G7伊勢志摩首脳宣言 保健部分4  強固な保健システム及び危機へのより良い備えを有するUHCの達成

強固な保健システム及び危機へのより良い備えを有するUHCの達成

 我々は,誰一人取り残さないとの原則に基づき,UHCの達成を加速化することの重要性を認識し,特に途上国において,保健システムを強化し,より強じん,包摂的,費用負担可能,持続可能,かつ,公平なものとするため,我々の支援及び協調を強化することに対するコミットメントを改めて表明する。この目的のため,我々は,特定の疾病に関する取組を含め,関係する全てのステークホルダー及び様々な国際的な場/国際的イニシアティブの取組及び知見を調整するための国際的枠組みの強化の必要性を強調する。この関連で,我々は,国際保健パートナーシップ・プラス(IHP+)の原則の確保を追求し,かつ,「健康なシステム,健康な暮らしに関するロードマップ」などのイニシアティブによって支援される「UHC2030」の設立を支持する。我々はまた,分野横断的にUHCに向けた取組を促進し,及び触媒するための特使を指名することにつき,国連事務総長との意見交換を期待する。我々は,IHRコア能力の強化を含め,公衆衛生上上の緊急事態の予防及び備えの向上が,保健システム強化に関する取組の一部となることが期待されていることを確認する。

 

 その一方で,我々はまた,保健システムが特にぜい弱な低所得国(LICs)及び低中所得国(LMICs)における保健システム強化の喫緊の必要性を考慮し,WHOを含む関係するパートナーとの協働により,各国の主導による保健システム強化を支援することにコミットしている。この関連で,我々は,WHO及び他の関連する国際機関との連携の必要性を強調しつつ,アフリカにおいてUHCを促進する世界銀行の取組を歓迎する。我々は,グローバル・ファンド(GF)などとのパートナーシップにより,エイズ結核及びマラリアを終息させることにコミットしている。この目的のため,我々は,9月のモントリオールでのGF増資会合の機会を捉え,GFの第

5次増資の成功を完全に支持するとともに,伝統的な及び新たなドナーに対し,増資を支援するよう求める。

 

 UHCの促進はまた,全ての個人の生涯を通じて健康を守り,改善するためのサービスの提供を必要とする。我々は,そのような取組の一環として,急速な人口動態の変化に伴って緊急の対応が必要とされる分野に集中しつつ,性と生殖に関する健康と権利及びサービス,予防接種,より良い栄養並びに緊急事態及び災害におけるニーズに応じた対応へのアクセスを提供するための取組によることを含め,女性及び女児,青年並びに子供の健康を促進することを引き続き主導する。この観点から,我々は,「エブリ・ウーマン,エブリ・チャイルド」を支援するグローバル・ファイナンシング・ファシリティ,Gaviワクチン・アライアンス及び「女性,子供及び青少年の健康のための世界戦略」などのプラットフォームを歓迎するとともに,ポリオ撲滅のための目標達成への我々の継続したコミットメントを再確認する。我々はまた,高齢者にやさしいコミュニティを促進すること及びコミュニティが認知症にやさしいものとなることへの支援を含む多分野にわたるアプローチを通じ,一方の性に特有の側面にしかるべく配慮しつつ,活動的な高齢化を促進することにコミットする。この目的のため,我々は,本年日本で開催される活動的な高齢化に関するフォーラムを通じて行うことを含め,知識及び経験を共有し,並びに途上国を奨励する。我々は,革新的な研究開発のための前向きな環境を促進すること,医薬品及び医療へのアクセスを奨励すること並びに保健システムの持続可能性を確保することという立ち上る課題を認識する。また,我々は,これらの問題について,各国の特別な状況,優先事項及び保健システム設計を認識しつつ,次回のG7保健大臣会合の機会において行われる意見交換を歓迎する。