『ポジティブトークは何を伝えたか』 エイズと社会ウェブ版323

 

 現代性教育研究ジャーナルNo.83(20182)15日からネット配信されています。

 

www.jase.faje.or.jp

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 6ページに連載コラム『多様な性の行方 One Side/No Side』の第10回目『ポジティブトークは何を伝えたか』が掲載されています。

 昨年11月の第31回日本エイズ学会のプログラムの一つである『ポジティブトーク』について紹介しました。前号のエイズ学会報告の続編的内容でもあります。

『疾病の予防や治療への アクセスを阻む要因」を考えれば、日本が抱える問題 もまた、国際的に孤立してなどいないことが分かる』

ポジティブトークは学会最終日の朝のセッションで、6人のHIV陽性者が登壇(正確には1人の方は体調を崩して参加できず、代読になりました)し、自らの経験や考え方などを語りました。当然のことなのかもしれませんが、それぞれの方のお話はみな異なっており、驚きや発見もたくさんありました。

『ふだんはLiving Togetherなどと言っているのに、なんで驚くのか。これこそが「HIV陽性者はそこにはいない人」という私の勝手な思い込みの結果である ことに思い至る』

 このコラムも青息吐息で10回目まで到達いたしました。前人未到ではもちろんありませんが、個人的にははや未踏の領域。お読みいただければ幸いです。

 

絶景かな つかの間の春 大富豪

 

 昨年5月のオープン以来、一度はと思いつつ何となく先延ばしにしていた鎌倉市扇ガ谷の鎌倉歴史文化交流館訪問を本日、敢行しました。

どうしてまた今日なの?と聞かれると、理由はありませんが、多忙を極める日常の中で、ちょっと隙間ができたというか・・・。ま、ちょっと暖かくなったもので。

 

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 鎌倉市がセンチュリー文化財団から寄贈を受けたこの建物は『著名な建築家ノーマン・フォスター氏が代表を務めるフォスター+パートナーズの設計』で、いまは『鎌倉の歴史・文化を通史的に紹介し、あわせて鎌倉で発掘された出土品などを公開』する施設となっています。どうも性格がはっきりしないという印象もあったのですが、訪れてみると、映像による紹介もあわせ、なかなか楽しめました。鎌倉を訪れる人が街歩きの前にとりあえず予備知識を仕入れておく。そんな利用の仕方ができるのではないでしょうか。

 

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建物もさることながら、裏庭も一見の価値ありちょっと案内板も紹介しておきましょう。

 

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以前は建物の前に鳥居があり、なんだか面妖な館といった印象だったのでしたが、あれは槌稲荷社という神社の鳥居でしたか。元は三菱財閥・岩崎家の別荘があったのですね。鎌倉市の施設になったので鳥居と社祠は葛原岡神社に移されたそうです。察するに政教分離ということでしょうか。

 

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 長い石段で稲荷社跡まで登ることができます。これは素晴らしい。先ほどの写真にも見える3つの横穴は、やぐらではなく、岩崎家所有時代に掘られたもののようです。

 

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 何かをしまっておく場所でしょうか。上から見ると岩肌から染み出す地下水で、池のような水たまりができています。小さな動植物の宝庫でもあるとか。いや、すごいね・・・ということで、上まで行くと、またびっくり。

 

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 鎌倉の町と海が一望のもと。昔の金持ちはもう・・・とひがんでもしょうがないですね。いまはこうやって、しがない老人も絶景を楽しむことができます。しかも、福寿手帳で入場料も無料(われながら感覚がせこい)。風に吹かれて、それなりに時代は変わるもんです。そういえば、今日は暖かいねと思っていたのも束の間、午後はやたらと風が強くなってきました。再びあわただしい日常に帰るとしますか。小人閑居してなお、貧乏暇なし。ああ、忙しい。

 

 

『#PEPFAR15:アメリカ人の寛容とパートナーシップが多くの人の生命を救った15年』 エイズと社会ウェブ版322

米国の国際的HIV/エイズ政策の基本となる米大統領エイズ救済緊急計画(PEPFAR)が発足から15周年を迎え、米国務省のサイトにデボラ・バークス大使(グローバル・エイズ調整官)が『#PEPFAR15:アメリカ人の寛容とパートナーシップが多くの人の生命を救った15年』という文章を掲載しています(下の方の◇から後はその日本語仮訳です、参考までに)。

 英文はこちらでご覧ください。blogs.state.gov

 

 PEPFARは世界エイズ結核マラリア対策基金(グローバルファンド)と並んで、この15年、世界のHIV/エイズ対策が目覚ましい成果をあげる原動力となってきました。

 PEPFARの起点は『ジョージ・Wブッシュ大統領2003128日、一般教書演説で「アフリカの人たちを助けるために現在の国際支援を大きく超えた慈悲の心を示さなければならない」』と述べたことであり、米議会は『この歴史的な発表から4カ月もたたないうちに、PEPFARを承認する超党派の法案を可決』しています。

3政権にわたり、超党派の議会による強い支持のもとでPEPFAR15周年(#PEPFAR15)を迎え、米国政府は何百万という人の命を救い、生活の質を改善しただけでなく、危機の状態から制御に向けてHIV/エイズ対策の在り方を大きく変えてきました』

これはまあ、その通りだと思います。でも、こちらはどうなんでしょうか。

『私たちはワクチンも完治療法もなく、パンデミックを制御する機会を迎え、HIVの実質的な排除または根絶するための基礎を築こうとしているのです』

抗レトロウイルス療法だけで、ワクチンもなしにエイズ流行を「公衆衛生上の脅威としての」という条件付きでも、終結に導くということは困難なのではないでしょうか。流行の制御には、治療の普及も、ワクチン開発もどちらも必要なのではないでしょうか。もちろん、そうした医学上の進歩を支え、また逆にその進歩に力を得ていくための、社会的な支援の充実も不可欠です。そんなことは百も承知で書いていらっしゃるのではないかと拝察しますが、政治の言葉は何かを強調するためには無茶ぶりも辞さないということなんでしょうね。

何かと気苦労も多いであろう政治環境の中で、バークス大使も1年、何とか持ちこたえました。個人的にはそれだけでもすごいと思います。

 

     ◇

 

#PEPFAR15:アメリカ人の寛容とパートナーシップが多くの人の生命を救った15

  201826日、デボラ・バークス

 

 ドナルド・トランプ大統領のリーダーシップのもとで、そしてアメリカの人たちの広い心のおかげで、HIVの流行に最も深刻な影響を受けてきた13カ国が現在、2020年に流行の制御が可能なところに到達しつつあります。レックス・ティラーソン国務長官が発表した米国大統領エイズ救済緊急計画(PEPFAR)のHIV/エイズ流行制御推進戦略(2017-2020)で概要を示したように、こうした成果の積み重ねによってPEPFARが支援する50カ国以上の流行を制御するロードマップが生み出されていくのです。

 15年前には、HIV感染の診断は多くの国で死の宣告に等しいものであり、家族やコミュニティ全体が病に落ちたのも同然でした。グローバルヘルスと開発分野の成果も失われてしまうのです。最も深刻な打撃を受けているサハラ以南のアフリカ地域では、新生児死亡が2倍、子供の死亡は3倍も増加し、平均余命は20年も短くなりました。南部アフリカのいくつかの国では、成人の3分の1HIVに感染し、何百万という子供たちが親を失って遺児となりました。

 このようなおびただしいた死と惨状を目の当たりにして、米国政府は決然と対応しました。ジョージ・Wブッシュ大統領2003128日、一般教書演説で「アフリカの人たちを助けるために現在の国際支援を大きく超えた慈悲の心を示さなければならない」と述べ、米国の思いやりと希望に向けた姿勢を示しました。それがすなわちPEPFARです。米国議会も素早く対応し、この歴史的な発表から4カ月もたたないうちに、PEPFARを承認する超党派の法案を可決したのです。

 3政権にわたり、超党派の議会による強い支持のもとでPEPFAR15周年(#PEPFAR15)を迎え、米国政府は何百万という人の命を救い、生活の質を改善しただけでなく、危機の状態から制御に向けてHIV/エイズ対策の在り方を大きく変えてきました。死と絶望から希望と生に大きく取って代わっているのです。私たちが単独で実現したわけではありません。他国政府や民間企業、慈善団体、国際機関、市民社会、宗教関連団体、HIV陽性者その他の多くの人たちとの緊密な協力により実現できたのです。

 PEPFARが始まった当時、アフリカで生命を救う治療を受けられる人は5万人にとどまっていました。現在は世界で1330万人がPEPFARの支援で治療を受けています。HIV陽性のお母さんから生まれた220万人以上の赤ちゃんがPEPFARによりHIVに感染することを免れました。そしてHIVで親を失った子供、弱い立場に置かれている子供、およびその世話をしている人たちに対する支援提供は640万人を超えています。

 PEPFARの投資は透明性が高く、責任ある説明ができ、費用対効果の高いことがこうした成果に反映されています。アメリカ人が持つ大きな思いやりの心を具現化しているのです。米国の二国間援助資金は、世界エイズ結核マラリア対策基金(グローバルファンド)や対象国自身の資金ともあわせて活用されています。米国政府はグローバルファンドの最大のドナーでもあるのです。

 PEPFARが米国による最も効果的、効率的な海外援助プログラムの一つとして広く認められていることを私たちは誇りに思っています。最新のデータと科学を活用することで、託されたお金の1ドル1ドルが最大の効果を得られるように努めていきます。また、最も流行が大きく、必要性の高いところに力を注ぐことで、流行終結を早めるだけでなく、HIV/エイズ対策の持続に必要な将来的な費用も削減することもできるのです。

 #PEPFAR15の機会に、しっかりと将来を見据え、かつて不可能なことを可能にしていきます。近代史上初めて、私たちはワクチンも完治療法もなく、パンデミックを制御する機会を迎え、HIVの実質的な排除または根絶するための基礎を築こうとしているのです。アメリカの人たち、そしてアメリカのリーダーシップのおかげで、世界はかつてなく公衆衛生上の脅威としてのエイズ終結に近づいています。

 

 

春よ来い ワカメ日和に誘われて

 

 早春の鎌倉はワカメの天日干しから始まります。ブラタモリにも登場した材木座のお蕎麦屋さんで人気メニューの肉せいろをいただき、海辺に出ると・・・。

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 やってますね。夜明け前に船で沖へ出て、どっさりワカメを収穫し、砂浜の大釜でゆでて冷やす。以前、取材したことがありますが、大変な作業です。そのゆでたワカメを洗濯物のように干していきます。

 

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ね、洗濯ばさみを使っているでしょ。海岸は絶好の洗濯日和、じゃなかった、ワカメ日和。

 

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 と思ったら、西の方は曇ってきました。

 

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それでも・・・。

 

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滑川の河口にはたくさんの人。あれ?見たような姿が。

 

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 いつ来てもいるね。堂々たる風格。すっかり主になりました。

 

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 人がそばにいても逃げません。

 

夕空は 明るく寒く 春まだ浅く

 というよりむしろ、厳冬が深すぎます。なんでこう冷えるんだろうね。おそろしく空がきれいなんだけど・・・外は寒いしなあ。

 

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 さすがに海岸まで出張っていくのはどうも、などとうじうじ迷ったあげく、屋上から東の空を望む。

 

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 反転して西方向。夕日が沈んでいきます。

 

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 あれ、海にはトンビが・・・。ついついよそ見をしている間に。

 

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 沈んでしまいました。まだ明るいけれど、さすがに寒い。体が芯から冷えてきた。退散というか、撤退だな、これは。部屋に戻って、たまった原稿を片付けるか。

水ぬるみ お礼参りの 梅の花

 

 立春4日、あたたかな日差しに誘われて、二階堂の荏柄天神社を訪れました。京都の北野天満宮、福岡の太宰府天満宮と並ぶ日本三天神であります。

 

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学問の神様、菅原道真をまつる神社ですね。

 

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 拝殿の周囲には受験生やその家族による合格祈願の絵馬がびっしり。

 

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実は身内の一人が昨年、大学受験に挑戦し、首尾よく志望校に進学できたので、その一年後のお礼もかねてお参りです。境内は鎌倉の梅の名所としても知られています。

 

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向かって右側の寒紅梅は鎌倉で最も早く咲く梅ということです。見ごろは1月。したがって、もうちょっとピークを過ぎているのですが、それでもきれいですね。

 

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 拝殿左側の「古代青軸」は白梅です。例年なら針供養の行われる28日前後が見ごろだそうですが、今年は少し遅れ気味か。花はまだ、ちらほらの「ちら」ぐらい。つぼみがようやくふくらんできたという感じですね。

 

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その数少ない花の一つ(二つか)。中心が、青みがかっているのが特徴です。

 

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水ぬるむ春・・・はまだ名のみ。明日からまた寒波だって。もう何回も書いたけれど、ホント、何とかしてよ。

 

 

TOP-HAT News 第113号(2018年1月)

  毎月1回発行のTOP-HAT News 第113号です。

 巻頭の「はじめに」は昨年11月に東京・中野で開かれた日本エイズ学会の報告です。少々、繰り返しの感がないこともないのですが、HI/エイズ分野の多様な論点が議論されたので、話題はつきません。今年は122日(日)から4日(火)まで、大阪国際会議場大阪市中央公会堂で開かれますというお知らせもあわせて掲載しました。そのころ日本はどうなっているのでしょうねえ。そうそう世界も・・・。

 

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        第113号(20181月)

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TOP-HAT News特定非営利活動法人エイズソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発マガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。

なお、東京都発行のメルマガ「東京都エイズ通信」にもTOP-HAT Newsのコンテンツが掲載されています。購読登録手続きは http://www.mag2.com/m/0001002629.html  で。

エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部

 

 

◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

 

1 はじめに 出会いを生かす/第31回日本エイズ学会学術集会・総会から

 

2 今年は大阪

 

3 『デジタルとソーシャルメディア2018年トレンドをさぐる』 

 

4 男性はサービス提供のBlind Spot(死角) UNAIDS報告書

 

◇◆◇◆◇◆

 

1 はじめに 出会いを生かす/第31回日本エイズ学会学術集会・総会から

 新しい年を迎えても寒さが続きます。HIV/エイズの流行も依然、継続しています。今年も息長く、粘り強く情報の発信を続けていきますのでよろしくお願いします。

 第31回日本エイズ学会学術集会・総会は昨年1124日(金)から26日(日)まで、東京都中野区の中野サンプラザを主会場にして開かれました。学会終了後、公式サイトに掲載された生島嗣会長の「お礼のあいさつ」によると参加者は1500人を超えたということです。

 生島さんは、HIV予防啓発やHIV陽性者の支援活動を行っている特定非営利活動法人ぷれいす東京の代表です。今回の学会は、医学分野だけでなく、社会の様々な立場の人が幅広く参加していたことが例年にもまして印象に残りました。

例えば会議2日目の1125日に開かれた『アジアのMSMHIV~国を超えた連携を模索する』というシンポジウムでは、中国からBluedの管理運営会社のCEO最高経営責任者)であるGeng Le氏も参加し、発表を行っています。Blued2012年に中国で発足したゲイ向け出会い系アプリで、海外600万人を含む3000万人がユーザー登録をしているということです。

Geng Le氏はこのアプリの情報力をHIV検査普及や予防啓発のプラットフォームとしても活用することに強い意欲を示していました。

SNSによる人の出会いや情報の拡散が以前よりはるかに容易になっていることは、HIV感染の拡大要因の一つと考えられています。ただし、その同じ要因が同時にHIV予防対策の大きな潜在的可能性も有しています。『アジアのMSMHIV』は、その潜在力をめぐる議論がすでに理論上のレベルにとどまるものではなく、ビジネスの活力を生かした対応として現実の文脈の中で動き出していることも強く感じさせるシンポジウムでした。

SNSは第31エイズ学会でも、これまで以上に活用されていました。第112号の『2017年を振り返る』でも少し紹介したように、シンポジウムや全体会議の参加者にインタビューした動画はネット配信され、いまもYou tubeで見ることができます。

https://www.facebook.com/pg/31AIDSjp/videos/?ref=page_internal

先ほどのGeng Le氏や全体会議で講演を行った国連合同エイズ計画(UNAIDS)のルイス・ロウレス事務局次長ら海外からのスピーカーも含め、たくさんのメッセージが収録されています。全部で15本のインタビューは、1分程度から15分を超えるものまで長短様々ですが、エイズ対策の現在を把握するうえで貴重な資料といっていいでしょう。

様々な分野の様々な人が出会い、その出会いを生かしてHIV/エイズの流行に対応する力を広げていく。これこそが実は毎年のエイズ学会が担う最大の役割なのかもしれません。

 

 

 

2 今年は大阪

 第32回日本エイズ学会学術集会・総会は舞台を大阪に移して今年(2018年)122日(日)から4日(火)まで、大阪国際会議場大阪市中央公会堂で開かれます。

 テーマは『ゼロを目指して今、できること TowardZero- What I can do.』。学会長は国立病院機構大阪医療センターの白阪琢磨エイズ先端医療研究部長です。

 すでに公式サイトも開設されています。 

 https://www.c-linkage.co.jp/aids32/

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3 『デジタルとソーシャルメディア2018年トレンドをさぐる』  

 米国政府のHIV啓発サイト HIV.govに昨年末、『Digital and Social Media Trends to Watch in 2018』というレポートが掲載されました。

 https://www.hiv.gov/blog/digital-and-social-media-trends-watch-2018

HIV.govチームは以下の8つのトレンドを予測しています。

人工知能AI)の利用がさらに広がる。

・小スクリーン向けのビデオがさらに増える。

・チャットボットは単なるツールでなく、マーケティング経路にもなる。

ソーシャルメディアがブランドコンテンツとパーソナルコンテンツに分かれる傾向が続く。

・個別化(personalized)コンテンツが自動提示(automated)コンテンツにとって代わる。

・ネットで影響力を持つ人(online influencer)の力がさらに大きくなる。

・音声技術が定着する。

・保健通信機能(health communicators)が行動変容に向けた「マイクロモーメント(意図の即時実現)」(micro moments)に活用される。 

 

 

 

4 男性はサービス提供のBlind Spot(死角) UNAIDS報告書

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)は昨年121日の世界エイズデーに合わせ、男性に焦点を当てた報告書『blind spot』を発表しました。UNAIDSのミシェル・シディベ事務局長は報告書の発表に際し『女性、少女のHIVリスクを高めている不平等に取り組むこと』が世界のHIV/エイズ対策の最優先事項であることを指摘したうえで、男性が対策の「Blind Spot(死角)」になっている現状にも目を向ける必要があると強調しています。

『女性に比べると男性は、HIV検査を受けず、抗レトロウイルス治療へのアクセスが少なく、エイズ関連の疾病で死亡する傾向が強い』ことがデータで示されているからです。

 シディベ事務局長は『男らしさに対する誤った思い込みとステレオタイプな見方があるため、男性がセーファーセックスを実践したり、HIV検査を受けたり、治療を続けたり、セクシャリティについて話したりすることが困難な環境がつくられています』と述べ、『男性にも責任感が必要です。そうでないと、こうした虚勢が生命を奪うことになります』と警告しています。

報告書発表に関するプレスリリースの日本語仮訳をエイズソサエティ研究会議HATプロジェクトのブログに掲載したのでご覧ください。

http://asajp.at.webry.info/201712/article_2.html