国際セクシュアリティ教育ガイダンスを改定 エイズと社会ウェブ版321

 ユネスコが中心になってまとめたInternational Tchnical Guidance on Sexuality Education(国際セクシュアリティ教育ガイダンス)の改訂版が1月10日発表されました。私は国連合同エイズ計画(UNAIDS)の公式サイトに掲載されたFeature Story(特集記事)知ったのですが、同じ記事がUNESCO(国連教育科学文化機関)のサイトにも載っています。UNAIDSの方はおそらくその転載でしょうね。

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 「Sexuality Education」は日本語でどう訳すのか。個人的には「性教育」と訳してもいいのかなあと思うのですが、初版のガイダンスに関してはすでに『国際セクシュアリティ教育ガイダンス 教育・福祉・医療・保健現場で活かすために』(ユネスコ編)として日本語版が明石書店から出版されています。全文を訳すのはさぞかし大変だったのではないかと思いますが、こうした文書を日本語で読めるようにして共通理解を広げていく努力は大切です。

 ・・・というようなこともありまして、ここでは報告書のタイトルは『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』を採用させていただきます。

私のようなものが大部の報告書を日本語に訳すなどということは到底できませんが、Feature Storyに関しては仮訳を作成しました。この書き込みの後ろの方に載せてあります。その仮訳では報告書のタイトルにのみ「セクシャリティ教育」を使い、あとは「性教育」を訳語にあてるという方式をとっています。どちらも英文では「Sexuality Education」です。

前置きが長くてすいません。訳語ひとつでもお分かりのように、相変わらずの付け焼刃の知識ですが、この際ですから恥の意識はさらりと捨てて、ガイダンスについてもかなり及び腰(かつ厚顔無恥)の説明を付けておきましょう。

Feature Storyの書き出しにも『初版の発表からからほぼ10年を経て』とあるように、このガイダンスは2009年に発表されています。明石書店のサイトの「内容紹介」には次のように書かれています。

『本書は、セクシュアリティ教育に関わる世界の国々の専門家の研究と実践を踏まえて作成された手引き書である。性教育の基本課題と具体的な実践のポイントを明示し、その内容は性教育をすすめていくうえで世界のスタンダードとして位置づけられるものと言えよう』

ユネスコのオードレ・アズレ―事務局長がプレスリリースで「最新の科学的エビデンスに基づき、国際セクシュアリティ教育ガイダンスは、性教育を人権とジェンダーの平等という枠組みの中に位置づけることを再確認しました」とコメントしているように基本的な考え方は改訂版でも変わっていません。再確認(reaffirm)です。

では、どうして改定する必要があったの?という疑問は当然、出てきます。この点についてはFeature Storyの補足にもなるかと思い、改定ガイダンスの序章から『1.3 なぜ改定が必要なのか』というところだけ部分訳としてつけておきました。それをさらに圧縮して説明すれば以下の3点が主な理由でしょうか。

1 CSE(包括的性教育のこと)をこの10年近く進めてきた結果、世界各地で様々な教訓が得られているのでそれを生かしたい。

2 2030年を目標年とする15年間の持続可能な開発目標(SDGs)の中で、若い人たちへの性教育の重要性が教育、保健の両面から盛り込まれており、この際、CSE推進の勢いをさらにつけたい。

3 インターネットとソーシャルメディアの普及で性に関する情報はあふれるように流れており、その中には不正確なものも多いので、情報に対する評価や対応の基礎力を養う必要がある。

 

参考までに付け加えておくと、SDGsの目標3は保健、目標4が教育、そして目標5ジェンダーの平等です。セクシャリティ教育がそのすべてにまたがって重要であることは改めて指摘するまでもないでしょう。

ところで、先ほどの明石書店のサイトを見ると、『国際セクシュアリティ教育ガイダンス 教育・福祉・医療・保健現場で活かすために』(ユネスコ編)の発行は20176月となっています。つい半年ほど前なので、どうしても「え、もう改定されちゃうの」という印象になってしまいますが、基本を押さえるという意味で、その重要性はいささかも低下するものではありません。むしろ、改訂版の発表により、ガイドラインに対する国内的な関心が高まるといった前向きの効果が期待できるかもしれません。期待したいところですね。

ただし、それはそれとして、翻訳チームの皆さんにはもうひと踏ん張りをお願いし、日本語改訂版にもチャレンジしていただけないかと、HIV/エイズ対策の末端に連なる者としてはひそかに思っています。ご苦労はしのばれますが、SDGsはまだ始まったばかりであることだし、1年程度のタイムラグでいかがでしょうか。ご検討のほど、よろしくお願いします。

 

 

国連が性教育sexuality education)の包括的アプローチを強調

    2018110

www.unaids.org/en/resources/presscentre/featurestories/2018/january/20180110_sexuality-education

 

初版の発表からからほぼ10年を経て、UNESCOが本日、発表した国際セクシュアリティ教育ガイダンス改定版は、健康と福祉の増進、人権の尊重、ジェンダーの平等、子供や若年層が健康で安全で生産的な生活の実現を目指し、質の高い包括的性教育を呼びかけている。

 「最新の科学的エビデンスに基づき、国際セクシュアリティ教育ガイダンスは、性教育を人権とジェンダーの平等という枠組みの中に位置づけることを再確認しました」とUNESCOのオードレ・アズレ事務局長は語る。「若い人たちの関心に応え、最善の利益もたらせるよう、セクシャリティおよび人と人との関係についてきちんと学ぶことを勧めているのです。効果的な性教育プログラムに不可欠な要素を概括することで、ガイダンスは各国の担当者が若い人たちの健康と福祉に好影響を与える包括的なカリキュラムを組めるようにしています」

 ガイダンスは、すべての国の教育政策担当者を対象にして、5歳から18歳以上までの子供や若者にとって正確でそれぞれの年齢に適したカリキュラムを提供できるようにまとめられている。

 

 世界各地の性教育の現状に対する検証と様々な地域におけるベストプラクティス事例に基づき、性教育についてガイダンスはとくに以下の点を強調している。

 ・若い人たちが性と生殖に関する健康に対し、より責任のある態度と行動を取ることを助ける。

 ・少女たちが早すぎる結婚の強制、10代の妊娠など性と生殖に関する健康問題のために学校に通えなくなることがないよう闘うことが不可欠になる。

・世界の中には、少女の3分の2は月経がはじまっても自分の身に何が起きているのかを理解できず、妊娠、出産に伴う死亡が1519歳の死因の第2位となっている地域があることからも、包括的な性教育が必要である。

・包括的な性教育は、性行動や性的にリスクの高い行動、STI/HIVの感染率を増やすことはない。また、純潔教育プログラムでは、若い人たちの間で性行為の開始年齢を遅らせたり、性行為回数や性行為の相手を減らしたりすることはできないことを示すエビデンスも提供している。

 

 改定ガイドラインは、以下の目的で質の高い包括的性教育が緊急に必要なことを示している。

  若い人たちに対し、子供から大人への移行、およびその際に直面する身体的、社会的、情緒的な変化について情報と対応の指針を提供する。

  避妊や早すぎる妊娠、ジェンダーによる暴力、性感染症STIs)、HIVエイズなど、思春期にはとくに困難度が増す性と生殖の健康に関する課題に挑む。

  世界の若い人たち34%しか正確な知識が得られていないHIVの予防および感染について認識を高める。

  若い人たちがインターネットで接する膨大な素材には、かなりあやふやなものも多いので、それらを補足し、必要なら反論する。そしてサイバーいじめに立ち向かうことを助ける。

 

このガイダンスは国連合同エイズ計画(UNAIDS)、国連人口基金UNFPA)、国連児童基金UNICEF)、UN Women世界保健機関WHO)との協力で作成された。

 

 

UN urges comprehensive approach to sexuality education

10 January 2018

 

Close to 10 years after its first edition, a fully updated International Technical Guidance on Sexuality Education published today by UNESCO advocates quality comprehensive sexuality education to promote health and well-being, respect for human rights and gender equality, and empowers children and young people to lead healthy, safe and productive lives.

 Based on the latest scientific evidence, the International Technical Guidance on Sexuality Education reaffirms the position of sexuality education within a framework of human rights and gender equality,” says UNESCO Director-General Audrey Azoulay. “It promotes structured learning about sexuality and relationships in a manner that is positive and centred on the best interest of the young person. By outlining the essential components of effective sexuality education programmes, the Guidance enables national authorities to design comprehensive curricula that will have a positive impact on young people’s health and well-being.”

The Technical Guidance is designed to assist education policy makers in all countries design accurate and age-appropriate curricula for children and young people aged 5 – 18+.

 

Based on a review of the current status of sexuality education around the world and drawing on best practices in the various regions, the Guidance notably demonstrates that sexuality education:

  helps young people become more responsible in their attitude and behaviour regarding sexual and reproductive health

  is essential to combat the school dropout of girls due to early or forced marriage, teenage pregnancy and sexual and reproductive health issues

  is necessary because in some parts of the world, two out of three girls reported having no idea of what was happening to them when they began menstruating and pregnancy and childbirth complications are the second cause of death among 15 to 19-year olds

  does not increase sexual activity, sexual risk-taking behaviour, or STI/HIV infection rates. It also presents evidence showing that abstinence-only programmes fail to prevent early sexual initiation, or reduce the frequency of sex and number of partners among the young.

 

 The publication identifies an urgent need for quality comprehensive sexuality education to:

  provide information and guidance to young people about the transition from childhood to adulthood and the physical, social and emotional challenges they face.

  tackle the challenges posed by sexual and reproductive health issues, which are particularly difficult during puberty, including access to contraception, early pregnancy, gender-based violence, sexually transmitted infections (STIs) and HIV and AIDS

  raise awareness of HIV prevention and transmission, of which only 34 per cent of young people around the world can demonstrate accurate knowledge

  complement or counter the large body of material of variable quality that young people find on the internet, and help them face increasingly common instances of cyberbullying.

The Guidance was produced in collaboration with UNAIDS, United Nations Population Fund (UNFPA), United Nations Children’s Fund (UNICEF), UN Women, and the World Health Organization (WHO).

 

 

 

 

国際的セクシュアリティガイダンス改訂版から

1 序章

1.3 なぜ改定が必要なのか(部分)

 ガイダンスが発表されて以来、CSE分野は急速に進化した。性教育プログラムの実践を通し、様々な教育の場でCSEに対する理解が深まり、教訓が得られてきた。そのエビデンスは整理統合され、広がってもいる。現在はSDGsが新たな開発の枠組みを示しており、性教育の範囲や位置づけ、妥当性なども、その枠組みの中で理解する必要がある。ヘルスプロモーションにおけるジェンダー認識や社会的な文脈;HIVSTIs、早すぎる妊娠、望まない妊娠、ジェンダーに伴う暴力など性の健康を阻害する脆弱要因の解消に向けた教育の役割;インターネットとソーシャルメディアへのアクセス拡大の影響などに対応する新たな認識も生まれている。さらにCSEは若者の健康を管理するための重要な要素とみなされるようにもなっている(WHO,2017b)。

 こうした変化を踏まえ、UNESCOは初版策定時の国連パートナー、およびジェンダー平等と女性の地位向上を担当する国連機関(UN Women)の協力を得て、最新のエビデンスを反映させ;現在の若者のニーズに対応し;教育システムや指導者がこうしたニーズに応えられるようにするためのガイダンスの見直しと更新を行った。新たなエビデンスを示すとともに、改定ガイダンスは、初版で効果が認められているコンテンツは保持しつつ、同時に新たなキーコンセプトやトピックス、学習素材なども積極的に取り入れている。

 

 

1 Introduction

1.3 Why do we need a revised version of the Guidance?

The field of CSE has evolved rapidly since the Guidance was first published. The implementation of sexuality education programmes across diverse educational settings has generated improved understanding and lessons-learned, while the evidence base for CSE has been consolidated and broadened. The SDGs now offer a new global development framework within which the scope, position and relevance of sexuality education should be understood. New considerations have emerged, including an increased recognition of gender perspectives and social context in health promotion; the protective role of education in reducing vulnerability to poor sexual health outcomes, including those related to HIV, STIs, early and unintended pregnancy and gender-based violence; as well as the influence of and widespread access to the Internet and social media. Furthermore, CSE has been recognized as an important component of adolescent health interventions (WHO, 2017b).

 

Acknowledging these changes, UNESCO, in collaboration with the original UN partners as well as United Nations Entity for Gender Equality and the Empowerment of Women (UN Women) has reviewed and updated the content of the Guidance to reflect the latest evidence; respond to the contemporary needs of young learners; and provide support for education systems and practitioners that seek to address those needs. As well as providing additional evidence, the revised Guidance offers an updated set of key concepts, topics and learning objectives, while retaining the original key features and content that has proven to be effective for its audience.

 

 

 

第31回日本エイズ学会報告『治療の進歩がもたらす希望と試練』 エイズと社会ウェブ版320

 本日発行の現代性教育研究ジャーナルのN0822018115日)に第31回日本エイズ学会報告『治療の進歩がもたらす希望と試練』を掲載していただきました。連載コラム『One Side/No Side』を1回お休みして学会報告に集中してほしいという編集部からのお許しもあり、6ページの(個人的な感想としてはかなり)力作となりました。

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 『治療の進歩を世界の共通目標である《公衆衛 生上の脅威としてのエイズ流行終結》にどうつなげていくか。それは医学だけでなく、分野を超えたプレーヤーの協力が必要な社会的課題でもある。横7.5メートル、縦12.5メートルの巨大なバナーが伝えるそのメッセージを肝に銘じ取材を開始した』

 例によって力が入ると変にすべってしまう嫌いもないことはないのですが、まずはご覧ください。こちらからダウンロードできます。

 http://www.jase.faje.or.jp/jigyo/kyoiku_journal.html#anch81

 

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 『最終日のインタビューで生島会長は「いろいろな立場の人が垣根を超えて交流し、率直に語り合えた。いい時が過ごせたと思う」と3日間を振り返った。会場を出ると中野区役所だけでなく、地元の商店街にもレッドリボンのバナーが飾られ、「町をあげてHIV/ イズへの理解と支援を掲げていただいた」と生島会長 はいう』

 生島さん、そして、ぷれいす東京の皆さん、地元の中野区の皆さん、ありがとうございました。

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 取材は同時開催だった東京エイズウィークスの(前夜祭の)『BPM(Beats Per Minute)』特別試写会を含め、4日間にわたりましたが、充実した内容でした。ちかれたび~(古いね)。寄る年波もありまして、その充実した内容のすべてを紹介することは到底できないのですが、原稿を書いているだけで、感謝の涙があふれてきます。

2030年のエイズ流行終結という掛け声とは裏腹に、世界も日本も、HIV/エイズ対策は押しつぶされそうなほど多くの課題を抱え、何とか持ちこたえている。 そうした中で開かれた第31回日本エイズ学会が、どこかふんわりと暖かい空気に包まれていたのはどうしてだったのか』

どうしてだったんでしょうね・・・ということで、お時間を見つけてお読みいただければ幸いです。

 

急がず、されど休まず 「はじめに」で綴るエイズ対策史その8

 HIV/エイズ分野の話題を中心に毎月1回発行しているTOP-HAT Newsの巻頭報告を集めた《「はじめに」で綴るエイズ対策史》のその8をTOP-HAT Forum(東京都HIV/AIDS談話室)のサイトの資料室欄に掲載しました。東日本大震災の翌月の2011年4月号からエイズ流行30周年の6月5日を経て7月号までの4本です。7年前なので、いま議論されていることと大きな隔たりがあるようでもあるし、あまり変わっていないようであります。立場によっても受け止め方は異なるのかもしれませんね。必読とまでは言いませんが、読んでいただく価値はあると思います。お時間のある時にぜひどうぞ。
 http://www.tophat.jp/material/d.html  

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◎急がず、されど休まず(第32号 2011年4月)

◎危機に負けない想像力を(第33号 2011年5月)

エイズ30周年の現実(第34号 2011年6月)

◎完治を目指すローマ宣言(第35号 2011年7月)

 

 東日本大震災の被災地の人たちにHIVコミュニティは何ができるか。その差し迫った課題に直面しつつ、一方で持続的なHIV/エイズの流行という長期にわたる危機への対応もおろそかにできない。そんな厳しい時期にもTOP-HAT Newsの発行は続きました。2011年6月にはニューヨークの国連本部で国連エイズ特別総会ハイレベル会合が開かれ、政治宣言が採択されています。このときの約束が、2030年のエイズ流行終結を目指す2016年のハイレベル会合に引き継がれ、現在の世界のエイズ対策の基盤となっている。そんな時期でもありました。

海晴れて 稲村ケ崎 冬の富士

 寒い、寒いと言われていたわりには穏やかなお天気でしたね。ぽかぽか陽気に誘われて稲村ケ崎に繰り出しました。元日には雲に隠れて見えなかった富士山に再チャレンジしよう・・・。

 

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  見えました。江の島、富士山、そして七里ガ浜。空には雲。ただし、ご覧の通り、富士山はかなりかすんでいます。もう昼過ぎだからしょうがないか。アップにすればもう少し、はっきりと・・・。

 

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 あまり変わりませんね。午後は海から水蒸気が上がってくるのでしょうか。

いいことは それなりにある 年はじめ

 明けましておめでとうございます。2018年が波乱の年になるということはたぶん免れないだろうし、元日のお天気に過剰な予測をしても仕方がないのですが、鎌倉はことのほか暖かく、穏やかな年明けとなりました。

 

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 こりやぁ、鶴岡八幡宮は大変な人だぞと思い、初詣は坂ノ下の御霊神社に繰り出しました。小さな石段を上がり、江ノ電の踏切を渡ってお参りします。

 

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 武勇で知られる鎌倉権五郎景政をまつる神社です。鎌倉七福神の福禄寿もこちら・・・。

 

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 富士山が見えるかも・・・と思って、帰りは少し遠出をして稲村ケ崎に回りましたが、午後はもうかすんでしまってダメですね。午前中は寝ていたし、寒さに震えて夕方まで待つ根性はすでにないし、ということで早々に退散。

 

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 由比ガ浜を望む海岸の道。波けしブロックの先端では・・・。

 

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 ウミウが日向ぼっこをしています。

 

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 この海を独り占め。寒さを感じさせないところがエライ(え、感じさせる?)。富士山はお預けになってしまったけれど、いいことはそれなりにある!と勝手に満足して老夫婦は家路を急いだのでした。今年も皆さん、よろしくお願いします。

年越しそばの後は、年明けうどんで温もるか・・・ 鎌倉年の瀬散策2

 鎌倉の初詣といえば、鶴岡八幡宮ですね。お参りする人は毎年200万人をこえるということです。 

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 おっと、こちらは材木座の元八幡。康平6年(1063年)に源頼義前九年の役の後で陸奥から京に戻る途中で鎌倉に立ち寄り、建てた神社だそうです。あまり知ったかぶりをしているとすぐにボロが出そうなので、蘊蓄はなるべく控えておきましょう。でも、ちょっとだけ。

 この場所は由比郷鶴岡と呼ばれていたそうで、頼朝が治承4年(1180年)にこの神社の社殿を現在の鶴岡八幡宮の場所に移したので、元八幡と呼ばれています。ま、鶴岡八幡宮の元祖といったところでしょうか。

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 住宅街の細い参道を少し歩くと、境内はこんな感じ。ひっそりとしたマイナー感が個人的にはいいなあ・・・。近くには芥川龍之介が住んでいたこともあるそうです。
 ところで、おじさんは本日、何をしていたかといいますと、例によって大したことはしていません。午前中、材木座の海岸に近い魚屋さんに大遠征を敢行してお刺身を買い、その後で由比ガ浜通にある地元の製麺所直営のラーメン店「麺好み」の店先で年越しそば(もちろんラーメンではなく、鎌倉製の日本そばです)を購入し・・・その途中でちょっと元八幡に寄り道したわけですね。
 参考までに付け加えておくと、「麺好み」のラーメンはさっぱり系で捨てがたい魅力があります。さすが製麺所直営とあって、麺は細麺、平切りなど何種類かの中から選ぶことができます。
 年越しそばの後は御成商店街の酒屋さんで菊正宗の樽酒を4合瓶に入れてもらって購入し、さらに帰宅の途中には・・・。

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 こちらは今年の夏、由比ガ浜通りにオープンしたばかりのうどん屋さんです。年越しがそばなら、こっちは年明けだ、ということでしょうね。その意気やよし。つい先日、温玉肉うどんを食べたら、関西風のだしで、これまた捨てがたい魅力。初詣帰りの方たちが、ちょっと暖まりたいなと思う辺りにあるので、年明けうどんもけっこう繁盛しそうな感じがします。
 ・・・とりとめもなくあれこれと書いているうちに2017年もついに終わってしまいます。今年はなぜか、大みそかになって自分がずいぶん疲れていることに気が付きました。風邪ひいたかな。年をまたいで寒さが続きます。皆さん、体に気を付けて、よいお年を。

2017年を振り返る TOP-HAT News 第112号

 いろいろあった2017年も間もなく最後の1日。どんな1年だったのか。TOP-HAT Newsの2017年最終号で振り返ってみましょう。

 

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メルマガ:TOP-HAT News(トップ・ハット・ニュース)

        第112号(201712月)

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TOP-HAT News特定非営利活動法人エイズソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発マガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。

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エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部

 

 

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1 はじめに 2017年を振り返る 

 

2 第22回国際エイズ会議参加登録受付開始

 

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1 はじめに 2017年を振り返る

 世の中はどうなっちゃうのかと、はらはらしながら過ごしてきた2017年もいよいよ年の瀬を迎えました。もちろん、年が改まっても波乱含みの世界情勢は続くでしょうし、日本の先行きもなかなか見通せません。HIV/エイズの流行にも当然、様々な変動要因があります。予定調和ではすまないぞ、という程度のことは覚悟しておかなければならないでしょう。新たな変化と変動に備える意味でも、2017年はどんな年だったのかを改めて振り返っておく必要がありそうです。

 

1月】エイズ予防指針の議論本格化

感染症法に基づくエイズ予防指針と性感染症予防指針の改定に向けた厚生科学審議会感染症部会のエイズ性感染症に関する小委員会が123日に第2回会合を開きました。前年12月に発足した小委員会は4月までに計4回の会議を開催して指針改定案をまとめ、厚労省パブリックコメントの募集を経て、改定の大臣告示に向けた作業に移っています。今回の委員会はHIV陽性者が委員に含まれず、参考人として出席するにとどまるなど、GIPAHIV陽性者のより積極的な参加)という国際的原則からすると議論の進め方については後退するかたちになりました。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=403928

 

2月】最後のスカラシップ報告会

 201611月の第30回日本エイズ学会(鹿児島)にHIV陽性者参加支援スカラシップで参加した人たちの報告会が219日、東京で開かれました。このスカラシップ制度は2006年の第20回学会(東京)で創設され、以後10年にわたって継続しましたが、第30回学会が最後になっています。したがって、報告会もこの時が最後となりました。スカラシップの意義や終了に至る経緯についてはTOP-HAT News102号(20172月)でも報告しています。

 http://asajp.at.webry.info/201702/article_4.html

 終了は残念でしたが、今年11月の第31回学会では、その趣旨を引き継ぐプログラムとして「ポジティブトーク」というHIV陽性者のセッションが設けられ、大きな成果を上げています。

 

3月】U=Uキャンペーン

 米国内を中心に著名なHIV/エイズ研究者やエイズ対策団体、HIV陽性者支援団体などが賛同して20167月に発表されたコンセンサス声明『ウイルス量が検出限界以下のHIV陽性者からのHIV性感染のリスク』が日本でも次第に注目を集めるようになりました。

https://www.preventionaccess.org/consensus

 『抗レトロウイルス治療(ART)を受け、血液中のウイルス量が6カ月以上、検出限界以下となっているHIV陽性者(PLHIV)からのHIV感染のリスクは存在しないと見なせる』としており、U=Uキャンペーン(注)の根拠になっています。

(注)Undetectable(検出限界以下)ならUntransmittable(感染はしない)というメッセージを広く伝え、HIV陽性者に対する偏見や差別の解消を目指すキャンペーン。

 

4月】『力強い科学、果敢なアクティビズム』

 国際エイズ学会(IAS)の年次書簡は2017年のかなり早い時期にIAS公式サイトで公表され、4月にはAPI-Netエイズ情報ネット)で日本語仮訳のPDF版が紹介されています。

 http://api-net.jfap.or.jp/status/world.html#a20170428

『力強い科学、果敢なアクティビズム』はそのタイトルです。本文では『エイズ運動の歴史はクライアントと保健医療従事者、アクティビストと政策決定者、研究者とコミュニティの間の協力の物語です。協力することこそがスティグマと差別と排除に終止符を打つ唯一の方法です』とも書かれています。

 

5月】 メインビジュアルにキース・へリング氏の作品

 東京エイズウィークス2017のメインビジュアルがキース・へリング氏の作品『SilenceDeath』に決まりました。

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 http://aidsweeks.tokyo/

見ざる・聞かざる・言わざる」の三猿をモチーフにしたこの作品は、エイズ患者の権利を訴えた団体アクト・アップのために へリング氏が1980年代に制作したポスターで、エイズに対する当時の政府や社会の無関心を警告しています。

東京エイズウィークス2017は、11月の第31回日本エイズ学会学術集会・総会と会期をあわせ、メインのイベントが112326日に東京・中野で開催されました。

 

6月】 HIV.govに変わった理由

 米国政府のHIV/エイズ啓発サイトAIDS.govの名称が、65日付でHIV.govに変わりました。65日は36年前の1981年にエイズの最初の公式症例が公表された日です。

 https://www.hiv.gov/

 プレスリリースによると、変更の理由は以下の2つだということです。

 ・治療の進歩でエイズを発症していないHIV陽性者の方が、エイズを発症している人より多くなった。

 ・サイト検索のサーチは「AIDS」より「HIV」で行う人の方が圧倒的に多い。

 

7月】『UPDATE! エイズのイメージを変えよう』

 2017年の世界エイズデーに向けた厚労省エイズ予防財団主唱の国内啓発キャンペーンのテーマが『UPDATE! エイズのイメージを変えよう』に決まりました。

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 http://www.ca-aids.jp/theme/

治療の進歩を踏まえて「エイズのイメージ」を更新し、新たな予防や支援の枠組みを構築していこうというメッセージです。中でも予防や治療の普及を妨げる社会的な偏見と差別の克服、そして誤解の解消は、最重要の「アップデート」対象とされています。

 

8月】報告の横ばい状態続く

 厚労省エイズ動向委員会が830日に開かれ、2016年の新規HIV感染者・エイズ患者報告数の確定値が発表されました。エイズ予防情報ネット(API-Net)に年報が掲載されています。

 http://api-net.jfap.or.jp/status/index.html

 2016年の年間報告数の合計は1448件で、この10年、ほぼ1500件前後で推移してきた「報告の横ばい状態」が依然、続いています。

 これまで年4回、開催されていた動向委員会は2017年から年2回開催に変わりました。横ばい状態の継続を考えると、当然の変更ではありますが、HIV感染の動向に変化があったときにいち早くその変化を察知するには、委員会による動向把握とあわせ、さまざまな立場からの研究や分析が必要になります。

 

9月】年間75ドルで最新抗レトロウイルス治療

 インテグラーゼ阻害剤のドルテグラビルを含めた最新の抗レトロウイルス治療(ART)用の合剤をジェネリック薬で供給するための国際合意が多数の関係機関の間で成立し、921日に国連総会開催中のニューヨークで発表されました。プレスリリースによると、南アフリカケニアなど90以上の低・中所得国で2018年から患者一人当たり年間75ドルで使用できるようになるそうです。

 http://www.ca-aids.jp/features/186_retrovirus.html

 

10月】HIV検査サービスに関する WHOUNAIDS声明

『新たな機会と 継続的な課題』と題された声明が828日、世界保健機関WHO)と国連合同エイズ計画(UNAIDS)から発表されました。HIV検査の普及は国内でも急務とされているだけにこの声明は日本にとっても重要です。エイズ予防情報ネット(API-Net)には103日、日本語仮訳のPDF版が掲載されました。

http://api-net.jfap.or.jp/status/world.html#a20171003

声明は検査普及に向けた2大原則として『人権の重視』と『公衆衛生アプローチ』をあげ、『義務的もしくは強制的検査は推奨しない』と明記しています。

 

11月】You tubeでインタビュー動画を配信

 『未来へつなぐケアと予防 Living Together』をテーマにした第31回日本エイズ学会学術集会・総会が1124日から26日まで中野サンプラザで開かれました。会場で収録された講演者らのインタビュー動画は、You tubeで配信。学会終了後も引き続きFacebookで見ることができます。 

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12月】変わる世界 代わる指導者

 HIV/エイズ対策の観点からも、2017年は世界の指導者が交代した年として記憶に残りそうです。1月には米国の大統領がバラク・オバマ氏からドナルド・トランプ氏に代わりました。国連事務総長には元ポルトガル首相で、国連難民高等弁務官も務めたアントニオ・グテレス氏が就任しました。7月にはエチオピア・テドロス・アダノム・ゲブレイサス元外相が世界保健機関WHO)の新事務局長となり、世界エイズ結核マラリア対策基金(グローバルファンド)理事会は11月、空席だった事務局長に元銀行家のピーター・サンズ氏を選びました。サンズ氏の就任は来年3月です。

 

 

2 第22回国際エイズ会議参加登録受付開始

Breaking Barriers Building Bridges”(壁を破り、橋を築こう)をテーマにした第22回国際エイズ会議(AIDS2018)は2018723日(月)から27日(金)まで、オランダのアムステルダムで開かれます。そのオンライン登録受付が世界エイズデー2017121日(金)から始まりました。Early Registrationの締め切りは2018215日(木)です。詳しくはAIDS2018公式サイトでご覧ください。

http://www.aids2018.org/