すでにたくさんの報道がなされているので、いまさらの感もありますが、当ブログでも備忘録的に取り上げておきたいと思います。私の考えを整理するためのものなので、いまさらと思う方は読み飛ばしてください(または、忘れた頃に「どれどれ」と呼んでいただければ幸いです)。
政府の第16回新型コロナウイルス感染症対策分科会が2020年11月20日(金)に開かれました。内閣官房の公式サイトに新型インフルエンザ等対策有識者会議のページがあります。
まずそこを開いて、新型コロナウイルス感染症対策分科会資料の欄をみると、下の方に《第16回分科会資料(2020.11.20) 私たちの考え 分科会から政府への提言》がPDF版で載っています。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/seifu_teigen_16.pdf
この提言については現状の分析を含め、個人的にはおおむね同意できるように思います(資料にたどりつくまでの前置きが多くてすいません)。つまみ食いのようで恐縮ですが、ちょっと紹介しておきましょう。
現状については次のように書かれています。
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感染の「増加要因」と「減少要因」の拮抗が崩れた今、
① この機を逃さず、
② 短期間(3週間程度)に集中し、
③ これまでの知見に基づき、感染リスクが高い状況に焦点を絞る
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こうした認識に基づき、6点をとくに重要な対応策として挙げています。この中から、《Go Toキャンペーン事業の運用見直しの検討》をさらに紹介します。あくまで私個人の感想ですが、Go To キャンペーンについては、もともとV字回復シナリオが根底にあり、開始当時から現実とはそぐわないことが明白だったのに、それでもお金で釣って強引に動きをそそのかすやり口のように見えて、ずっと賛成できないと考えていました。以下、再び引用です。
《Go To Travel事業が感染拡大の主要な要因であるとのエビデンスは現在のところ存在しないが、同時期に他の提言との整合性のとれた施策を行うことで、人々の納得と協力を得られ、感染の早期の沈静化につながり、結果的には経済的なダメージも少なくなると考えられる》
始まっちゃったキャンペーンの後戻りは極めて困難なのだろうと思いますが、とりわけいまは『他の提言との整合性のとれた施策』が必要です。できれば紅葉シーズンの3連休直前ではなく、もう少し早くメッセージが出ていればと思わないこともありませんが、これからを少し長いスパンで考えても、ここでハンマー&ダンスのハンマーを(比較的、軽めですが)使う時期だと思います。
《Go To Eat事業については、プレミアム付食事券の新規発行の一時停止及び既に発行された食事券やオンライン飲食予約サイトで付与されたポイントの利用を控える旨の利用者への呼びかけについて、都道府県知事に各地域の感染状況等を踏まえた検討を要請して頂きたい》
ぎりぎり控えめな要請でしょうが、これから飲み会が増える時期なのでこちらも、ちょっと待てよ、のメッセージになってほしい。
冬に向かってコロナの流行が再び三度、拡大の時期に入ることは、ある程度、世の中も織り込み済みだったのではないでしょうか。
重症化リスクの高い高齢層の駆け出しとして、個人的な不安はもちろんありますが、それでも社会の動きを止めてしまうことなく、なんとか感染拡大の抑制を進めていってほしい。そのための知恵を活用する術も、これまでの経験を通し少しずつ蓄積されてきたのではないでしょうか。
今の時期、あまり使いたくない言葉ではありますが、強権頼みではなく「自助、共助、公助」をうまく組み合わせ、その工夫を通して、流行が医療や介護の対応力を超えないよう拡大の山を少しでも低く抑えていく。おそらくはそれがwithコロナということなんだろうなと思います。