国連合同エイズ計画(UNAIDS)が11月21日、新たな報告書『高速軌道に乗る:HIVに対するライフサイクル・アプローチ』を発表しました。そのプレスリリースの日本語仮訳です。
UNAIDSは毎年12月1日の世界エイズデーを前に世界のエイズの流行概要とともに報告書を発表しています。今年は「ライフサイクル」に焦点をあて、「誕生時」「十代」「壮年期」「キーポピュレーション」「成人」「中高年」という人生の様々な段階に焦点をあてて、それぞれのニーズに応じた予防、治療、支援のプログラムが必要だとする「ライフサイクル・アプローチ」の考え方を示しています。ナミビアの首都、ウィントフックで発表の会見が行われ、ハーゲ・ガインゴブ同国大統領とミシェル・シディベUNAIDS事務局長が立ち会っています。
(注:昨日、前打ちした報告書です。同じ文章をHATプロジェクトのブログにも掲載してあります)
以下、プレスリリース日本語仮訳をご覧下さい。
抗レトロウイルス治療を受けている人は1820万人 国連合同エイズ計画(UNAIDS)が発表。ただし、女性にとって15-24歳は極めて危険な年齢
UNAIDSの新たな報告書は、人間はそれぞれの年齢で、HIV感染に対し脆弱になる傾向があると指摘。すべての人を対象に人生の各段階に応じた解決策を見出すライフサイクル・アプローチを呼びかけている
ウィントフック/ジュネーブ 2016.11.21 ― UNAIDSの新たな報告書は、多くの国が高速対応を進めており、半年間(2016年1~6月)で新たに100万人が抗レトロウイルス治療へのアクセスを得ていることを明らかにした。延命効果の高い抗レトロウイルス治療を受けている人の数は5年前に比べると2倍に増加し、2016年6月時点で、子ども91万人を含む1820万人[1610万―1900万人]に達している。こうした努力が継続、強化されれば、世界は2020年までに3000万人が治療を受けられるようにするという高速対応を達成できるようになる。
報告書『高速軌道に乗る:HIVに対するライフサイクル・アプローチ』が本日、ナミビアのウィントフックで、ハーゲ・ガインゴブ同国大統領およびUNAIDSのミシェル・シディベ事務局長により発表された。「2年前に抗レトロウイルスへのアクセスを得ている人は1500万人だったが、現在は1800万人を超えています。子どもの新規HIV感染も減少を続けています」とガインゴブ大統領は語った。「いまこそ私たちは、ナミビアで、アフリカで、そして世界中で、2030年のエイズ流行終結に向けて高速対応を進めていかなければならないのです」
報告書にはHIVの流行の複雑さに関する詳細なデータも含まれており、少女から女性への移行期が、非常に危険な時期であること、とりわけサハラ以南のアフリカではその傾向が強いことが明らかにされている。「若い女性は三重の脅威に直面している」とシディベ事務局長は述べた。「HIV感染の高いリスクにさらされ、HIV検査を受けている人の割合は低く、治療の継続もなかなかできていないのです。世界は若い女性を失いつつあります。緊急に行動しなければなりません」
若い女性のエイズ流行終結の鍵を握るのはHIV予防であり、HIV感染のサイクルを断ち切る必要がある。南アフリカの最新のデータによると、若い女性は大人の男性からHIVに感染している。一方で男性がHIVに感染するのは大人への移行期よりもっとずっと後のことであり、その後も新規感染のサイクルが継続することになる。
報告書はまた、治療の延命効果があがっていることも明らかにしている。2015年には50歳以上のHIV陽性者数は580万人と過去最高になっている。治療の普及目標が達成できれば、2020年には850万人に達するだろうと報告書は指摘する。ただし、HIV陽性の中高年齢者は慢性疾患のリスクが最大5倍も高く、長期にわたる保健医療コストに対応するには包括的戦略が必要になる。
報告書は、薬剤耐性のリスクと第2、第3選択薬のコスト削減の必要性についても警告している。また、HIV陽性者の主要な死亡・疾病原因を引き下げるために、結核(TB)、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と子宮頸がん、C型肝炎対策プログラムとの相乗効果を高める必要性も強調している。2015年にはエイズ関連の疾病で死亡した110万人のうち44万人が結核で死亡している。その中には子ども4万人も含まれている。
「私たちは目覚ましい成果を上げてきましたとりわけ治療においては目覚ましいのですが、同時にそれは壊れやすい成功でもあります」とシディベ事務局長はいう。「新たな脅威が出現しているのです。いま行動しなければ、流行が再燃し、耐性ウイルスが広がるリスクがあります。結核で経験してきたことです。同じ過ちを再びおかすことはできません」
『高速軌道に乗る:HIVに対するライフサイクル・アプローチ』はHIV感染の高いリスクにさらされている人たち、流行の打撃を大きく受けている地域の人たちが、HIV新規感染への扉を開き、エイズ関連の病気で死亡するリスクが増しているまさにその肝腎な時期に、HIVサービスのアクセスを得られないまま放置されている状況を概括している。また、ライフサイクルを通して、必要なHIVプログラムが得られないことのギャップとそれに対応するためのアプローチを検証し、人生の各段階において、それぞれにあわせたHIV予防と治療を提供するための解決策を示している。
「エイズ流行終結には、私たちが手を取りあい、クリエーティブに、そして積極的に90-90-90ターゲットを達成できるよう互いにできることを実行していく必要があります。そうでなければ、実現できません」と、ナミビア女性保健ネットワークで若者の経済自立プロジェクトを担当するユーニス・マケナ・ヘングバさんは語った。
誕生時
2015年には、母子感染予防のためのHIV治療薬へのアクセスは世界全体で77%に増えている(2010年には50%だった)。その結果、子どもの新規HIV感染は2010年と比べると51%減少している。
報告書によると、2015年にHIVに感染した子ども15万人の約半数は母乳を通じて感染している。母乳による感染はHIV陽性の母親が継続して抗レトロウイルス薬を服薬するための支援を受けることで避けられることを報告書は強調する。お母さんは母乳で安全に赤ちゃんを育てられるし、赤ちゃんは母乳から得られる重要な保護的機能も享受できるようになるのだ。
検査の普及も依然として大きな課題である。報告書によると、生後1週間以内にHIVに感染の恐れのある赤ちゃんの半数以上に検査を提供できている国は、アフリカの優先対策国21カ国のうち、わずか4カ国しかない。また、世界の子どもの新規HIV感染の4分の1以上を占めるナイジェリアでは、HIV陽性の妊婦の半数しかHIV検査を受けていないことも報告書は明らかにしている。
『高速軌道に乗る:HIVに対するライフサイクル・アプローチ』は、HIV陽性の妊婦へのHIV検査をさらに拡大すること、子どもへの治療を拡大すること、最新診断ツールによる新生児の早期診断を改善・拡大すること、ショート・メッセージ・サービス(SMS)による確認送信などの革新的手段によりHIV陽性の母親と赤ちゃんのケアを継続して確保することなどに向けて、一層の努力が必要だと強調している。
報告書はまた、子ども、10代の少年少女、若い女性の新規HIV感染を減らし、HIVに感染した場合には生涯にわたり抗レトロウイルス治療を受けられるようにするために、UNAIDSと米大統領エイズ救済緊急計画(PEPFAR)が提唱するスタートフリー、スティフリー、エイズフリー目標を各国に推奨している。
若者
報告書は若い女性にとって、15歳から24歳が信じがたいほど危険な時期であることを明らかにしている。2015年には週平均約7500人の若い女性がHIVに感染している。東部および南部アフリカの6地点で行った研究のデータによると、南部アフリカでは10~19歳の年齢層の新規HIV感染の90%は15~19歳の少女で占められている。東部アフリカでも74%以上だった。
世界全体では、2010年から2015年の間に15~24歳の若い女性の新規HIV感染は42万人から39万人へと6%の減少だった。2020年までに10代の少女・若い女性の新規HIV感染を年間10万人以下にするという目標を達成するには、2016年から2020年までの4年の間に74%の減少を果たさなければならない。
HIVに感染して生まれ、生き残った子どもの多くが成人になろうとしている。2015年に25カ国で行った調査では、15歳~19歳の若いHIV陽性者の40%が母子感染でHIVに感染している。この移行は、10代の若者の間でエイズ関連の死亡が増加するというもう一つの大きな課題を示すことにもなる。HIV陽性の若者は、服薬の継続率が低く、治療失敗率が高いのだ。
この問題を解決するには、若者に特有のニーズに対応する必要がある。HIV予防の努力を強化し、少年少女が学校に通い続けられるようにし、HIV検査と自発的男性器包皮切除、曝露前予防服薬(PrEP)、感染判明時の抗レトロウイルス治療即時開始を増やすなど幅広い対応が必要になる。
キーポピュレーション
2014年には世界の新規HIV感染の推定45%が、キーポピュレーションのメンバーおよびその性パートナーだった。報告書は、キーポピュレーションの新規HIV感染は依然、増加を続けていると警告している。2010年から2015年の間の感染増加率は注射薬物使用者で36%、ゲイ男性および他の男性とセックスをする男性で12%であり、セックスワーカーおよびトランスジェンダーの人びとの新規感染も減少はしていない。
キーポピュレーションの生涯にわたり、それぞれの特有のニーズに対応できるようなかたちでHIV予防と治療のプログラムを提供することが極めて重要だと報告書は指摘している;ただし、キーポピュレーションのためのHIVプログラムに対する資金レベルは必要額に遠く及ばないままだ。とりわけ各国の国内資金は不足している。
成人
2016年7月に出されたHIV予防ギャップ報告書で、UNAIDSは成人に対するHIV感染予防対策が有効に機能しておらず、成人の新規HIV感染が少なくともこの5年間、減っていないと警告した。『高速軌道に乗る:HIVに対するライフサイクル・アプローチ』は、西部および中部アフリカのHIV対策がうまくいっていないことに懸念を表明している。この地域のHIV陽性者数は世界全体の18%だが、治療へのアクセスが十分でないことからエイズ関連の年間死者数は世界全体の30%を占めている。
報告書は成人男性のHIV感染と治療に新たな光をあてている。男性は女性に比べると自らのHIV感染について知っている割合が大幅に低く、治療へのアクセスも少ない。南アフリカのクワズル-ナタル州における調査の一つは、自らのHIV感染の有無を知っている男性は26%で、治療へのアクセスがあるのはわずか5%、そしてHIV陽性者のウイルス量が極めて高く、他の人に感染しやすい状態にあることを報告している。
中高年齢期
報告書は抗レトロウイルス治療によりHIV陽性者が以前より長く生きられるようになっていることを明らかにしている。2015年には成人(15歳以上)のHIV陽性者の17%が50歳以上で占められている。高所得国では、HIV陽性者の31%が50歳以上だ。
『高速軌道に乗る:HIVに対するライフサイクル・アプローチ』によると、低-中所得国では50歳以上の新規HIV感染者が毎年約10万人に達しており、中高年齢者をHIV予防と治療のプログラムに組み込む必要があることを確認している。
HIV陽性者も年をとれば、HIV治療による長期的な副作用や薬剤耐性ウイルスのリスクが出てくるかもしれないし、結核やC型肝炎などの重感染症の治療が必要になることもある。重感染症の治療と抗レトロウイルス治療の相互の影響を考えなければならないこともあるだろう。より簡潔で負担の少ないHIVおよび重感染症の治療の開発やHIVワクチン、完治療法への研究と投資の継続も必要だ。
すべての人のそれぞれのライフステージにあわせた解決策を探る
最もサービスを必要としている地域や集団を重視する地域・集団アプローチを活用しつつ、エビデンスに配慮した、効果の高いプログラムを実現するために、報告書はライフサイクルを通じてさまざまな対応ができる賢明な投資を行わなければならないと結論づけている。
そして、公衆衛生上の脅威としてのエイズ流行終結を2030年に実現し、将来の世代がHIVから自由になることを目指すために、いまHIV予防、検査、治療の高速対応に取り組むことを各国に強く求めている。
世界のエイズ流行概要2015/*2016
(2016年は6月時点で治療を受けているHIV陽性者数。他は2015年末現在)
HIV陽性者数
合計 3670万人[3400万~3980万人]
成人 3490万人[3240万~3790万人]
女性 1780万人〔1640万~1940万人〕
子ども(15歳未満) 180万人[150万~200万人]
HIV新規感染者数
合計 210万人[180万~240万人]
成人 190万人[170万~220万人]
子ども(15歳未満)15万人[11万~19万人]
年間のエイズ関連の死者
合計 110万人[94万~130万人]
成人 100万人[84万~120万人]
子ども(15歳未満) 11万人[8万4000~13万人]
治療を受けているHIV陽性者数
合計 1820万人[1610万~1900万人] 2016年6月現在
UNAIDS announces 18.2 million people on antiretroviral therapy, but warns that 15–24 years of age is a highly dangerous time for young women
New UNAIDS report shows that people are particularly vulnerable to HIV at certain points in their lives and calls for a life-cycle approach to find solutions for everyone at every stage of life
WINDHOEK/GENEVA, 21 November 2016—A new report by UNAIDS shows that countries are getting on the Fast-Track, with an additional one million people accessing treatment in just six months (January to June 2016). By June 2016, around 18.2 million [16.1 million–19.0 million] people had access to the life-saving medicines, including 910 000 children, double the number five years earlier. If these efforts are sustained and increased, the world will be on track to achieve the target of 30 million people on treatment by 2020.
Get on the Fast-Track: the life-cycle approach to HIV was launched today in Windhoek, Namibia, by the President of Namibia, Hage Geingob and the Executive Director of UNAIDS, Michel Sidibé. “Just under two years ago, 15 million people were accessing antiretroviral treatment—today more than 18 million are on treatment and new HIV infections among children continue to fall,” said President Geingob. “Now, we must ensure that the world stays on the Fast-Track to end the AIDS epidemic by 2030 in Namibia, in Africa and across the world.”
The report contains detailed data on the complexities of HIV and reveals that girls’ transition to womanhood is a very dangerous time, particularly in sub-Saharan Africa. “Young women are facing a triple threat,” said Mr Sidibé. “They are at high risk of HIV infection, have low rates of HIV testing, and have poor adherence to treatment. The world is failing young women and we urgently need to do more.”
HIV prevention is key to ending the AIDS epidemic among young women and the cycle of HIV infection needs to be broken. Recent data from South-Africa shows that young women are acquiring HIV from adult men, while men acquire HIV much later in life after they transition into adulthood and continue the cycle of new infections.
The report also shows that the life-extending impact of treatment is working. In 2015, there were more people over the age of 50 living with HIV than ever before—5.8 million. The report highlights that if treatment targets are reached, that number is expected to soar to 8.5 million by 2020. Older people living with HIV, however, have up to five times the risk of chronic disease and a comprehensive strategy is needed to respond to increasing long-term health-care costs.
The report also warns of the risk of drug resistance and the need to reduce the costs of second- and third-line treatments. It also highlights the need for more synergies with tuberculosis (TB), human papillomavirus (HPV) and cervical cancer, and hepatitis C programmes in order to reduce the major causes of illness and death among people living with HIV. In 2015, 440 000 of the 1.1 million people who died from an AIDS-related illness died from TB, including 40 000 children.
“The progress we have made is remarkable, particularly around treatment, but it is also incredibly fragile,” said Mr Sidibé. “New threats are emerging and if we do not act now we risk resurgence and resistance. We have seen this with TB. We must not make the same mistakes again.”
Get on the Fast-Track: the life-cycle approach to HIV outlines that large numbers of people at higher-risk of HIV infection and people living in high-burden areas are being left without access to HIV services at critical points in their lives, opening the door to new HIV infections and increasing the risk of dying from AIDS-related illnesses. The report examines the gaps and approaches needed in HIV programming across the life cycle and offers tailored HIV prevention and treatment solutions for every stage of life.
"Ending AIDS is possible only if we join hands—by each doing what is within our scope, creatively and aggressively embracing the 90–90–90 targets," said Eunice Makena Henguva, Youth Economic Empowerment Project Officer for the Namibian Women's Health Network.
From birth
Globally, access to HIV medicines to prevent mother-to-child transmission of HIV has increased to 77% in 2015 (up from 50% in 2010). As a result, new HIV infections among children have declined by 51% since 2010.
The report highlights that of the 150 000 children who were newly infected with HIV in 2015, around half were infected through breastfeeding. It stresses that infection through breastfeeding can be avoided if mothers living with HIV are supported to continue taking antiretroviral medicines, allowing them to breastfeed safely and ensure that their children receive the important protective benefits of breastmilk.
Testing also remains a major issue. The report shows that only four of 21 priority countries in Africa provided HIV testing for more than half the babies exposed to HIV within their first weeks of life. It also shows that in Nigeria, which accounts for more than a quarter of all new HIV infections among children globally, only half of pregnant women living with HIV are tested for HIV.
Get on the Fast-Track: the life-cycle approach to HIV stresses that more efforts are needed to expand HIV testing for pregnant women, expand treatment for children and improve and expand early infant diagnosis by using new diagnostic tools and innovative methods, such as SMS reminders, to retain mothers living with HIV and their babies in care.
The report also encourages countries to adopt the targets of the Start Free, Stay Free, AIDS Free framework led by UNAIDS and the United States President’s Emergency Plan for AIDS Relief to reduce the number of new HIV infections among children, adolescents and young women, and ensure lifelong access to antiretroviral therapy if they are living with HIV.
Through adolescence
The report shows that the ages between 15 and 24 years are an incredibly dangerous time for young women. In 2015, around 7500 young women became newly infected with HIV every week. Data from studies in six locations within eastern and southern Africa reveal that in southern Africa girls aged between 15 and 19 years accounted for 90% of all new HIV infections among 10–19-year-olds, and more than 74% in eastern Africa.
Globally, between 2010 and 2015, the number of new HIV infections among young women aged between 15 and 24 years was reduced by just 6%, from 420 000 to 390 000. To reach the target of less than 100 000 new HIV infections among adolescent girls and young women by 2020 will require a 74% reduction in the four years between 2016 and 2020.
Many children who were born with HIV and survived are now entering adulthood. Studies from 25 countries in 2015 show that 40% of young people aged between 15 and 19 years became infected through mother-to-child transmission of HIV. This transition is also magnifying another major challenge—high numbers of AIDS-related deaths among adolescents. Adolescents living with HIV have the highest rates of poor medication adherence and treatment failure.
A range of solutions are needed to respond to the specific needs of adolescents, including increased HIV prevention efforts, keeping girls and boys in school, increasing HIV testing and voluntary medical male circumcision, pre-exposure prophylaxis and immediate access to antiretroviral therapy.
Key populations
In 2014, an estimated 45% of all new HIV infections globally were among members of key populations and their sexual partners. The report warns that new HIV infections are continuing to rise among people who inject drugs (by 36% from 2010 to 2015) and among gay men and other men who have sex with men (by 12% from 2010 to 2015) and are not declining among sex workers or transgender people.
The report outlines the critical need to reach key populations with HIV prevention and treatment programmes that meet their specific needs throughout their lives; however, total funding levels are far below what is needed for HIV programmes to reach key populations, particularly funding from domestic sources.
Adulthood
In July 2016, in the HIV prevention gap report, UNAIDS warned that HIV prevention efforts are not working for adults and that new HIV infections among adults have failed to decline for at least five years. Get on the Fast-Track: the life-cycle approach to HIV cites concerns that western and central Africa is off-track in responding to HIV. The region accounts for 18% of people living with HIV, but a serious lack of access to treatment means that the region accounts for 30% of all AIDS-related deaths globally.
The report sheds new light on HIV infection and treatment among adult men, showing that men are much less likely to know their HIV status and access treatment than women. One study in KwaZulu-Natal, South Africa, showed that just 26% of men were aware of their HIV status, only 5% were on treatment and that the viral load among men living with HIV was extremely high, making onward transmission of the virus much more likely.
Into later life
The report shows that antiretroviral therapy is allowing people living with HIV to live longer. In 2015, people more than 50 years old accounted for around 17% of the adult population (15 years and older) living with HIV. In high-income countries, 31% of people living with HIV were over the age of 50 years.
Get on the Fast-Track: the life-cycle approach also shows that around 100 000 people in low- and middle-income countries aged 50 years and over are estimated to newly acquire HIV every year, confirming the need to include older people in HIV prevention, as well as treatment, programming.
As people living with HIV grow older, they are also at risk of developing long-term side-effects from HIV treatment, developing drug resistance and requiring treatment of co-morbidities, such as TB and hepatitis C, which can also interact with antiretroviral therapy. Continued research and investment is needed to discover simpler, more tolerable treatments for HIV and co-morbidities and to discover an HIV vaccine and cure.
Finding solutions for everyone at every stage of life
The report concludes that investments must be made wisely across the life cycle, using a location–population approach to ensure that evidence-informed, high-impact programmes are available in the geographical areas and among the populations in greatest need.
It strongly urges countries to continue to Fast-Track HIV prevention, testing and treatment in order to end the AIDS epidemic as a public health threat by 2030 and ensure that future generations are free from HIV.
Global summary of the AIDS epidemic in 2015/*2016
Number of people living with HIV
Total 36.7 million [34.0 million–39.8 million]
Adults 34.9 million [32.4 million–37.9 million]
Women 17.8 million [16.4 million–19.4 million]
Children (<15 years) 1.8 million [1.5 million–2.0 million]
Number of people newly infected with HIV
Total 2.1 million [1.8 million–2.4 million]
Adults 1.9 million [1.7 million–2.2 million]
Children (<15 years) 150 000 [110 000–190 000]
AIDS-related deaths
Total 1.1 million [940 000–1.3 million]
Adults 1.0 million [840 000–1.2 million]
Children (<15 years) 110 000 [84 000–130 000]
Number of people on HIV treatment
Total *18.2 million [16.1 million–19.0 million] June 2016