英文)をお読みいただくとして、ここではごく一部だけ、日本語仮訳を紹介しておきましょう。

 

『グスタフ氏は世界のエイズ対策と保健、開発分野の激動期にGNP+の舵取りを担うことになります。世界中のHIV陽性者、キーポピュレーションがネットワークの持続と強化に関し、様々な政治上、財政上の試練に直面している時期です。シビルソサエティへの支援、とりわけHIV陽性者が主導するHIV陽性者のためのアドボカシーやネットワークへの支援は低下しています。中所得国からの国際援助の引き上げ、社会から排除されがちな人たちに対する人権侵害、対策拡大を目指そうとしない各国政府の姿勢により、HIV陽性者は様々なリスクに直面し、過去10年の成果さえもが水泡に帰そうとしているのです』

Mr. Gustav will be taking the helm of GNP+ through a turbulent yet transformational time in the global AIDS, health and development sectors with multifaceted political and financial challenges affecting the strength and sustainability of networks of people living with HIV and key populations around the world. Support for civil society, particularly for advocacy and for networks led by and for people living with HIV, is waning. Donor transition from middle-income countries, continuing human rights barriers for the most marginalised, and the lack of political willingness to scale up national responses has left far too many people living with HIV exposed to multiple risks and has jeopardized the hard fought gains made over the last decade. 

 

 かなり厳しい認識ですが、最近は日本にいても『エイズはもういいだろう』といった社会的、政策的な雰囲気をひしひしと感じることがあるので、その通りだなあと改めて思います。

国連合同エイズ計画(UNAIDS)は111日付で、GNP+の新事務局長任命を歓迎するプレス声明を発表しました。定番の内容ですが、当ブログ末尾に日本語仮訳を紹介しておきますので、「英文を読むのはちょっと・・・」という方はそちらをご覧ください。www.unaids.org

 

 グスタフさんはUNAIDSの元職員でもあり、在職当時は『インドネシア事務所、およびタイのバンコクにあるUNAIDSアジア太平洋地域支援チームで、コミュニティのネットワークと域内関係者の連携強化』の任にあったようです。

 そういえばスプレイグ前事務局長はどこに行ったのかなあと思いネットで検索したら、何とUNAIDSのスタッフになっていました。Community MobilizationSpecial Adviserという役職のようです。GNP+の事務局長時代から論客として知られ、当ブログでも『HIV陽性者はなぜ予防に取り組むのか』という演説を紹介したことがあります。


miyatak.hatenablog.com

 

 UNAIDSはいま大変な時期にあります。ミシェル・シディベ事務局長は任期より半年ほど早く、今年6月に退任することを発表しています。シディベ体制は死に体といっていいでしょう。しかし、UNAIDSが死に体になってしまうようでは困ります。

 こうした危機の中でこそ、HIV陽性者の声を政策に反映させること、そしてHIV/エイズの流行に対応する努力を後退させないことがますます重要になります。UNAIDS解体などという話も飛び出しかねない国連諸機関の政治的思惑もからみ、事態は深刻ではないでしょうか。コミュニティの声が反映されるようスプレイグさんにも存在感を発揮してほしいですね。

 もう一度、GNP+新事務局長を歓迎するUNAIDSのプレス声明に戻りましょう。シディベ事務局長はリコ・グスタフ氏について『HIV陽性者とHIVに影響を受けている人にとって素晴らしいアドボケートであり、社会から排除されがちなすべての集団の声を伝えてきました』と述べています。定番の歓迎コメントとはいえ、時期が時期だけにシディベさんもそういうことを言っている場合ではないだろうとついつい思ってしまいます。中ぶらりんの体制が6月まで続くのは世界のエイズ対策にとっても少々つらいのではないでしょうか。

 

   ◇

 

GNP+のリコ・グスタフ事務局長任命を歓迎 UNAIDSプレス声明

http://www.unaids.org/en/resources/presscentre/pressreleaseandstatementarchive/2019/january/20190111_EXD_GNPplus

 

ジュネーブ2019.1.11 UNAIDSは世界HIV陽性者ネットワーク(GNP+)がリコ・グスタフ氏を新事務局長に任命したことを心から歓迎します。HIVに最も大きく影響を受けている人びとの声が対策に確実に反映されるよう、GNP+30年以上活動してきました。極めて大切なパートナーであり、その活動はエイズ終結の成否を決定づけるものです。

 「リコ・グスタフはHIV陽性者とHIVに影響を受けている人にとって素晴らしいアドボケートであり、社会から排除されがちなすべての集団の声を伝えてきました」とUNAIDSのミシェル・シディベ事務局長はいう。「信頼のあつい活動家であり、練達の指導者であり、思いやり深い人でもあります」

 グスタフ氏は保健、開発分野のアクティビストとして長く活動し、コミュニティを代表してHIV対策への意見を述べてきました。UNAIDSの元スタッフでもあり、UNAIDSインドネシア事務所、およびタイのバンコクにあるUNAIDSアジア太平洋地域支援チームで、コミュニティのネットワークと域内関係者の連携強化のために働いてきました。

 UNAIDSHIV陽性者、HIVに影響を受けている人たちがHIV予防、治療、ケア、支援のサービスを平等に受けられるようグスタフ氏およびGNP+と協力して取り組む所存であります。

 

 

Press statement

UNAIDS welcomes appointment of Rico Gustav as Executive Director of GNP+

GENEVA, 11 January 2019—UNAIDS warmly welcomes the appointment of Rico Gustav as the Executive Director of the Global Network of People Living with HIV (GNP+). GNP+ has been working for more than 30 years to ensure that the people most affected by HIV are heard and listened to as an integral part of the response to HIV. GNP+ is a much-valued partner of UNAIDS and its work is critical to ending AIDS.  

Rico Gustav is an excellent advocate for people living with and affected by HIV and a strong voice for all populations that have been marginalized,” said Michel Sidibé, Executive Director of UNAIDS. “He is a trusted activist, a skilled leader and a compassionate human being.”

Mr Gustav is a longstanding health and development activist and a leading voice in the community response to HIV. He is also a former staff member of UNAIDS, having worked for the UNAIDS Country Office in Indonesia and for the UNAIDS Regional Support Team for Asia and the Pacific in Bangkok, Thailand, building and strengthening links between community networks and regional stakeholders.

UNAIDS looks forward to working closely with Mr Gustav and GNP+ in advocating for, and supporting fair and equal access to, HIV prevention, treatment, care and support services for people living with and affected by HIV.

鎌倉生涯学習センターが来年7月まで休館

 お正月にずっと閉鎖されていた鎌倉生涯学習センターがいまも閉じたきりです。どうなってるのと思い、縄張りの前の張り紙を見ると、耐震強度不足のため平成32年7月まで休館して改修工事を行うということでした。
 

www.city.kamakura.kanagawa.jp


 来年の7月ですか。ずいぶん先ですね。再オープンにこぎつける頃はもちろん平成ではなくなっていますが、新しい元号が分からないので、いまは平成表記にせざるを得ないのでしょうね。
 去年の暮れに休館を報じたカナロコの記事も紹介しておきましょう。 

www.kanaloco.jp


 鎌倉の中心軸・若宮大路に面し、JR鎌倉駅東口にも至近の立地で、私も何回か講演会や講座受講のために利用させていただきました。
 1階のロビーは高齢のおじさん、おばさんのたまり場のような感じで、長テーブルを挟んで囲碁や将棋に興じたり、お弁当を食べたりと独特の雰囲気でしたね。そうか、当分、使えなくなっちゃうのか。
 あまり大きい声では言えませんが、街を歩いていて急に尿意をもよおしたときに駆け込める穴場トイレでもありました。ここが使えなくなると、ちょっと痛いなあ・・・。
 以前は鎌倉市役所があった場所だそうで、旧市庁舎は昭和37年(1962年)に火災で全焼。現在の生涯学習センターの建物は地上4階地下2階建てで、昭和57年(1982年)から使われています。
 世の中がどんどん変わっていくようで、最近、おしっこがとみに近くなった高齢のおじさんとしては、なんだか切ない。

 

明治が大学王者に ラグビー全国大学選手権

 第55回全国大学ラグビーフットボール選手権は12日午後、東京・秩父宮ラグビー場で決勝の試合が行われ、明治大学天理大学に駆って22年ぶり13度目の優勝を飾りました。えっ、知ってる? そうでしょうね。私も寒風吹きすさぶ中、自宅を一歩も出ず、NHKのテレビ中継で観戦しました。
 明治大学 22 - 17 天理大学

 実は個人的には準決勝で帝京大学の10連覇を阻んだ天理大学の方が有利ではないかと思っていたのですが、見事に外れました。
 なにしろ、明治はポカが多いという印象が私には強く、決勝でも開始早々、ミスを連発して、2分ちょっとで天理にトライを許してしまいました。
 それでも持ち直して、前半を12-5で折り返したのは立派。後半も得点を重ね、一時は22 - 5 まで点差を広げたのに、ここで何となくまた付け込まれてしまうのが明治の明治らしいところですね。結果は僅差の『名勝負』となりました。この前、優勝したのは明治フィフティーンの最上級生が生まれた年ということで、強い明治の復活におめでとうといいたい。 
 天理大学は強かったのですが、ラインアウトで劣勢に回ったのが痛かったですね。

 

HIVと加齢 日本の場合は(追加) エイズと社会ウェブ版364(続き)

 追加情報です。

 統計的な分析はともかく、医療の現場ではすでに患者として診療に訪れるHIV陽性者の高齢化および加齢に伴う様々な症状への対応は、喫緊の課題になっています。

 API-Netを見ると、資料室の関連事業というページに公益財団法人エイズ予防財団のエイズ治療啓発普及事業として、平成28年度には国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センターの田沼順子先生の報告書『高齢化社会HIV』、平成29年度は第31回日本エイズ学会学術集会・総会のシンポジウム講演録『HIV感染症Aging』が掲載されています。

 HIV陽性者の高齢化に伴う治療、ケア、社会的支援について具体的な実践例と今後の課題を指摘したレポートです。「お前はエイズ予防財団の理事なのに、そんなことも知らなかったのか」とお叱りを受けそうですね。すいません。リソースとして紹介させていただきます。こちらをご覧ください。

 

高齢化社会HIV

http://api-net.jfap.or.jp/library/alliedEnt/images/H28-jigyo.pdf

 

HIV感染症Aging』講演録

http://api-net.jfap.or.jp/library/alliedEnt/images/H29-jigyo.pdf

 

 社会的な対応としては、特定非営利活動法人パープル・ハンズもこの分野では先駆的な活動を続けています。 

purple-hands.net

 『ひとり暮らし、同性ふたり暮らし、トランスジェンダー、ゲイに多いHIV陽性などなど、さまざまな生きづらさをかかえる性的マイノリティの「安心できる暮らしと高齢期」をつくりだす活動を、社会の人びとと協力して進めています』

 

 昨年12月に開催された第32回日本エイズ学会学術集会・総会の公式サイトでは、そのパープル・ハンズの事務局長であり、著名な編集者でもある永易至文氏が学会のシンポジウム『HIV感染症Aging(臨床)』を傍聴し、学術集会の公式ブログに『医薬の発達でHIV陽性者の余命が平均寿命に近づく「祝福すべき」状況とともに、さまざまなセッションで、高齢化に伴う課題が深刻さを増していることが報告されている』と書いています。

ameblo.jp

 『ACCで患者数のピークは、2002年には20代であったが、いま(2017年)は40代であり、50代以上の患者は34%とのこと。じつに3人に1人は50代以上となった現実に、かつての「エイズは若い人を蝕む病」のイメージは完全に消えた観がある』

 ACCの照屋勝治医師、北海道医療センターの上村恵一医師の発表を取り上げたこのブログ報告も必読です。

 

HIVと加齢 日本の場合は エイズと社会ウェブ版364

 アメリカのHIV陽性者の高齢化について昨日、お伝えしましたが、日本はどんな状況なのでしょうか。推測の助けになるようなデータがないかと思って探してみたら、ありました。平成292017)年エイズ発生動向年報(11日~1231日)の「資料」として、《表6-1 年齢階級別年次推移(HIV感染者、エイズ患者)》が、API-Netエイズ情報ネット)に掲載されています。

api-net.jfap.or.jp

 毎年のエイズ動向委員会報告を5歳刻みの年齢階層別に分類した一覧表です。あくまで新規のHIV感染者、エイズ患者報告の集計ですから、そのものずばりというわけにはいきませんが、直近の2017年集計、および各年の報告をすべて足した合計数が参考になりそうです。

 以下は統計には全くの素人であるおじさんが、数字を見て漠然と思い描いた感想に過ぎないので、厳密な分析には程遠いものです。この点はお断りしておかなければなりませんが、大まかな感じはつかめるかもしれません。

 まず2017年の年間報告数を見てみましょう。新規HIV感染者報告とエイズ患者報告に分かれています。

 新規HIV感染者報告は、年間の総数が976件、このうち50歳以上は116件(11.9%)です。エイズ患者報告の方は、総数が413件、50歳以上は113件(27.4%)。

 したがって、新規HIV感染者報告とエイズ患者報告の合計は1389件、うち50歳以上が229件(16.5%)を占めていることになります。

 米疾病管理予防センター(CDC)のHIVサーベイランス報告では2016年の新規感染報告に占める50歳以上の割合は17%でした。もちろん流行の程度も社会的条件も異なるので、同列には論じられませんが、比率はほぼ同じです。

 次にこれまでの動向委員会報告の合計を見てみます。

 HIV感染者報告は19896件です。このうち50歳以上は2390件(12%)。エイズ患者報告の方は総数が8936件で、50歳以上は2548件(28.5%)でした。

 つまり、新規HIV感染者報告とエイズ患者報告の累計は28832件。このうち50歳以上は4938件(17,1%)となります。2017年の年間報告の割合とあまり変わりません。少し乱暴な推測かも知れませんが、新しくHIVに感染していることが分かる人のうち50歳以上が占める割合は、以前からずっと十数%で大きくは変わっていないということなのかもしれません。

 米国ではHIV陽性者全体のうち50歳以上が47%(ほぼ半数)を占めていました。

 一方、日本のデータはあくまでそれぞれの年に感染が分かった人の数なので、数字が示す意味合いは大きく異なります。治療の進歩により、HIVに感染してから長く生きていける人が増えているからです。例えば、10年前に40代でHIV感染が判明した人の多くはいまも生活を続け、社会的にも活躍しています。15年前に30代半ばで感染が判明した人も、あるいは20年前に30歳で感染した人も恐らくそうでしょう。この人たちもみな現在は50歳以上になっています。

 数字の裏付けはまったくなしの個人的な感想ですが、私がかつて若いHIV陽性者として取材でお話をうかがったり、たまたま知り合ったりした人たちも、いまは50代、あるいはもうすぐ50歳という人が多くなっています。

 したがって、体感的には、日本もまた、HIV陽性者の半数近くは50歳以上ということもあり得るのではないか、そんな印象も受けます。流行動向の分析にあたる専門家にも、詳細な検討をお願いしたいところですね。

 

 

HIVと加齢 米国の場合は エイズと社会ウェブ版363

 抗レトロウイルス治療薬の開発が進み、治療の普及によってHIV陽性者が長く生きていくことが期待できる時代になりました。これはもちろん重要な成果なのですが、高齢化に伴う新たな課題も生まれています。

 日本エイズ学会などでもしばしば取り上げられていますね。ただし、日本国内に限った問題ではありません。たとえば、米国政府のHIV/エイズ啓発サイトHIV.govには新年早々の1月2日付で、HIV陽性者の加齢についてまとめたブログが紹介されています。必要な資料や参照先の紹介も兼ねているので、参考にしていただけるのではないかと思い、概略を日本語に訳してみました。

 米国のHIVサーベイランス集計では『2016年の新規HIV感染報告の17%は50歳以上であり、2015年末時点で米国内のHIV陽性者の47%がこの年齢層で占められています』ということです。日本の報告ベースではどうなのでしょうか。どなたかご存知の方はお教えください。

www.hiv.gov

 

HIVと加齢に関する資料

 HIV.gov 2019年1月2日

 米国内でHIV感染が確認されている人の半数近くは50歳以上です。50歳以上のHIV新規感染報告自体は減少しているものの、それでも2016年には新規に感染が確認された人のほぼ6人に1人がこの年齢層で占められていました。連邦政府およびコミュニティのパートナー機関が発表しているHIVと加齢の関連資料をいくつか紹介します。

 

HIVアメリカの高齢者に関するCDCサーベイランス報告

 米疾病管理予防センター(CDC)の2016年HIVサーベイランス報告によると、2016年の新規HIV感染報告の17%は50歳以上であり、2015年末時点で米国内のHIV陽性者の47%がこの年齢層で占められています。様々なサブグループの高齢層におけるHIVの影響を理解することは、それぞれの人口集団や地域でニーズに対応した効果の高いHIV予防、治療、ケアのサービスを提供できるプログラム策定の助けになります。CDCのHIVサーベイランス補充報告書には、各州および6つの統治地域における50歳以上のHIV診断、陽性率、HIV関連の死亡に関する追加データがあります。報告書全文はこちら

 

HIVと高齢化に関する保健医療提供者向けツールキット

 HIVは慢性の管理可能な疾病になっています。新規に感染が分かった人の平均余命は、効果的な治療を受ければ、HIVに感染していない人とほぼ同等にまで近づいてきました。こうした成果は同時に、HIV陽性者が歳を取り、高齢化に伴う問題に直面する人が増えているということも意味しているのです。そうした問題には、肥満やリポジストロフィー(脂肪萎縮)およびその関連症状の増加も含まれています。エビデンスに基づくエイズ看護協会(ANAC)のツールキットは、年配のHIV陽性者をケアしている保健医療提供者が加齢に伴う他の症状にも対応できるように編集されています。HIVと加齢のツールキットは3分野からなり、各分野にはそれぞれのウェビナー(ネット上のセミナー)があって看護の継続教育単位、臨床的評価のためのツール、高齢のHIV陽性者のケアに必要なその他の資料を提供しています。ツールキットはこちらから。

 

HIVと加齢に関するその他の資料

 HIVと加齢に関し、さらに情報を得たい方は、以下を参照してください。

 ・HIV.govのAging with HIVページ

 ・AIDSinfoのHIVと高齢者ファクトシート

 ・CDCの50歳以上のHIV陽性者に関するファクトシート

 ・NIHの国立老化研究所の高齢HIV陽性者の概要

 ・ライアン・ホワイトHIV/エイズプログラムの高齢者に関するファクトシート:Ryan White HIV/AIDS Program Clients, 2016 [PDF, 742KB]

 

 

Resources on HIV and Aging
 

Nearly half of people in the United States living with diagnosed HIV are aged 50 and older. Though new HIV diagnoses are declining among people aged 50 and older, around 1 in 6 HIV diagnoses in 2016 were in this group. Federal and community partners have released some resources related to HIV and aging that some readers may find useful.

 

CDC Surveillance Report on HIV and Older Americans

According to the Centers for Disease Control and Prevention's 2016 HIV Surveillance Report, people aged 50 years and older accounted for 17 percent of all new HIV diagnoses in 2016 and for 47 percent of persons living with diagnosed HIV infection in the United States at the end of 2015. Understanding the burden of HIV among different subgroups of older persons can help HIV programs to focus on populations and areas at greatest need for HIV prevention, treatment, and care services. A CDC HIV surveillance supplemental report provides additional data on HIV diagnoses, prevalence, HIV-related deaths among persons aged 50 years and older in the United States and 6 U.S. dependent areas. Read the full report [PDF, 6.8MB].

 

HIV and Aging Toolkit for Health Care Providers

HIV has become a chronic, manageable condition, with life expectancies for those newly infected and on effective treatment approaching life expectancies for people without HIV infection. This progress means that more people living with HIV are aging and facing the challenges of growing older as well. These challenges include increased obesity, lipodystrophy, and related health conditions. An evidence-based toolkit from the Association of Nurses in AIDS Care is designed to help health care providers who are caring for older people living with HIV to address other health conditions related to aging. The HIV and Aging Toolkit features three modules, each containing an educational webinar that offers one Continuing Nursing Education credit, clinical assessment tools, and additional resources to support quality care for aging people living with HIV. Access the toolkit.

 

Other Resources on HIV and Aging

For more information about HIV and aging, visit these resources:

HIV.gov's Aging with HIV page

AIDSinfo's fact sheet HIV and Older Adults

CDC's fact sheet on HIV Among People Aged 50 and Older

NIH's National Institute on Aging's overview of Aging with HIV

Ryan White HIV/AIDS Program's fact sheet Older Adults: Ryan White HIV/AIDS Program Clients, 2016 [PDF, 742KB]