横ばいから微減への期待 東京都エイズ通信128号

 メルマガ東京都エイズ通信の第128号(20184月号)が426日に発行されました。今年に入ってから420日までの報告数が掲載されています。

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 平成3011日から平成30420日までの感染者報告数(東京都)

  ※( )は昨年同時期の報告数

 

HIV感染者           99件    111件)   

エイズ患者             16件  ( 31件)   

  合計                  115件  (142件)

 

HIV感染者数、エイズ患者数ともに昨年同時期を下回っています。

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ということで今年に入ってからの報告の減少傾向が依然として、続いています。前年同時期と比べると2割程度は減っている計算になりますね。

 今回のエイズ通信には、毎月の速報値のほかに昨年1年間の報告件数がまとまったことも紹介されています。こちらはエイズニューズレターに詳細が載っていますが新規HIV感染者・エイズ患者、ならびに全体の報告件数だけ紹介しておきましょう。

 

 HIV感染者           367件   367件)   

エイズ患者                97件  ( 97件)   

  合計                     464件  (464件)

 

 ()内は前年(2016年)の報告数です。つまり、新規HIV感染者・エイズ患者ともに報告数は2年連続で同数でした。だからどうした・・・と詰め寄られても困りますが、こういうこともあるんですね。

 ただし、報告の横ばいや微減傾向に喜んでばかりもいられません。確かに2016年と2017年の報告は同数ではあるのですが、2017年の外国籍男性の感染者・患者報告数は合わせて83件で過去最高でした。前年(2016年)より15件も増えています。2割以上の増加です。外国籍の女性の報告も8件で前年の2件よりかなり増えています。

 全体の報告が横ばい、もしくは微減で推移していることは、治療や検査の普及も含め、現場の対策を地道に積み上げてきた成果だと思いますが、それでもなお、対策が届いていない層がある。この現実も直視しなければなりません。

 ・・・ということで、報告の数字で判断した範囲での個人的な感想に過ぎませんが、対策の成果はおそらく、あがっています。そのことには自信をもっていいと思いますが、ああ、よかった、これでひと安心といえる段階でもない。まだ、できることはあります、あるいは、できていないことがあります。その現実も直視し、獲得した自信と成果を次のできることにつなげていけるかどうか。それが2020年オリンピック・パラリンピック開催を控えた国際都市・東京がいま直面する課題であり、期待であり、責務でもあります。