東京エイズウィークス2017

 第31回日本エイズ学会と時期を合わせ3日間の集中イベントを開催するTOKYO AIDS WEEKS 2017TAW東京エイズウィークス)が、来場者対応などイベントを手伝うボランティアスタッフを募集しています。TAW2017の趣旨に賛同し、ボランティアに興味がある18歳以上の方であれば、だれでも参加できます。申し込み方法など詳細はは下記サイトでご覧ください。

aidsweeks.tokyo

 

活動時間

1124()18:00-22:00

1125()9:00-19:00

1126()9:00-22:00

 ・全日程でなく部分的な参加でも大丈夫です。

事前準備等のため、上記以外の時間帯にも対応可能な方に別途、依頼する場合があります。

 

 会場は東京・中野区の中野区産業振興センター、なかのZERO(小ホール)です。中野駅南口から徒歩少々。エイズ学会会場の中野サンプラザとは、JR中野駅をはさんで対角の位置ですね。

費用は、会場までの交通費・当日の食事代を含め全て自己負担です。

 

【事前説明会】 以下の日程で事前説明会が行われます。

20171026日(木)19時〜

20171030日(月)19時〜

2017113日(金・祝)17時〜

事前説明会の会場はコミュニティセンターaktaです。

(東京都新宿区新宿2-15-13第二中江ビル301

 

グローバルファンドのヴェインロクス事務局長代行と國井局長が記者会見 エイズと社会ウェブ版299 

 世界エイズ結核マラリア対策基金(グローバルファンド)のマライケ・ヴェインロクス事務局長代行と國井修 戦略・投資・効果局長が17日夕、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見を行いました。

 グローバルファンドの事務局長は5月末にマーク・ダイブル氏が退任した後、空席になっています。本来なら2月か3月には後任が決まるはずだったのですが、理事会で適任者を選ぶことができず、現在は選任プロセスをやり直しているところです。したがって、新事務局長が決まって、就任するまでの間はヴェインロクス官房長が事務局長代行となっています。また、國井さんはその事務局長代行に次ぐ地位にあり、グローバルファンドをより効果の高い組織にするため辣腕をふるっている方なので、会見は現時点のグローバルファンド事務局の実質No1No2の要職にあるお二人からそろってお話をうかがう貴重な機会となりました。

 会見の冒頭では、お二人からグローバルファンドへの投資はなぜ重要なのかというプレゼンテーションがありました。

 2000年に日本で九州沖縄サミットが開かれた当時は、結核マラリアHIV感染症という三大感染症により世界で年間500万人から600万人が亡くなっていました。働き盛りの年齢層が相次いで病に倒れ、さまざまな社会のシステムが崩壊の危機に追い込まれつつあった国も少なくないという状態でした。ヴェインロクスさんも國井さんもアフリカの医療の現場で活動をしていた経験がおありですが、いくつかの国の病院では、病棟に患者があふれ、一つのベッドを二人で使っていたり、それでもベッドが足りなくて床で寝ていたりといった状況が続いていたそうです。

 このままでは、とても対応できない、国がどうなっちゃうかも分からないという危機的状況を脱すべく、九州沖縄サミットでは議長国の日本が感染症を重要議題として取り上げ、しかも安全保障の大きな課題であることを強調した。それがきっかけとなり、2002年に国際的な官民共同プロジェクトとしてグローバルファンドが創設されました。

 日本の皆さんはそのことを大いに誇りに思っていい。そう言われると、当時を知る記者の一人としても悪い気はしません。経緯を振り返ると、出合い頭のホームランというか、思いのほか当たっちゃったという側面もあり、ご当地における記者会見なので、少しおまけつきの評価という気もしますが、大筋としては間違いではありません。

 そのようにして生まれたグローバルファンドの過去15年の成果がいかに素晴らしいものだったか。この点についても当然、説明があったのですが、寄る年波といいますか、私のメモが追い付かず、ノートをひっくり返してみても判読困難な文字による断片的な記述しかありません。グローバルファンド日本委員会(FGFJ)のサイトに2017年成果報告書が紹介されているので、そちらをご覧ください。ほぼ同内容です。

 http://fgfj.jcie.or.jp/topics/2017-09-14_gf_results

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   図表出典:グローバルファンド(FGFJにて日本語加筆)

 

 全体をまるめて要約すると『2002年の設立から2016年末までの15年間に2200万人の命を救うことができたとの推計を発表しました。これは、グローバルファンドを通じた各国政府、国際機関、企業、市民社会感染症の当事者などの協働により、確実に成果が出ていることを示しています』ということになります。

会見では、官民共同プロジェクトであるグローバルファンドの原則として「透明性」「パートナーシップ(協力)」「結果重視」の3点が強調されてもいました。そして、真ん中のパートナーシップの触媒役を果たすのがグローバルファンドの役割です。

現状については、個別疾病としての三大感染症の流行が何とか危機状態を切り抜け、2016年からスタートした持続可能な開発目標(SDGs)体制下では「感染症の終焉」を目指すフェイズに入ろうとしているということで、その終焉(end)に関する説明もありました。

「根絶ではなく、排除」。つまり疾病としては存在しているけれど、公衆衛生上の脅威ではなくなる。その状態をもって「終焉」とみなそうということです。具体的には2030年段階で現状より流行を9095%縮小させることを目指しています。そのために、現在のグローバルファンドの投資総額のほぼ3割は、流行に深刻な影響を受けている国に対する保健基盤の強化にあてられているそうです。

じゃあ、実際にその排除としての終焉は実現できるのかどうか。実は、これまでの15年間の成果は大きかったけれど、endにはまだまだ道は遠いという状況です。保健基盤強化を中心にここで一層のパートナーシップの充実をはかり、それぞれの国が自らの資金で流行を終焉に導けるところまで行くには、一層の努力とパートナーシップへの理解が必要となります。

目覚ましい成果を生み出すきっかけを作った日本の皆さんは、そのことを大いに誇っていいと強調したことの真意はつまり、これからもその誇りに恥じないようによろしくということでしょうね。もちろん恥じたいとは思っていません。

最初に書いた次期事務局長の選任についても質問はしたのですが、理事会が決めることなのでと、あっさりかわされてしまいました。来週中に理事会で候補を数人にしぼり、11月中旬には最終決定に至るだろうということです。

 

改めてEnding the AIDS epidemicとは UNAIDSが公式サイトをリニューアル エイズと社会ウェブ版298

 先ほどアクセスして初めて気が付いたのですが、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の公式サイトがリニューアルされていました。

 

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www.unaids.org

 

 トップページには「our goal(私たちの目標)」として、Ending the AIDS epidemic by 20302030年のエイズ流行終結が掲げられています。その下の文章も訳しておきましょう。

UNAIDSは新規HIV感染を止めること、HIV陽性の誰もがHIV治療へのアクセスを保証されること、人権を擁護、促進すること、意思決定のためのデータを作成することに取り組んでいます』

UNAIDS is working towards stopping new HIV infections, ensuring that everyone living with HIV has access to HIV treatment, protecting and promoting human rights and producing data for decision-making.

 

 もうちょっと滑らかにならないかなあ。こんな感じでしょうか。

 

 『新たなHIV感染を防ぎ、HIVに感染している人は誰でも治療を受けられるようにし、人権を擁護、尊重します。また、そのために適切な判断ができるようデータを整えていきます』

 

 ちなみにAIDS BY THE NUMBERSとして2016年現在の以下の3つの人数も掲げられています。

 世界のHIV陽性者数 3670

 抗レトロウイルス治療を受けているHIV陽性者数 1950

 年間のHIV新規感染者数 180

 

 しつこいようですが、いま国際社会が共通目標としている『Ending the AIDS epidemic』はHIVに感染している人がいない世界ではなく、HIV陽性者を排除する社会(そんなこと言いだしたら自ずと失速してしまいそうですね)でもなく、新規感染の予防に力を入れつつ、同時にHIV陽性者が安心して治療を受け、生活していける社会です。予防と支援は対立する概念ではありません。

 2030年段階で年間の新規感染者数をゼロにすることが目標になっているわけではなく、世界全体で20万人以下に抑えることが目標です。2016年段階の9分の1以下ですから、実現には相当な困難が予想されています。無理だと断言する研究者もいます。

 それでも野心的な目標を掲げ、可能な限りその実現に向けて努力することの意味は小さくありません。

 ただし、ではどうすればそれが可能になるのか。そして、その努力のあり方はどのようにあってほしいかという点では、かなり議論が錯綜しています。一筋縄ではいかない世界の中にあって、HIV/エイズ対策だけが一筋縄でいくわけがありません。

 というわけで、この機会にもう一度、世界HIV陽性者ネットワーク(GNP+)のローレル・スプレイグ事務局長が世界HIV予防連合の創設会合で行ったスピーチを思い出してください。つい先日、当ブログでも取り上げたばかりですが、「そういうことか」と納得がいく指摘がいくつかあります。

 『HIV陽性者はなぜ予防に取り組むのか ローレル・スプレイグGNP+事務局長演説から』

http://miyatak.hatenablog.com/entry/2017/10/13/110440

 

 

第31回日本エイズ学会記者会見『エイズ対策最前線  PrEPって何?』

 第31回日本エイズ学会学術集会・総会の生島嗣会長(特定非営利活動法人ぷれいす東京代表)と日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラスの高久陽介代表の記者会見が111日(水)午後2時から東京・内幸町の日本記者クラブで開かれます。記者会見案内はこちらをご覧ください。HIV/エイズ取材にあたる報道関係者だけでなく、NGO/NPOや保健、医療機関、民間企業などで保健政策やエイズ対策に関心をお持ちの方もご参加いただけます。 

www.jnpc.or.jp

 『もともとは医学者中心の組織であったエイズ学会が大きく進化を遂げ、今回の生島さんのように、HIV陽性者支援や予防啓発にあたるNPOの中心的指導者が学術集会の会長を務めることも、今学会のきわめて重要な注目点となっています』

     ◇

 第31回日本エイズ学会学術集会・総会は1124日(金)から3日間、東京都中野区の中野サンプラザを主会場に開催されます。また、学会会期中の3日間は「東京エイズウィークス」の関連イベントが学会会場から徒歩圏内の2会場で集中的に開催されます。高久さんはその東京エイズウィークスの事務局を担当されています。

 

 第31回学会の公式サイトはこちらでご覧ください。

aids31.ptokyo.org

 

 東京エイズウィークスの公式サイトはこちらです。 

aidsweeks.tokyo

 

どうしてオリンピックなのか エイズと社会ウェブ版298

 掲載時期がたまたま総選挙の真っ最中になってしまいました。意図したわけではありませんが、現代性教育研究ジャーナルの連載コラム One Side/No side7回目《「アジェンダ2020」に向けて》は東京五輪関連の話題です。

《前回も紹介した79日の『性的マイノリティとトイレフォーラム~安心快適のトイレ環境を目指して~』では、企業がいまトイレ環境の改善に熱心な理由として「2020年の東京オリンピックパラリンピック開催」に言及する場面が何度かあった》

どうしてなのか・・・ということで、調べてみると話は201412月のオリンピック憲章改正にさかのぼり、さらにその年の2月にロシアで開かれたソチ冬季五輪も関係してきます・・・、おっと、詳しくはコラムをご覧ください。

日本性教育協会の公式サイトで現代性教育研究ジャーナルNo7920171015日発行)のPDF版がダウンロードできます。

www.jase.faje.or.jp

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  コラムのタイトルに出てくる「アジェンダ2020」は『オリンピック運動の将来に向けた戦略的工程表』で、2014年のIOC総会でオリンピック憲章の改定と合わせて採択されています。

 「20+20の計40項目」からなる提言なので「アジェンダ2020」と名付けられたようなのですが、日本の五輪関係者には、どうしても「2020までに」という心理的なプレッシャーがかかってくるのでしょうね。ま、感じない人もいるかもしれないけど・・・という話を始めると、選挙の行方にも微妙にかかわってくるかもしれないので、本日の前口上はこのあたりにしておきましょう。

 

HIV陽性者はなぜ予防に取り組むのか ローレル・スプレイグGNP+事務局長演説から エイズと社会ウェブ版297

 世界HIV予防連合の創設会合については先日、国連合同エイズ計画(UNAIDS)と国連人口基金UNFPA)のプレスリリースの日本語仮訳で少し紹介しました。

 その創設会合には、世界HIV陽性者ネットワーク(GNP+)も参加し、ローレル・スプレイグ事務局長が演説を行っています。

www.gnpplus.net

GNP+公式サイトに掲載された演説原稿については、日本語仮訳(ほぼ全文)を作成し、エイズソサエティ研究会議HATプロジェクトのブログに乗せてあります。詳しくはそちらをご覧いただくとして、ここでは演説の一部を紹介しつつ、私の感想も少し述べておきます。

 

 2020年までにHIVの新規HIV感染を世界全体で年間50万件以下に抑えることは、現在の国際社会の共通目標になっています。もう少し厳密にいうと、国際社会の共通目標である「公衆衛生上の脅威としてのエイズ流行終結」を2030年に実現するには、その中間目標として2020年までに90-90-90ターゲットを達成する必要がある。

 つまり、『HIVに感染している人の90%が自らの感染を知り、そのうちの90%は治療を開始し、さらに治療を受けている人の90%が体内のウイルス量を低く抑えられる状態を目指す』というターゲットです。

 このターゲットが達成できれば、年間の新規感染は世界全体で50万人以下に減るというのが国連の試算なのですが、最近は「どうも減少のペースがはかばかしくありませんね」ということを認めざるを得ない状況になっています。

 締め切りの2020年末まであと3年ちょっと。世界HIV予防連合は何とか現状を打開すべく、UNAIDSUNFPAという二つの国連機関の事務局長が共同議長となり、国連加盟国や市民社会組織、国際組織などが参加した連合体ということで、HIV陽性者の国際的ネットワークである世界HIV陽性者ネットワーク(GNP+)もメンバーに加わっています。

 でも、HIV陽性者は予防とはあまり関係ないんじゃないの?そうした疑問はGNP+にもよく寄せられるのでしょうか。ローレル・スプレイグ事務局長は『HIV予防において、HIV陽性者が担える役割は、2つの重要なメッセージを明確に伝えることです』と述べています。

『第一は、HIV検査で陽性となったとしても、大丈夫です。二番目のメッセージは、HIVに感染している状態は生涯にわたって続き、生活はHIVに感染していない方が はるかに 楽だということです』

 そして、検査でHIV陽性と分かった人には『あなたが生き残るために必要なものはすべて、いま、この世界にあるのです』と呼びかけています。

 さらにスプレイグ事務局長は『この二つのメッセージ あなたは大丈夫です、でもHIVには感染していない方がいいでしょう はしばしば、矛盾しているように受け止められることがありますが、そうではありません』として次のように述べています。

 『HIV予防については、人びと脅すようなメッセージが使われることがあまりにもしばしばありました。HIV陽性者はまるで悪魔であるかのように描かれるのです。こんなやり方ではうまくいくわけがありません。医学的な理由であれ、社会的な偏見のためであれ、HIV検査の結果を恐れるようになればなるほど、感染を心配する人は検査を受けようとしなくなります。安心してHIVについて語れること、HIV検査を受けること、そしてHIVに感染した状態で安心して生活できるようにすること、それらがすべて、HIVに感染しないでいることを容易にするのです』

 治療の進歩に伴って注目されるようになった『予防としての治療(T as P)』が成立するためにも『予防としての支援(S as P)』が必要です。こんなことは実は30年も前から指摘されていました。演説の中でスプレイグ事務局長も『HIV陽性者は常に、HIV予防対策の中心にいました。キーポピュレーションが主導する私たちのコミュニティがHIV予防を創造してきたのです』と指摘しています。

もちろん、HIV陽性者だけがその役割を担ってきたわけではありませんが、だからといって予防に関して果たしたHIV陽性者の役割は小さいということにはなりません。くわしくは、演説日本語仮訳を読んでいただくとして、もう一節だけ、仮訳から引用しておきます。

 『それでもなお、HIV陽性者は予防の議論の中では、失敗者として排除されることが、あまりにもしばしばあります。ここでわずかの時間でいいのですが、HIV陽性者を予防の失敗者として考えていなかったかどうか、皆さんの胸に問い直してください。そしてパートナーであり、同時に予防に関する知識が最も豊富な人として、私たちのことをもう一度、思い浮かべてください』

「もう、一節だけ」と書いたばかりなのに未練がましく恐縮ですが、さらに少し追加すると、HIV陽性者が本当に予防への関与を果たせるようにするには、次の3点が必要になるとしています。

1)    HIVに感染していることで人を非難しない。

2)    予防の権利を保障する国の能力について検証する。

3)    予防のための資金活用をコミュニティにまかせる。

HATプロジェクトの日本語仮訳はこちらでご覧ください。

http://asajp.at.webry.info/201710/article_3.html

 

『HIV予防2020ロードマップ ― 新規感染を75%減らすためのHIV予防対策推進』 プレスリリース

 2030年のエイズ流行終結に先行する中間目標として、国際社会は2020年にはHIVの新規感染を2010年時点より75%減らして、年間50万人以下にすることを目指しています。ただし、現状では成人の新規HIV感染の減少ペースは、そうした目標にはほど遠い状態であることから、国連合同エイズ計画(UNAIDS)と国連人口基金UNFPA)が1010日、予防対策推進のための新たなロードマップを発表しました。そのプレスリリースの日本語仮訳です。英文はこちらでご覧ください。 

www.unaids.org

 

 プレスリリースによると、ロードマップは10月10日にジュネーブで開かれた世界HIV予防連合の初会合で発表され『各国が直ちに着手し、段階的に進めていくべき10項目の具体的なアクションプランを示している』ということです。その中には、例えば以下のような項目が含まれています。

・常に最新の分析を行い最大の成果があがるようにする。

・ギャップを把握し対応策を迅速に広げていくためのガイダンス(手引き)を作る。

HIV予防に関する専門性を高め、ネットワークを広げるための研修を行う。

・若者やキーポピュレーションなど深刻な影響を受けている人たちとの連携を阻む法的、政策的な障壁に対応する。

 すいません(私が謝っても意味がないのですが)、これではあまり具体的という感じではありませんね。プレスリリースで短くまとめてしまうと、どうしてもこうなってしまうのかもしれません。

できれば、世界HIV予防連合の第1回会合で発表された英文報告書『HIV Prevention 2020 Road Map — Accelerating HIV prevention to reduce new infections by 75%』を見ていただいた方がよさそうです。PDF版がUNAIDSの公式サイトでダウンロードできます。

HIV Prevention 2020 Road Map — Accelerating HIV prevention to reduce new infections by 75% | UNAIDS

 

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HIV予防2020ロードマップ 新規感染を75%減らすためのHIV予防対策推進

世界HIV予防連合がスイスのジュネーブで第1回会合を開き、HIV予防対策の強化と継続のための方策をさぐる

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)・国連人口基金UNFPA)プレスリリース

 

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ジュネーブ 2017.10.10 公衆衛生上の脅威としてのエイズ終結に向けた世界的な努力の一環として、UNAIDS国連人口基金UNFPA)およびそのパートナーは、新規HIV感染を減らすための新たなロードマップを発表した。HIV予防2020ロードマップは世界HIV予防連合の第1回会合で明らかにされた。この連合はUNAIDSUNFPAの事務局長が議長となり、2020年までに新規HIV感染を75%減らすことを目指して国連加盟国、市民社会組織、国際組織などのパートナーが参加している。

 流行のピーク時に比べると、エイズ関連の死亡は50%減少しているものの、成人の新規感染の減少は遅れている。子供の新規感染が2010年より47%減少したのに対し、成人では11%にとどまっているのだ。

 「治療の普及拡大だけでエイズ終結させることはできません」とUNAIDSのミシェル・シディベ事務局長はいう。「HIV予防にもっと力を入れ、行動する必要があります。強いリーダーシップと投資の拡大、そしてすべての人、とりわけHIV感染の高いリスクにさらされている人たちが自らウイルスと闘えるようにするためのコミュニティの関与が求められているのです」

 UNFPAのナタリア・カネム事務局長は「思春期の少女が自らの健康を保つ権利を守れるようにする教育や機関、自立への支援が欠けているところは世界中のいたるところにあります。貧しい少女ほど、どこで、いつ、だれと結婚するか、妊娠をするかしないか、するならば、いつ、どれほどの頻度なのかを自ら決めることができない状態に置かれているのです」と語った。「こうした力がないことによって少女たちはHIV感染や性感染症、望まない妊娠に対し、極めて脆弱な立場に置かれています」

 2016年に採択された「エイズ終結に関する国連政治宣言」で、各国は2010年に年間220万人だった新規HIV感染者数を2020年までに75%減らし、年間50万人以下に抑えることを約束した。UNAIDSUNFPAとパートナーらが作成した新たなロードマップは、各国をこの重要なターゲットの達成軌道に乗せることになる。

 「私たちすべてにかかわる課題であることを認識するために、予防連合ができました」と世界HIV陽性者ネットワーク(GNP+)のローレル・スプレイグ事務局長は述べた。「HIV陽性者が心ない偏見や差別を受けることなく、健康を保って生きられるようにする、そしてHIV陽性ではない人がこれからもHIV陰性でいられるように支援の努力を惜しまないということです」

 HIV予防2020ロードマップは各国が直ちに着手し、段階的に進めていくべき10項目の具体的なアクションプランを示している。その中には以下のような項目が含まれている。

・常に最新の分析を行い最大の成果があがるようにする。

・ギャップを把握し対応策を迅速に広げていくためのガイダンス(手引き)を作る。

HIV予防に関する専門性を高め、ネットワークを広げるための研修を行う。

・若者やキーポピュレーションなど深刻な影響を受けている人たちとの連携を阻む法的、政策的な障壁に対応する。

 成果の達成を妨げる要因としては、政治のリーダーシップの不在、懲罰的法律の存在、若者が利用しやすいサービスの欠如、人道にかかわる事態のもとでの予防サービスの欠如などがあがっている。また、確実に責任をもってサービスを届けるための政策推進を促すコミュニティの重要性も強調している。

 ロードマップはさらに、資金の確保と配分に関する深刻なギャップも指摘している。UNAIDSの試算では、HIV予算の4分の1HIV予防プログラムに充てるべきだとしている;しかし、2016年のHIV予算では、予防対策費は10%未満の国が多く、国際的なドナーの資金でも予防に充てられたのは41に満たなかった。

 「UNAIDSは測定可能な成果を求めています」とシディベ事務局長は語る。「特別の配慮が必要な政治課題に対するリーダーシップ、そしてHIV予防プログラムに適切な資金を投入するためのリーダーシップが必要です」

新規HIV感染を75%減らすには、HIV検査と治療を組み合わせた予防対策の強化が求められる。効果的、効率的なプログラムの策定には、地域と集団に注目したアプローチ、HIVの高いリスクにさらされた人びとのニーズに対応し人を中心に考えるアプローチが極めて重要になる。

 思春期の少女と若い女性およびその性的パートナーと連絡を取る、キーポピュレーションに向けたコンビネーション予防プログラムを拡大する、コンドームに対する理解と使用を促進する、HIV予防のための自発的男性器包皮切除を拡大する、HIV感染の高いリスクにさらされている人たちが治療薬の予防投与を受けられるようにするといった様々な対策は、協調して進める必要がある。

 ロードマップは各国に対し、国のターゲットの設定など直ちに行動を開始するための100日プランを策定し、そのプランに対してどこまで成果が上げられたかを検証したうえで、予防プログラムの再検討を行って対策を修正していくことを推奨している。そうすることで、様々なパートナーがどのように貢献しているか、市民社会や開発パートナー、慈善団体、民間企業などがどのようなかたちで参画できるのかが把握できるようになる。こうしたターゲットを達成できれば、新規HIV感染の減少という成果は目に見えてあがり、それぞれの国がエイズ流行終結への道を確実に切り開いていけるようになるだろう。

HIV予防2020ロードマップはこちらで。

 http://www.unaids.org/en/resources/documents/2017/hiv-prevention-2020-road-map

 

 

 

 

 

 

HIV Prevention 2020 Road Map — Accelerating HIV prevention to reduce new infections by 75%

Global HIV Prevention Coalition holds first meeting in Geneva, Switzerland, to find ways to strengthen and sustain political commitment for HIV prevention  

  Press release

 

GENEVA, 10 October 2017—As part of global efforts to end AIDS as a public health threat, UNAIDS, the United Nations Population Fund (UNFPA) and partners have launched a new road map to reduce new HIV infections. The HIV prevention 2020 road map was launched at the first meeting of the Global HIV Prevention Coalition. The coalition is chaired by the Executive Directors of UNAIDS and UNFPA and brings together United Nations Member States, civil society, international organizations and other partners as part of efforts to reduce new HIV infections by 75% by 2020.

Despite progress in reducing AIDS-related deaths, which have fallen by nearly 50% since the peak of the epidemic, declines in new HIV infections among adults are lagging. While new HIV infections among children have fallen by 47% since 2010, new HIV infections among adults have declined by only 11%.

Scaling up treatment alone will not end AIDS,” said Michel Sidibé, Executive Director of UNAIDS. “We need more energy and action put into HIV prevention—stronger leadership, increased investment and community engagement to ensure that everyone, particularly people at higher risk of HIV, can protect themselves against the virus.”

In many places, lack of access to education, lack of agency and lack of autonomy over their own bodies keep adolescent girls from claiming their human rights. And the poorest girls have the least power to decide whether, when or whom to marry and whether, when or how often to become pregnant,” said UNFPA Executive Director Dr. Natalia Kanem. “This lack of power makes each one of these girls extremely vulnerable to HIV infection, sexually transmitted infections and unintended pregnancy.”

In 2016, in the United Nations Political Declaration on Ending AIDS, countries committed to reduce new HIV infections by 75%—from 2.2 million in 2010 to 500 000 in 2020. The new road map developed by UNAIDS, UNFPA and partners will put countries on the Fast-Track to achieve this important target.

The Coalition is here to recognize that we all matter,” said Laurel Sprague, Executive Director, The Global Network of People Living with HIV (GNP+). “That means doing the hard work to ensure that people living with HIV are able to stay healthy, alive, and free from soul-crushing prejudice and discrimination—and the hard work to make sure that everyone who is not HIV-positive has the support and resources they need to remain HIV negative.”

 

The HIV prevention 2020 road map contains a 10-point action plan that lays out immediate, concrete steps countries need to take to accelerate progress. Steps include conducting up-to-date analysis to assess where the opportunities are for maximum impact, developing guidance to identify gaps and actions for rapid scale-up, training to develop expertise in HIV prevention and on developing networks and addressing legal and policy barriers to reach the people most affected by HIV, including young people and key populations.

The road map identifies factors that have hindered progress, such as gaps in political leadership, punitive laws, a lack of services accessible to young people and a lack of HIV prevention services in humanitarian settings. It also highlights the importance of community engagement as advocates, to ensure service delivery and for accountability.

The road map also identifies serious gaps in funding and budget allocation—UNAIDS estimates that around one quarter of HIV budgets should be allocated to HIV prevention programmes; however, in 2016, many countries were spending less than 10% of their HIV budgets on prevention, and many international donors were spending less than a quarter.

 UNAIDS is urging commitment and leadership for measurable results,” said Mr Sidibé. “Leadership to address sensitive political issues and leadership in mobilizing adequate funding of HIV prevention programmes.”

To reduce new HIV infections by 75% will require an intensive focus on HIV prevention, combined with the scale-up of HIV testing and treatment. Taking a location–population-based approach to ensure effective and efficient planning and programming, and a people-centred approach that responds to the needs of people at higher risk of HIV, will be critical.

Concerted efforts will be needed to reach adolescent girls and young women and their male partners, to scale up combination HIV prevention programmes for key populations, to increase the availability and uptake of condoms, to expand voluntary medical male circumcision programmes for HIV prevention and to ensure that people at higher risk of HIV have access to preventative medicines.

The road map encourages countries to develop a 100-day plan for immediate actions, including setting national targets, reviewing the progress made against the plan after 100 days, reassessing their national prevention programmes and taking immediate remedial action. It outlines how different partners can contribute and includes actions for civil society, development partners, philanthropic institutions and the business community. By reaching these targets, progress in reducing new HIV infections should accelerate significantly, setting countries firmly on the path towards ending their AIDS epidemics.

 

HIV prevention 2020 road map

 http://www.unaids.org/en/resources/documents/2017/hiv-prevention-2020-road-map