♪過ぎた日の思い出は~ まだ間に合う 『モスキートウィーク2017 日本の夏。蚊と暮らす夏』(8月30日)

 もう過ぎてしまいましたが、820日は「世界蚊の日」(World Mosquito Day)です。え、そうだったの・・・と、実はわたくしも昨日、知りました。

 いたずらに年齢ばかり重ねてきても、世の中、知らないことばかりですね。

 日本ではその前後の数日間を「モスキートウィーク」とし、イベント開催やツィッターによるキャンペーンなどが行われています。

 といってもウィークの方は 特定非営利活動法人Malaria No More Japanマラリア・ノーモア・ジャパン)が提唱して昨年からスタートしたばかりのようです。したがって、こちらはまあ、知らなくてもしょうがない面もあるか・・・でも、せっかく頑張っているのだから側面支援ぐらいはしたい。

 マラリアエイズ結核と並び世界の三大感染症と位置付けられ、グローバルファンド(世界エイズ結核マラリア対策基金)を中心に流行制圧を目指す活動が展開されています。

 感染経路は病原体である原虫を蚊が媒介して感染するマラリアと、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の性感染や血液感染で広がるエイズHIV感染症では異なりますが、流行の背景にある社会的、政治的、経済的、文化的な要因や医療基盤整備の必要性などを視野に入れて考えれば、きわめて広範な共通領域があるというべきでしょう。

 三十有余年に及ぶHIV/エイズ対策の困難でかつ輝かしく、なおかついまもまた困難な歴史の教訓は(ややこしいね)、こういうところにもあるのですが、話し始めると長くなるので、こちらは別の機会に譲るとして、今回はマラリアです。

 

f:id:miyatak:20170822113601j:plain

 世界蚊の日の関連イベントとして、マラリア・ノーモア・ジャパンは830日に『モスキートウィーク2017 日本の夏。蚊と暮らす夏』を東京で開催します。

 コミュニティアクションのイベント情報欄でも紹介したのでご覧ください。より詳しく知りたい方は、そこからマラリア・ノーモア・ジャパンのサイトに跳ぶこともできます。コミュニティアクションの公式サイトの周知をはかりたいという下心もありますので、ひと手間、余分にかかりますが、そこんところはよろしく。

 

www.ca-aids.jp

『日本の夏と云えば「蚊」。日本人と蚊との戦いの歴史は古い。平清盛の死因はマラリアという説も』

 かなりダイナミックですね。感染症の流行を制圧するのは、それほど困難だということでもあります。そういうことならこちらにも考えがありますよ、と主催者が思ったかどうかはつまびらかではありませんが、イベントでは『そんな日本では長い歴史が証明するように、日本の伝統芸能でも蚊に関する演目があります。今回はその中でも落語の演目「蚊相撲」』を落語家の桂歌助さんが演じるそうです。

  ところで、どうして820日が「世界蚊の日」なのでしょうか。マラリア・ノーモア・ジャパンのサイトによると、インド医務官を務めていたイギリスの医学者・内科医 ロナルド・ロス(Ronald Ross)が、1897年(明治30年)にハマダラカの胃からマラリアの原虫を発見したのが820日だったそうです。

 ロス先生は翌98年に鳥を使った吸血実験で蚊がマラリアを媒介することも証明し、一連の功績によって1902年に第 2ノーベル賞(生理学・医学)を受賞しています。

 参考までに付け加えておくと、その前年の第1回はエミール・アドルフ・フォン・ベーリングというドイツの方、そして1904年の第4回受賞者が例のパブロフの犬で有名なロシアのイワン・パブロフ、翌05年の第5回がドイツのロベルト・コッホです・・・ぼろがでそうなので、この辺でやめておきましょう。

 とにかく世界中の優秀な先生方が全身全霊を捧げて研究に打ち込んでこられたわけですが、それでもマラリアの流行はなかなか制圧できません。

 その困難な課題に挑むべく、2030年に向けた国際社会の共通課題である「持続可能な開発目標(SDGs)」では、「2030年までにアジア地域でのマラリア制圧」、そして「2040年にマラリアによる死者数を世界全体でゼロにする」という意欲的な数値目標が掲げられています。

 詳しくはZEROマラリア2030キャンペーンのサイトをご覧ください。

zero2030.org

 SDGsでは、2030年までに公衆衛生上の脅威としてのエイズ流行終結を目指しています。そして結核対策では来年、国連総会のハイレベル会合が予定されています。

 エイズ結核マラリア対策の成果が保健基盤強化につながり、高い相乗効果を生み出していくことを期待したいですね。