2015年から続けられていた『UNAIDSが掲げる臨床評価指標90-90-90達成のための男性同性愛者に対する新しいHIV検査システムの構築に関する研究』の成果報告会が3月9日(木)の夕方、国立国際医療研究センター(東京都新宿区戸山1-21-1)で開かれます。
http://www.ca-aids.jp/event/170309_hivcheck.html
新宿2丁目のコミュニティセンターaktaで行われていたHIVcheckの報告会ですね。公式サイトもあるので、ご覧いただくと、どんな研究だったのか、ある程度の知識が得られるのではないかと思います。
東京・新宿2丁目のコミュニティセンターaktaで毎週木曜の夜に検査キットを配布
→キットを受け取った人は持ち帰って自分で血液を「ろ紙」に採り、
→エイズ治療・研究開発センター(ACC)検査室へ郵送する
→結果はウェブサイトで確認
概略を説明するとそんな流れになります。この間に相談や結果確認後のフォローなどもきめ細かく工夫されているので、サイトでご覧下さい。
研究結果報告も一部掲載されています。
https://hivcheck.jp/news/event/155/
『国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センターは、コミュニティーセンターaktaやぷれいす東京との共同研究として、2015年8月より「HIVcheck」を実施してきました。2016年12月末に検査キットの配布を終了し、当初の予想を上回る1395件の利用がありました。研究にご参加下さった方々へ、結果の一部をご報告いたします』
HIVcheckの検査キットで「確認検査が必要」となり、ACCなどの医療機関で確認検査を受けて陽性と確認された件数は34件でした。検査件数に占める陽性の割合を計算してみると、2.4%ぐらいでしょうか。
このデータだけで東京圏のMSM(男性とセックスをする男性)のHIV陽性率を即断することはもちろんできません。ただし、少なくともHIVの感染を把握し早期の治療開始につなげることを目的とした検査手法としてかなり費用対効果の高い方法になり得るということは推測できるのではないかと思います。
結果報告の最後には《本研究は2016年12月末で検査キットの配布を終了しましたが、来年度以降、再開できるよう努力しております。詳細が決まりましたら、皆さんにお知らせいたします》と書かれています。こうしたかたちでの共同プロジェクトが事業または研究として、継続的に展開できるようになることを期待したいですね。