『注意喚起の難しさ』 One side / No side 15

メッセージをどう伝え、どう受け止めるのか。これはなかなか難しい問題です。立場によって正解が異なるのかもしれません。ただし、そうなると何が正解かという踏み込んだ認識が、それぞれの立場で、あるいは共通した了解事項として、問われてくるといった事情も出てきそうです。う~ん、どうなんだろうかと思いつつ、でも指摘はしておく必要があるといいますか・・・。

現代性教育研究ジャーナルの7月号に掲載された連載コラム One Side/No Side15回目です。梅毒の予防キャンペーンについて取り上げました。

www.jase.faje.or.jp

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ずっと中の方の12ページに載っています。

エイズの流行の初期には、典型的な症状の一つとされた皮膚がんのアップや衰弱した患者さんの写真などを強調するあまり、啓発のキャンペーンが逆に社会的な恐怖や不安、困難な病気に直面する人への忌避感などを増幅させてしまう事態を招いた』

個人的にはHIV/エイズの取材を重ねてきた経験があるせいか、「脅しのメッセージ」には短期的なインパクトはあっても、長くは続かないという印象を強く持っています。

専門家の先生方を差し置いて恐縮ですが『可能ならばキャンペーンの中で、こうした点も検討課題になることを期待したい』と思います。