7月の最後の夜に思うことは

 暑かったね、ということばかりではありません。ましてや熱かったともいえませんが、いろいろあります。

 日本からスーパーラグビーに参戦したサンウルブズの最初のシーズンはすでに終了しましたが、スーパーラグビー全体で見れば、今季のクライマックスはまだこれからです。

8月6日(土)プレーオフ決勝

 ライオンズ vs ハリケーンズ

 レギュラーシーズンの成績を見るとニュージーランド優位は否めず、プレーオフでも4強に勝ち残ったうちの3チームはニュージーランド勢でした。それでも、7月30日(土)の準決勝では南ア首位のライオンズがNZ2位だったハイランダーズを42-30で下し、その一角を崩して決勝に進出しました。

 

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 試合会場がライオンズの地元ヨハネスブルグだったので、地の利もあったのかもしれませんね。昨季トップリーグNTTコムに所属していた10番エルトン・ヤンチースが大活躍でした。

 決勝はハリケーンズのホーム、NZのウェリントンです。レギュラーシーズンの直接対決ではライオンズが敗れていることもあり、ハリケーンズ優位は否めませんが、激闘を繰り返してきたシーズンの最終試合なので、両チームとも負傷で出場困難な選手も少なくない。そのあたりも影響しそうです。ここまでくれば分かりませんね。

 ということで、決勝への興味は尽きないのですが、日本のファンとしてはライオンズがサンウルブズのスーパーラグビー初戦の相手だったことにも改めて注目したい。

 忘れもしない2月27日、秩父宮ラグビー場はゴール裏の立ち見席まで満員でした。試合開始直前の時点で、その多くが願っていたのは、実は勝利などではなく、何とか最後までラグビーの試合として持ちこたえてほしいということだったのではないでしょうか。最初から大敗を喫してしまったらもう日本ラグビーの将来はない。期待はもちろん大きかったけれど、同時に切迫感も強い試合でした。で、結果は・・・

 ライオンズ26 – 13 サンウルブズ

いやあ、なんとか持ちこたえましたねえ。トライはライオンズ4、サンウルブズは1。力の差は認めざるを得ないとはいえ、前半にあのヤンチースがプレースキックを外しまくってくれたおかげもあって、サンウルブズが最後までくらいつき、スクラムなどは逆に押し返していました。

 これで「やれるかもしれない」と手応えを感じる一方で、「相手もスーパーラグビーの中ではそれほど強くないのかもしれない」などと思うファンも(私を含め)多かったのではないでしょうか。

 そのライオンズがいま、優勝の一歩手前まできています。もちろんシーズン開幕時とプレーオフ段階とでは、選手個々の力もチーム全体のまとまりも違います。シーズンを通してどこまで進化するか。それによって真価が問われるべきでしょう。

 したがって、ライオンズの決勝進出をもって、サンウルブズの力を云々することはできない。それは分かっています。分かっているんだけどね、それでもどこか、来季に向けて明るい希望が出てくるような気がしないこともない。

 ・・・などということを考えながら、(最初から最後まで意気上がらなかった)都知事選の夜は更けていくのでありました。人間は絶望よりも希望の方についついひかれてしまうものなのよ。困ったことばかりの2016年も、あと数十分で、時計の針が12時を回れば、8月に突入します。何が待ち受けているのか・・・。