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Week5は曝露前予防投薬(PrEP)

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)の2016世界エイズデーキャンペーンHands up for #HIVprevention(HIV予防に手を上げよう)のWeek5(10月31~11月6日)は、曝露前予防投薬(PrEP)の集中週間です。曝露前というのはHIVに感染する前ということですね。つまり、HIVに感染していない人が抗レトロウイルス薬を事前に服薬しておけば、HIVに感染している人と性行為などを行っても、感染を防ぐ効果があるという研究報告が出され、他の予防手段と組み合わせた新たな予防のオプションとしてにわかに注目されています。現状では毎日、必ず服薬することが必要で、医師の管理のもとで、体の状態をきちんとモニターしつつ進めなければならないとされていますが、感染を予防できると聞いて、医師の管理のもとで、という部分をすっ飛ばしてインターネットなどで抗レトロウイルス薬を予防用に使う人も「はっきりした数は分からないが、かなり多くいる」とUNAIDSは指摘しています。

 どうも危うい予防策のように思えるのですが、エイズ治療の専門家でわりと高名な皆さんが進めたがっているという事情もあり、少なくとも当面はPrEPに予防の切り札的な効果を待望する動きはおさまりそうもありません。

 パンドラの箱のふたが開いちゃった以上、放っておいて中途半端にPrEPまがいが広がるより、医学管理の軌道に乗せた方がましという意見もあり、しばらくは悩ましい状況が続きそうです。

 

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www.unaids.org

 曝露前予防投薬(PrEP)

 曝露前予防投薬(PrEP)はHIV感染の高いリスクにさらされている人に対するコンビネーション予防の選択肢を広げるために最も新しく登場した手段である。PrEPをめぐる世界の動きは質量とも広がっているものの、米国以外ではその規模も普及率も限定されている。2016年10月現在、PrEPを受けている人の数は10万人と推定され、米国内が大多数を占めている。はっきりとした数は分からないが、かなり多くの人が、インターネットなどで十分な規制のないままPrEPにアクセスしているとみられる。政府の規制のもとでプログラムの確立を急ぐことが、PrEPの利用および流行に与える影響を監視、評価するうえで必要となる。HIVの相当な感染リスクにさらされている300万人に対し、2020年までにPrEPへのアクセスを確保するという新たな世界目標を達成するには、さらに大きな努力が必要となる。

 

Pre-exposure prophylaxis (PrEP)

 Pre-exposure prophylaxis (PrEP) is the latest addition to efforts to expand combination prevention options for people at high risk of HIV infection. The number and scope of PrEP activities is increasing globally, while the scale and coverage outside the United States of America remain limited. In October 2016 an estimated 100 000 people were enrolled on PrEP, the majority of whom were in the United States. A significant but unquantifiable number of people are accessing PrEP through less regulated means, for example via the internet. The rapid establishment of government-regulated programmes will improve the monitoring and evaluation of PrEP’s use and its impact on the epidemic. Considerable additional effort will be needed to attain the new global target of reaching three million people at substantial risk of HIV infection with PrEP by 2020.