振り向けばネコが 鎌倉看板傑作選 

 おニャり・・・じやなかった。鎌倉駅西口から南に由比ガ浜通りまでのこの商店街は。

 

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 御成通り商店街でしたね。歩いていると看板のネコ率が意外と高かったので、つい。駅に近い方から紹介しましょう。

 

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 鎌倉ねこサロン。何のお店と言ったらいいのか、おじさんにはうまく表現できないのですが、Facebookを見ると「ねこ雑貨のお店」ということです。

 

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 御成通りに出ている看板の手前に極めて細い通路がありそこを入ると突き当たりにハンバーガーショップがあります。

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 こちらのお店は御成通りに出ていた看板の向かい側の路地を入るとすぐ。

 

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 KIBIYAベーカリーの「あんず食パン」は不肖・私のお気に入りアイテム・・・そういえば最近、あまり食べていなかった。久々に買いに行こうかな。

 

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 路地を入った本店。こちらは木の看板ですね。2階は以前、小さなフレンチのお店でしたが、いまはワインバーのようです。

 御成通り商店街は、昔ながらのような、新しいような・・・。最初に訪れた頃には、光と風の感じが米東海岸にあるボストン近郊の港町に出かけたときとそっくりだったので、ちょっと心が浮き立ちました。そんな季節まで、もうひと息。

 時間の流れがゆるやかな商店街といいますか。いかにもネコが昼寝をしていそうな雰囲気なんだけど、残念ながら、今回は看板だけで、本物のネコには遭遇しませんでした。ま、こういうときにおあつらえ向きに出てこないのが、ネコのネコたる所以でしょうか。

 

『保健医療分野の差別ゼロに向けた課題』 UNAIDS

 2017年3月1日の差別ゼロデーに向けて、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が作成した資料《AGEDA FOR ZERO DISCRIMINATION IN HEALTH-CARE SETTINGS》の日本語仮訳です。訳文だけ見ると堅苦しい印象ですが、元の英文資料はカラフルでビジュアルな体裁です。UNAIDSの公式サイトでご覧下さい。

http://www.unaids.org/en/resources/documents/2017/2017-agenda-zero-discrimination-health-care

 キャンペーン期間はもう過ぎてしまいましたが、保健医療分野の差別解消は、わが国のHIV/エイズ対策でも重要な課題の一つです。「T as P」ですべてが解決できるかのような言説が繰り返されていると、私のような専門外の人間はついついそうかなと思ってしまいます。そうした迷妄を避ける意味でも、内容を確認したいと思い、大急ぎで訳しました。

《良質な医療サービスやケアを受けることが妨げられるといったかたちの差別や人権侵害は保健医療の場でも起きています。また、保健医療従事者も同僚や経営者からの差別にさらされ、権利や役割、責任を十分に果たせずにいることがあります。

 保健医療の場における差別は、診療やサービス提供の拒否だけではありません。誤った情報を提供したり、サービス提供に第三者機関の承認を必要としたり、プライバシーや個人情報を保護する意識を欠いていたりする事例もあります》

 どうも前にも似たような資料を訳したことがあるような気もしますが、新しい情報を入れ、キャンペーン向けにリニューアルしたものかもしれません。

 

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保健医療分野の差別ゼロに向けた課題

http://www.unaids.org/sites/default/files/media_asset/2017ZeroDiscriminationHealthCare.pdf

 

 差別がないことは人権の基本原則であり、同時に義務でもあります。しかし、保健医療の場における差別は、様々なかたちで広く存在しています。差別は保健やコミュニティサービスへのアクセスを妨げ、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現を阻んでいます。保健状態が悪化し、エイズ流行の終結やすべての人に対する健康な生活の保障を目指す努力を台無しにしてしまうのです。

 

保健医療分野の差別

 HIVへの対応は過去10年、大きく進展しました。世界は子どものHIV感染の排除に一歩近づき、自らの感染を知って治療にアクセスできるHIV陽性者が増え、エイズ関連の死者は減少しています。

 それでも、世界中で多数の人びとがスティグマや差別、排斥、不平等な扱いを受け、そのためにHIVに感染しやすく、HIVの予防、治療、ケアのサービスが受けにくい状態に置かれています。

 HIV陽性者やキーポピュレーションの人びと、あるいはその他のHIVに感染しやすいグループは依然、実際の健康状態や見かけの状態、人種、社会経済状態、年齢、性別、性的指向ジェンダー自認、その他の理由でスティグマと差別、犯罪視、虐待などにさらされています。

 良質な医療サービスやケアを受けることが妨げられるといったかたちの差別や人権侵害は保健医療の場でも起きています。また、保健医療従事者も同僚や経営者からの差別にさらされ、権利や役割、責任を十分に果たせずにいることがあります。

 保健医療の場における差別は、診療やサービス提供の拒否だけではありません。誤った情報を提供したり、サービス提供に第三者機関の承認を必要としたり、プライバシーや個人情報を保護する意識を欠いていたりする事例もあります。

 HIV関連の差別はほかにも、以下のように、さまざまなかたちで現れています。本人の承諾や適切なカウンセリングのない強制的な検査、HIV陽性の女性に対する強制的な不妊手術、保健医療提供者がHIV陽性の患者との接触やケア提供を極力避けようとする傾向、治療提供の敬遠や拒否、感染管理のための追加料金請求、HIV陽性の患者の隔離、母子保健サービス提供の拒否、家族や病院職員に対し患者のHIV感染を無許可で開示することを含むプライバシーや個人情報の侵害。

 

各国は何ができるのでしょうか

 国際人権法により、各国は、保健医療の場や職場における差別に取り組む法的義務があります。また、保健情報を秘匿したり、検閲したり、誤って伝えたりしてはならないと定められています。例えば、コンドーム使用ではHIVや他の性感染症の感染を防げないと述べることはできません。

 また、各国は第三者機関が人権の実現を妨げることのないようにしなければなりません。HIV陽性の女性に対する不妊の強制やHIV陽性の妊婦に対する強制妊娠中絶、キーポピュレーションに属する人たちへのサービス提供の拒否などを目的にした調査や懲罰的行為を保健医療提供者や他の人たちが行うこともそこには含まれます。

 各国は市民が自らの権利を十分に享受できる環境を確保する必要があります。たとえば、政府は保健医療の場や職場などでキーポピュレーションへの差別を禁止する法律を通すべきです。保健医療提供者は、人権を尊重してサービスを提供できるように研修を受けなければなりません。例えば、患者の尊厳と自主性を尊重し、差別なくサービスを提供する必要があります。保健サービスの利用者が自らの権利を知り、権利が侵害されたときには修正を求めることも含め、それらの権利を要求できるようにしなければならないのです。

 

保健医療分野の差別ゼロに向けた課題

 各国は2030年までにエイズ結核マラリアの流行を終結させ、肝炎と闘うことを目指す持続可能な開発目標(SDGs)を2015年に設定しました。この目標の達成には、ジェンダーの平等を実現し、すべての人が雇用ときちんとした仕事を確保でき、格差を解消するといった他のSDGsも極めて重要です。

 エイズ終結に関する国連総会ハイレベル会合で加盟国が採択したエイズ終結に関する政治宣言は、すべてのSDGsを実現するには、誰も置き去りにせず、保健医療分野を含めた差別を解消する必要があることを改めて強調しました。

 保健医療の場と職場、教育の場に焦点をあてた差別ゼロは、UNAIDSのヴィジョンの中心であり、高速対応のターゲットの一つでもあります。

 その目標に向けて、UNAIDSと世界保健機関(WHO)の世界保健人材連盟(GHWA)は2016年3月1日、保健医療分野における差別ゼロの課題を発表しました。誰もが、どこでも差別を受けることなく、必要な医療を受けられる世界を実現できるよう、すべての関係者が力を合わせて努力していくための課題です。それは質の高い保健医療サービスへのアクセスを妨げ、HIV陽性者やキーポピュレーションその他の弱い立場の人びとを傷つける懲罰的な法律、政策、慣行を撤廃するなど、さまざまなかたちの差別と闘い、この人たちが自らの権利を行使できるよう力づけるということです。同時に保健医療従事者がスティグマや差別を受けずに働く権利を享受できるようにするということでもあります。

 

 

 保健医療分野における差別ゼロの課題は、主要な関係者の力を集めて行動につなげ、誰もが、どこでも差別を受けることなく必要な医療を受けられるという共通のヴィジョンの実現を目指しています。

 

7つの優先行動計画

 保健医療における差別ゼロに向けた課題を支える行動計画は、以下の重点分野で各国や国連、開発パートナー、市民社会、保健医療専門機関、学者、その他の主要関係者の関与と協力を広げ、説明責任を果たしていくことを目指しています。

 

  1. 保健分野における法的、政策的障壁を取り除く。
  2. 差別のない保健医療について基準を設定する。
  3. 保健医療の場での差別をなくす基盤としてのエビデンスとベストプラクティスを確立し、共有する。
  4. 差別のない保健医療を求める患者および市民社会の発言力向上をはかる。
  5. 差別のない保健人材育成のための資金的支援を拡大する。
  6. 差別のない保健医療の場を確立するために保健医療の専門家組織がリーダーシップを発揮する。
  7. 差別のない保健医療のためのモニタリングと評価を行い、説明責任を果たすメカニズムと枠組を強化する。

 

道を開く

 保健医療分野の差別ゼロに向けた課題が発表されてから1年で、すべての人に差別のない保健医療の提供を可能にするための行動の統合は大きく進んでいます。それと同時に、なすべきことはまだまだ多く、良質で効果的な行動がさらに必要なことへの理解も一段と進みました。この1年で例えば以下のような成果がありました:

 

> 行動計画の枠組のもとで、意思疎通と協力、経験の共有をはかるバーチャルコミュニティ「すべての人に平等な保健医療」が創設されました。この1年で70機関160人のメンバーが参加しています。

>アジア太平洋地域では保健医療分野の差別ゼロを目指す地域支援戦略が策定され、UNAIDS、米国際開発庁(USAID)、タイ、ラオス政府が主催する地域会合が開かれています。

>タイでは、22の県のデータを集めた保健医療分野におけるスティグマと差別のモニタリングシステムが始動しました。タイ保健省は市民社会組織および関係コミュニティと協力してこのシステムをスティグマ低減プログラムに広げようとしています。

HIVに関連するスティグマと差別を減らすための保健医療スタッフ研修はタイ国内の4県ですでに実施され、2017年には全国レベルに拡大する予定です。e-ラーニングツールも開発中です。

>マラウィでは、抗レトロウイルス薬および結核治療薬の欠品状況やHIV陽性者が保健医療の場で体験したスティグマと差別をリアルタイムでモニタリングするために、HIV陽性者全国協会がエアテル・マラウイ(携帯電話会社)、UNAIDSと協力してSMS(ショートメッセージサービス)による報告システムを活用しています。

>アルゼンチンでは、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーインターセックス(LGBTI)の人びとにフレンドリーな21のサービスセンターが、保健医療の場をLGBTIの人びとがより利用しやすくなり、同時に保健医療の場がGBTIの人びとをより積極的に受け入れられるようになることを目指しています。このため、保健医療の専門家がLGBTIの人びと特有の保健ニーズに対応できるよう研修を実施するとともに、差別がない施設にする、利用しやすい時間に施設を開けるようにする、サービスの設計や運営に対象層の人びとが積極的に参加するといったことが含まれています。また、保健サービスと社会サービスを統合的に提供できるよう多分野にまたがるチームも編成されています。

 

 

差別のない保健医療の場

 あなたが属する保健医療機関は差別のない施設ですか。患者および保健医療提供者にとって差別のない環境を確立するには以下の最低基準を満たす必要があります。

 

  1. 保健医療センターは、ジェンダーや国籍、年齢、障害、民族的な出自、性的指向、宗教、言語、社会経済的な地位、HIV感染および他の健康状態、その他どんなグループも含め、良質な医療とケアを必要とするすべての人に対し、適切な時期に提供できます。
  2. いかなる検査および治療を行うときでも事前のインフォームドコンセントが必要です。さらに、いかなるサービスも患者が強制されて受けることはありません。
  3. 保健医療提供者は患者のプライバシーと個人情報を常に尊重します。
  4. 保健医療提供者はスティグマと差別のないサービスが提供できるよう定期的に研修を受け、十分な能力と特性を有しています。
  5. 保健医療センターは差別や患者に対する権利侵害事例を直ちに把握し、正していくメカニズムを有しています。
  6. 保健医療センターは方針やプログラムを策定する際に、影響を受けているコミュニティが必ず参加できるようにし、平等で差別のない保健医療の場を実現していきます。

 

 

 

AGEDA FOR ZERO DISCRIMINATION IN HEALTH-CARE SETTINGS

 

NON-DISCRIMINATION IS A CORE HUMAN RIGHTS PRINCIPLE AND OBLIGATION, BUT DISCRIMINATION IN HEALTH-CARE SETTINGS REMAINS WIDESPREAD AND TAKES MANY FORMS. DISCRIMINATION IS A BARRIER TO ACCESSING HEALTH AND COMMUNITY SERVICES AND PREVENTS THE ATTAINMENT OF UNIVERSAL HEALTH COVERAGE. IT LEADS TO POOR HEALTH OUTCOMES AND HAMPERS EFFORTS TO END THE AIDS EPIDEMIC AND ACHIEVE HEALTHY LIVES FOR ALL

 

DISCRIMINATION IN HEALTH-CARE SETTINGS

 

There has been great progress in the response to HIV during the past decade. The world is one step closer to eliminating HIV infections among children, more people living with HIV know their status and are accessing HIV treatment and AIDS-related deaths are declining.

However, throughout the world, stigma, discrimination, exclusion and inequality continue to make people vulnerable to HIV and hinder their access to HIV prevention, treatment and care services.

People living with HIV, key populations and other vulnerable groups continue to face stigma, discrimination, criminalization and ill-treatment based on their actual or perceived health status, race, socioeconomic status, age, sex, sexual orientation or gender identity or other grounds.

Discrimination and other human rights violations may occur in health-care settings, barring people from accessing health services or enjoying quality health care. Workers in health-care settings can also face discrimination from their co-workers and employers, or work in environments where their rights, roles and responsibilities cannot be fully exercised.

Discrimination in health care does not only relate to denial of health-care services. Examples of discrimination in health-care settings also include misinformation, requiring third-party authorizations for the provision of services, lack of privacy and breaches of confidentiality.

HIV-related discrimination can also take many forms, including mandatory HIV testing without consent or appropriate counselling, forced or coerced sterilization of women living with HIV, health providers minimizing contact with, or care of, patients living with HIV, delayed or denied treatment, demands for additional payment for infection control, isolation of patients living with HIV, denial of maternal health services and violation of patients’ privacy and confidentiality, including disclosure of a patient’s HIV status to family members or hospital employees without authorization.

 

 

WHAT CAN COUNTRIES DO?

 

Under international human rights law, countries have a legal obligation to address discrimination in health care and the workplace. They are also obliged to refrain from withholding, censoring or misrepresenting health information—for example, stating that use of condoms does not prevent the spread of HIV and other sexually transmissible infections is not permitted.

They should also prevent third parties from interfering with the realization of human rights. This includes investigating and punishing practices by health-care providers and others such as coerced or forced sterilization of women living with HIV, forced termination of pregnancies in women living with HIV or refusal to provide services to individuals belonging to key populations.

 

Countries should create a conducive environment for its citizens to fully enjoy their rights. For example, states should pass laws that prohibit discrimination against key populations, including in health-care settings and workplaces. They should ensure that health-care providers are trained so that services are provided in a manner that is compliant with human rights—for example, services should be provided in a way that is non-discriminatory and respects the dignity and autonomy of clients. They should ensure that users of health services know their rights and are able to claim them, including by seeking redress should their rights be violated.

 

 

THE AGENDA FOR ZERO DISCRIMINATION IN HEALTH CARE

 

In 2015, countries committed to the Sustainable Development Goals (SDGs), which include the target of ending the epidemics of AIDS, tuberculosis and malaria, and combating hepatitis, by 2030. Other SDGs are also critically important in reaching this goal, including achieving gender equality, employment and decent work for all, and reducing inequalities.

 

The Political Declaration on Ending AIDS, adopted by Member States at the United Nations General Assembly High-Level Meeting on Ending AIDS, reinforced that, in reaching all of the SDG goals, no one must be left behind and that discrimination, including in health care, must be eliminated.

 

Zero discrimination is also at the heart of the UNAIDS vision, and one of the targets of a Fast-Track response, which focuses on addressing discrimination in health-care, workplace and education settings.

 

To that end, UNAIDS and the World Health Organization’s Global Health Workforce Alliance launched the Agenda for Zero Discrimination in Health Care on 1 March 2016, which brings together all stakeholders for joint efforts towards a world where everyone, everywhere, is able to receive the health care they need with no discrimination. This means tackling discrimination in its many forms, including by removing punitive laws, policies and practices that undermine people living with HIV, key populations and other vulnerable groups, or block their access to good quality health-care services, and by empowering them to exercise their rights. At the same time, it is important to ensure that health-care workers enjoy their labour rights free from stigma and discrimination.

 

 

THE AGENDA FOR ZERO DISCRIMINATION IN HEALTH CARE AIMS TO ACHIEVE THE SHARED VISION THAT EVERYONE, EVERYWHERE, ENJOYS HEALTH SERVICES WITHOUT DISCRIMINATION, BY BRINGING KEY STAKEHOLDERS TOGETHER TO TAKE JOINT ACTION.

 

 

7 PRIORITIES OF THE ACTION PLAN

The action plan underpinning the Agenda for Zero Discrimination in Health Care aims to increase commitment, collaboration and accountability among countries, the United Nations and development partners, civil society, professional health-care associations, academics and other key stakeholders, for the following key actions:

 

  1. Remove legal and policy barriers that promote discrimination in health care.
  2. Set the standards for discrimination-free health care.
  3. Build and share the evidence base and best practices to eliminate discrimination in health-care settings.
  4. Empower clients and civil society to demand discrimination-free health care.
  5. Increase funding support for a discrimination-free health workforce.
  6. Secure the leadership of professional health-care associations in actions to shape a discrimination-free health workforce.
  7. Strengthen mechanisms and frameworks for monitoring, evaluation and accountability for discrimination-free health care.

 

 

 

LEADING THE WAY

 

 

One year on after the launch of the Agenda for Zero Discrimination in Health Care, there is increasing support for cohesive actions as well as an understanding that more needs to be done, better and more effectively, for achieving discrimination-free health care for all. Some examples of progress made in the past year include the following:

 

>A virtual community of practice, Equal Health for All, has been created to facilitate communication, collaboration and experience sharing in the framework of the action plan. Over the year, its membership grew to more than 160 members from more than 70 organizations.

>A Regional Support Strategy for Zero Discrimination in Healthcare Settings in Asia and the Pacific has been developed and a regional meeting is being convened by UNAIDS, USAID and the Governments of Thailand and the Lao People’s Democratic Republic.

>Thailand has embarked on systematically monitoring stigma and discrimination in health-care settings, with data collected in 22 provinces. The Ministry of Public Health is rolling out an accelerated system-wide stigma reduction programme in collaboration with civil society and concerned communities.

>In-person HIV related stigma and discrimination reduction training for health-care staff has been implemented in four Thai provinces, with plans for a national scale-up in 2017. An e-learning tool is also being developed.

>In Malawi, the National Association of People Living With and Affected by AIDS, in partnership with Airtel Malawi and UNAIDS, is using an SMS-based reporting system to provide real-time monitoring for stock-outs of antiretroviral medicines and tuberculosis medicines and experiences of stigma and discrimination faced by people living with HIV in the health-care sector. 

>In Argentina, 21 service centres friendly to lesbian, gay, bisexual, transgender and intersex (LGBTI) people aim to increase the accessibility and acceptability of health services to LGBTI people. The components of the services include the training of health-care professionals on the specific health-care needs of LGBTI people as well as on non-discrimination, accessible opening hours, and the active involvement of the target population in the design and the functioning of the services and multidisciplinary teams that provide integrated health and social services.

 

 

DISCRIMINATION-FREE HEALTH-CARE SETTINGS

IS YOUR HEALTH FACILITY FREE FROM DISCRIMINATION? MINIMUM STANDARDS HEALTH-CARE SETTINGS COULD USE TO ENSURE A DISCRIMINATION-FREE ENVIRONMENT FOR PATIENTS AND HEALTH-CARE PROVIDERS INCLUDE THE FOLLOWING:

 

01.THE HEALTH-CARE CENTRE SHOULD PROVIDE TIMELY AND QUALITY HEALTH CARE TO ALL PEOPLE IN NEED, REGARDLESS OF GENDER, NATIONALITY, AGE, DISABILITY, ETHNIC ORIGIN, SEXUAL ORIENTATION, RELIGION, LANGUAGE, SOCIOECONOMIC STATUS, HIV OR OTHER HEALTH STATUS, OR ANY OTHER GROUNDS.

 

 

02.INFORMED CONSENT IS REQUESTED FROM THE PATIENT BEFORE ANY TESTS ARE CARRIED OUT OR ANY TREATMENT IS PRESCRIBED. FURTHERMORE, PATIENTS ARE NOT FORCED TO TAKE UP OR REQUEST ANY SERVICES.

  1. HEALTH-CARE PROVIDERS RESPECT THE PATIENT’S PRIVACY AND CONFIDENTIALITY AT ALL TIMES.

04.HEALTH-CARE PROVIDERS ARE REGULARLY TRAINED AND HAVE SUFFICIENT CAPACITIES AND COMPETENCIES TO PROVIDE SERVICES FREE FROM STIGMA AND DISCRIMINATION.

05.THE HEALTH-CARE CENTRE HAS MECHANISMS IN PLACE TO REDRESS EPISODES OF DISCRIMINATION AND VIOLATION OF THE RIGHTS OF ITS CLIENTS AND ENSURE ACCOUNTABILITY.

06.THE HEALTH-CARE CENTRE ENSURES THE PARTICIPATION OF AFFECTED COMMUNITIES IN THE DEVELOPMENT OF POLICIES AND PROGRAMMES PROMOTING EQUALITY AND NON-DISCRIMINATION IN HEALTH CARE.

 

HIV陽性者参加支援スカラシップ、最後の報告会 TOP-HAT News第102号(2017年2月)

 《日本エイズ学会へのHIV陽性者参加支援スカラシップは2006年に東京で開かれた第20回学会の際に創設されました。「医療従事者だけでなく、HIV感染の当事者にも開かれた学会にしたい」ということで、『自ら動き出したHIV陽性者たち』と題したシンポジウムが企画され、その参加者に旅費などを支援するスカラシップが設けられたのです》

 東京都のメルマガでもすでに紹介されていますが、TOP-HAT News第102号(2017年2月)を再掲します。今回は《陽性者参加支援スカラシップ、最後の報告会》を中心に編集しました。《この11年間で35都道府県のHIV陽性者延べ450人がスカラシップを受けて学会に参加した》ということです。スカラシップは今回でいったん終了となりましたが、プログラムに携わってきた人たちは、これまでの支援制度の趣旨を生かし、新たな枠組みを模索しているということです。

 

 

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TOP-HAT News(トップ・ハット・ニュース)

        第102号(2017年2月)

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  TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。

なお、東京都発行のメルマガ「東京都エイズ通信」にもTOP-HAT Newsのコンテンツが掲載されています。購読登録手続きは http://www.mag2.com/m/0001002629.html  で。

    エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部

 

  ◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

  1 はじめに 陽性者参加支援スカラシップ、最後の報告会

  2 MAKE SOME NOISE

  3    HIV自己検査推奨ガイドライン(WHO)

  4    エイズ予防指針見直し

    ◇◆◇◆◇◆

 

1 はじめに 陽性者参加支援スカラシップ、最後の報告会

 HIV陽性者による第30回日本エイズ学会報告会が2月19日(日)午後、東京・高田馬場のエムワイ貸会議室高田馬場で開かれました。昨年11月に鹿児島で開かれた第30回日本エイズ学会学術集会・総会への参加支援スカラシップを受けた人たちの報告会ですが、今回は例年の会合とは少し趣が異なっていました。現行スカラシップ制度が第30回エイズ学会をもって終了するからです。

 日本エイズ学会へのHIV陽性者参加支援スカラシップは2006年に東京で開かれた第20回学会の際に創設されました。「医療従事者だけでなく、HIV感染の当事者にも開かれた学会にしたい」ということで、『自ら動き出したHIV陽性者たち』と題したシンポジウムが企画され、その参加者に旅費などを支援するスカラシップが設けられたのです。

 社会福祉法人はばたき福祉事業団、特定非営利活動法人ぷれいす東京、特定非営利活動法人日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラスが中心になって運営するスカラシップ委員会はその後も毎年、HIV陽性者の学会参加を支援してきました。スカラシップの資金は製薬会社などの企業、個人からの寄付や助成金により独立した運営体制を組み、2009年の23回学会(名古屋)からは、参加のための登録証は学術集会から提供されるようになっています。

 昨年からは委員会を発展させた一般社団法人HIV陽性者支援協会がスカラシップの運営を担当していましたが、スカラシップ終了に伴い、支援協会も今年4月30日で解散することが決まりました。

 個人の旅費などの支援に対しては、寄付が得にくくなっていること、11年間の活動でHIV陽性者の交流のネットワークが全国にでき、スカラシップ創設の初期目標が一定程度、達成されたことなどが終了の理由だということです。

 2月19日の報告会では、これまでの活動のまとめも報告されました。この11年間で35都道府県のHIV陽性者延べ450人がスカラシップを受けて学会に参加しています。

 このスカラシップ制度のおかげで、学会や医学関係者には、当事者の視点や発想に触れる貴重な機会が得られることになりました。また、全国各地でHIV陽性者による地域の活動が活性化するきっかけにもなりました。学会で発表をする陽性者も増えています。

 HIV陽性者にとっては、情報収集や他の陽性者とのネットワーク作りのほか、学会での議論を通して、診察室では知ることができなかった医療従事者の熱い情熱に接し、主治医を見直すといった現象もあったようです。

 国際的なエイズ対策にはGIPAという大原則があります。「HIV陽性者のより積極的な参加」と訳される英語の頭文字です。当事者の人生や生活に大きな影響のある政策には、企画、策定、実施、評価のすべての段階に当事者自身が意味のあるかたちで参加できる枠組みを保証しなければならないという趣旨です。

 しかし、HIV陽性者が社会的に孤立したままでは、そもそもGIPAは成り立ちません。陽性者が学会に参加し、自らの考え方を語る場も獲得することを支援し、可能にするスカラシップは、わが国のGIPAを下支えし、より効果的な予防や支援の対策を実現するうえでも貴重な制度でした。かたちとしては個人の旅費に対する援助でも、それが個人にとどまらず、実は公益の実現に資する有効な資金活用である。こうした当然過ぎる考え方すら社会的に理解されにくくなっているとしたら、わが国のエイズ対策は大きな壁に直面していると言わざるをえません。その壁とは何でしょうか。錯綜する論理の糸を解きほぐしつつ、よく考えていく必要がありそうです。

 今年11月の第31回日本エイズ学会で会長を務める ぷれいす東京の生島嗣代表は報告会で、これまでの支援制度の趣旨を生かした新たな枠組みの検討を進めていることを明らかにしました。これを機会に新たな時代の条件に即した新しい枠組みが生まれることを期待したいですね。

 

2 MAKE SOME NOISE

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)が3月1日の差別ゼロデーに向けたキャンペーンを公式サイトで展開しています。今年のテーマは『MAKE SOME NOISE』です。日本語だと、声を上げようといったところでしょうか。「ノイズ」をあげるために以下のような行動を呼びかけています。

  UNAIDSの公式サイトからスピーチバブルという吹き出しカードのようなものをダウンロードする。

 →そこにメッセージを書いて写真を撮る。

  →その写真をキャンペーンのFacebookページに投稿する。

 差別ゼロデーのキャンペーンは2年前にスタートし、今年で3回目。詳しくはUNAIDSのサイトをご覧下さい。

http://www.unaids.org/en/

日本語による紹介はこちら(コミュニティアクション)

http://www.ca-aids.jp/features/177_make_some_noise.html

 

3 HIV自己検査推奨ガイドライン(WHO)

 世界保健機関(WHO)は昨年11月29日、HIVの自己検査を推奨するガイドラインを発表しました。《HIV自己検査(HIVST)はより多くのHIV陽性者に検査を受けてもらう有望かつ革新的な方法であり、国連の90-90-90の第1目標-2020年までにHIVに感染している人の90%が自らの感染を知る-の達成を助けることになる》ということです。

 WHOが自己検査について短く説明した政策解説パンフレットもあわせて発表され、API-Net(エイズ情報ネット)にはそのPDF日本語版(仮訳)が掲載されています。

http://api-net.jfap.or.jp/status/world.html#a20170120n1

 なお、自己検査についてはあくまでWHOの推奨であり、日本が国内エイズ政策の中で、自己検査を勧めているわけではありません。API-Netにも《現時点では10%近い見落としがあり得る検査です。また、日本での自己検査の導入については今後十分な検討が必要と思われます》という注釈付きの掲載となっています。

 

4 エイズ予防指針見直し

 厚生科学審議会のエイズ性感染症小委員会が現在、エイズ予防指針および性感染症予防指針の見直しに向けた検討を進めています。これらの指針は感染症法基づき、ほぼ5年に一度、見直しが行われることになっており、今回が3度目です。

 小委員会のスケジュールや資料、議事録は厚生労働省のサイトで見ることができます。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=403928

 

 

雲は湧き 光溢れて~

 あっと、これは高校野球の歌だったか。3月になりました。風はまだ冷たいけれど、もうひと息ですね。路地散策は鎌倉の魅力の一つ。ついつい分け入ってみたくなる小道が、あっちにも、こっちにも、ということで・・・お住まいの方の迷惑にならない範囲で楽しませていただきましょう。

 

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 先週末、土曜日の写真です。したがってまだ2月でしたが、大町の八雲神社から少し下馬交差点の方に歩いたあたりで、夏みかんが春の日射しを浴びて輝いていました。このまま歩いて行くとどこに出るのかなあ、と思ったら。

 

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 時宗の教恩寺ですね。小さなお寺ですが、街中にあってこのひっそりとしたたたずまい。いいなあ。鎌倉観光文化検定公式テキストブックには「本堂の本尊阿弥陀如来像は運慶作といわれる」と書かれています。昔、この付近は米町と呼ばれたようで、もう一筋離れた路地の奥には「米町マフィン」というおいしいマフィン屋さんもあります。

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 こちらは路地ではなくて、大町と下馬交差点(つまり若宮大路)の間にある横須賀線の踏切り。後ろの青空と雲が見事でした。うっかりすると夏雲のような錯覚も・・・しないか。

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 運が悪いと、鎌倉駅に停車した電車が走り出して通りすぎるまで、延々とまたなければならないこともありますが、ま、急ぐわけでもないし・・・ということで、電車がくるのを待って一枚。某タレントさんのように叱られるといけないので、ちゃんと踏切の外から撮っています。

横ばい傾向続く 東京都HIV感染者報告

 メルマガ東京都エイズ通信の第114号が発行されました。今年1月2日から2月21日までの東京のHIV感染者報告数が紹介されています。
 http://archives.mag2.com/0001002629/?l=nzj09bf662

 平成29年1月2日から平成29年2月21日までの感染者報告数(東京都)
  ※()は昨年同時期の報告数
    HIV感染者    49件 (51件)   
    AIDS患者     16件 (13件)   
     合計        65件 (64件)

 HIV感染者数、AIDS患者数ともに昨年同時期と同程度のペースで報告されています。]

                ◇

 昨年同時期とほぼ同数ですね。内訳を見ると新規HIV感染者報告がちょっと減って、エイズ患者報告はちょっと増えたかたちになっています。2カ月だけで傾向を判断するのは早計に過ぎますが、東京都内の報告は1昨年かなり減り、昨年はまた少し増加に転じ、結果として横ばい傾向かなあという印象です。基本的にはその状態が続いている(つまり、増加を抑えている)ということは、東京の場合、感染が集中的に報告されているコミュニティでの努力が一定の(あるいはそれ以上の)成果をあげていることだと評価すべきでしょう。
 統計情報に基づく専門家のお話を聞くと、微減の傾向も現れているということのようですが、コミュニティの努力に対するサポートがなくなってしまえば、そうした傾向もおそらくは消え、別の傾向が顕著になってくるでしょう。
 T as PがT as P単独では成立しないといった程度の智恵は政策決定者、あるいはそれに影響を与える発言者にも求められるのではないかという印象もますます強くなります(注:最後の2行は東京都の専門家会議ではなく、厚労省の委員会を傍聴した際の感想でした。話が跳んでもうしわけありません)。

エイズ&ソサエティ研究会議(JASA)第125回フォーラム『エイズ予防指針見直し傍聴報告』 3月21日(火)

 昨年12月から続けられているエイズ予防指針の改訂に向けた議論をテーマにフォーラムを開催します。

 日時:2017年3月21日(火)午後7時~8時半
    場所:ねぎし内科診療所(地下鉄丸ノ内線四谷三丁目1番出口)
    東京都新宿区四谷三丁目9 光明堂ビル5階
     http://www1.odn.ne.jp/negishi-naika/basho.html
参加費:1000円
問い合わせ:エイズ&ソサエティ研究会議事務局 yz235887@za3.so-net.ne.jp

 

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 《感染症法に基づくエイズ予防指針は1989年に告示されて以来、ほぼ5年をメドに見直しが行われています。医学研究の成果や社会的環境の変化などを踏まえ、流行の現状により即した対策を実施していくための見直しです。これまでに2度にわたる改訂があり、今回が3度目の見直しとなります。
 昨年12月に厚生科学審議会エイズ性感染症小委員会で検証作業がスタートし、今年2月までに3回の会合が開かれました。4回目の会合は4月になる見通しです。
 今回はエイズ性感染症の2つの予防指針の見直しが同時に進められていることが大きな特徴です。また、エイズ予防指針については最近のHIV治療の進歩と研究の成果を踏まえ、予防としての治療(T as P)の考え方をどこまで指針に反映させるか、HIV感染にまつわる社会的な諸課題への対応にそうした発想がどのように影響していくのかが焦点となっています》

 厚生科学審議会エイズ性感染症小委員会については、厚労省の公式サイトに資料や議事録が掲載されています。こちらから。
 

「HIV.gov」に名称変更へ 

 米国政府のHIV/エイズ啓発サイト「AIDS.gov」の名称がこの春から「HIV.gov」に変更になるそうです。昨年の世界エイズデー(12月1日)の前日にAIDS.govのコミュニケーション担当の方が公式サイトのブログで変更方針を発表しました。その日本語仮訳です。

 春というのは3月なのか、4月なのか。ブログには明確な期日は示されていませんが、変更されればすぐに分かることですね。

 なぜ変更するのかという背景説明も載っています。抗レトロウイルス治療の進歩で、HIVに感染した人の多くがエイズを発症せずに長く生きていること、サイトの検索にもキーワードとして「エイズ」より「HIV」の方が多く使われるようになっていることなどが理由として挙げられています。

 米保健福祉省HIV/エイズ感染症政策事務所のRichard Wolitski所長(事務所の名称、所長の名前の読み方、そして、そもそもこの方が所長なのかどうかも私は知らないので、詳しい方がいらしたら教えてください)という方の「HIVの感染を止めるという意味でも、HIVで健康が損なわれるのを防ぐという意味でも、名称変更により私たちすべてがより明確にHIV終結を目指していくことができます」コメントも最後に紹介されています。世間的には「エイズ」の方が通りはいいけれど、これまでの医学的な研究の成果とHIVに感染している人たちの生活の実情を踏まえれば、「HIV」をもっと強調すべきだという考え方に基づく変更ということのようです。

 ところで、日本ではどうなのか。

 「エイズ」という呼び方も、もともと英語由来の名称(というか略称)で、それが日本語化されるほどに根付いてしまったという事情が根底にあります。また、個人的には、HIVをなるべく使用するよう試みつつも、なかなか広がらないなあという実感もあります。そうしたことを考えながらエイズHIVを使い分け、今日に至るという面もあるので、激変は困難でしょう。今後も併用状態を認めつつ、それでもHIVエイズの違いを機会あるごとに説明する労はいとわず、徐々にでもHIVへの移行を進めていくといったところでしょうか。

 

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HIV.gov」に名称変更へ

 2016年11月30日、ミゲル・ゴメス、AIDS.govディレクター兼コミュニケーション担当上級顧問、米保健福祉省HIV/エイズ感染症政策事務所

https://blog.aids.gov/2016/11/we-are-changing-our-name-to-hiv-gov.html?hpslider=4

 

 世界エイズデーに際し、AIDS.govの名称を2017年春から、HIV.govに変更することを公表します。

 

なぜ変えるのか

 私たちは科学的成果とデータに基づき、利用者の声を集めてコミュニティのニーズに対応することを約束してきました。名称変更はこの約束を尊重するものです。科学的成果を反映したプログラムを進めていきたいと考えるからです。また、HIVという用語を使用する投稿者が増え、ウェッブサイトの情報検索も「HIVエイズ」で行われることが多くなっています。

 名称変更の準備にあたり、更新とフィードバックを皆さんと共有したいと考えています。変更後は「AIDS.gov」でこのプログラムを検索するユーザーが自動的に新しいURL(またはアドレス)につながる予定です。このプログラムは保健福祉省のマイノリティ・エイズ・イニシアティブ基金(SMAIF)の資金で運営されています。

 情報は迅速に共有したいと思います。詳細は下記をご覧下さい。フィードバックをお待ちしています。

 

背景

 

なぜ変更するのか

 HIVエイズの語られ方について、私たちは1年以上前から注目し、名称変更に関するパートナーや利用者の意見を集めてきました。また、他のウェブサイトやソーシャルメディアで使われている用語も調べ、その用語が当サイトではどう使われているかも確認してきました。その結果、以下のようなことが分かりました:

 

・科学は進歩している: 流行の初期から「エイズ」という用語は社会に広く浸透しています。研究者がエイズの原因を特定し、国際科学機関がその原因ウイルスをヒト免疫不全ウイルス(HIV)と命名する以前に、広く報道で使われたからです。

   現在では早期に検査で診断され、ケアにつながり、抗レトロウイルス治療(ART)を開始し、処方通りに治療を継続しているHIV陽性者は、生涯にわたってウイルス量を検出限界以下に抑え、エイズの発症を防ぐことができます。ウイルス量が抑えられているので、HIV陽性者(PLWH)の健康状態は改善し、HIV関連の死亡が減り、他の人への感染を防ぐこともできます。

   エイズはなくなったわけではありません。米国でも世界全体でも、多くの人がエイズを発症し、その併発症で亡くなっています。しかし、HIV感染の治療は何年にもわたって改善を重ねてきました。エイズはすでにHIV感染の避けがたい結果というわけではありません。ウイルス量を極めて低く、あるいは検出限界以下に抑え、エイズの発症を未然に食い止めることが現在のHIV医療ケアの第一目標となっています。効果的なARTにより、過去にエイズと診断された人も含め、ほとんどすべてのHIV陽性者がウイルス量の抑制を達成することができます。

   エイズではなくHIVに焦点をあてる理由はほかにもあります。一連の科学的成果によりHIV感染予防策は2010年以降、劇的に改善しました。HIV陽性者が早期に治療を受ければ、HIV陰性のパートナーへの感染は93%も減らせることが長期的な追跡調査で明らかにされています(HPTN052)。また、抗HIV薬の錠剤を1日1回服用することで、HIV陰性の人の感染リスクも大きく下げることができます。(iPrEx研究、TDF2研究、パートナーPrEP試験)。

・検索が変化している: 当サイトのインターネット検索は現在、「エイズ」よりも「HIV」の方が2倍も多くなっています。さらに私たちが加わるソーシャルメディアの会話でも“#HIV”という用語がフォーカスされています。名称をHIV.govに変えることで、ユーザーに必要な情報を提供するための私たちの能力が高くなります。

 ・ストーリーは進化している:流行の初期には、「エイズ・ビクティム(エイズの犠牲者)」という呼び方がしばしばなされました。しかし、エイズを発症した人の多くはそう呼ばれることに異を唱えています。自らを「犠牲者」とは思っていないからです。多くの人が「ピープル・ウィズ・エイズ」と呼ぶように求めています。HIV陽性者が自ら選んだ用語で自己を定義する動きの出発点でした

 

 現在では国内のHIV陽性者の多くが自分自身およびより広いHIVコミュニティについて議論をするときには、「エイズ」よりも「HIV」という言葉を使っています。

 コミュニティによるコミュニティのための他のサイトと同様、私たちのサイトのPositive Spin digital storytelling initiativeやBlack Voicesブログシリーズでもそうした動向は確認できます。

 

パートナーの意見は?

 名称変更の議論は、35年におよぶ対策の成果の反映であり、HIV陽性者が長く、健康的に生きていけるようになったことで、その必要性はますます強くなっています。

 私たちのパートナーも、「エイズ」という言葉がHIV感染のリスクに直面するキーポピュレーションへのサービス提供を困難にしていると指摘しています。「有色人種のコミュニティやLGBTコミュニティの若者が保健医療システムを避けるのは、エイズにまつわるスティグマをより多く経験しているからです。HIVについて現状を話し、それは死の宣告ではないと伝えることができれば、多くの人が診療所を訪れ、治療を受け、生きていけるようになるのです。他の医師もエイズの発想から抜け出し、人びとが生きていく助けになることを歓迎すると思います」とワレン・バンス・コミュニティ診療所のミシェル・コリンズ・オグレさんは語っています。

 「多数の人の努力と闘いの継続により、やっとここまできました。私が今の仕事を始めた1985年には、HIVに感染して生きることのリアリティは、現在とはまったく異なっていました。その成果をいかに嬉しく思っているか、説明もできないほどです。それでもまだ、私たちの仕事は終わりにはほど遠い状態です」と米保健福祉省HIV/エイズ感染症政策事務所長、リチャード・ウォリツキ博士は述べています。「HIV陽性者は、HIVに感染していない人と同じくらい長く生きられるようになりました。私はHIVに感染して20年以上生きていますが、エイズを発症するとは思っていません」

 ウォリツキ博士は次のように指摘しています:「HIVの感染を止めるという意味でも、HIVで健康が損なわれるのを防ぐという意味でも、名称変更により私たちすべてがより明確にHIV終結を目指していくことができます。HIV感染の防止とHIVケアの改善に献身的努力を続けている人たち、そしてエイズと診断されたか否かを問わず、私たちの中のHIVに感染している人たちのすべてが対象なのです。これからもHIV感染のリスクにさらされているすべての人たち、HIV陽性のすべての人たちのニーズに対応できるように活動を続けていきます。エイズを発症している人とそうでないHIV陽性者では、経験もニーズも異なっていること、そしてそれを考慮しながら活動を続けていく必要があることも理解しています。私たちすべてが、流行の終結という夢に向け、力をあわせて活動していく必要があります。目標の達成はすでに私たちの視野に入っています。ただし、まだ終わったわけではありません」

 

 

We Are Changing Our Name To: “HIV.gov”

 

November 30, 2016 • By Miguel Gomez, Director, AIDS.gov, and Senior Communications Advisor, Office of HIV/AIDS and Infectious Disease Policy, U.S. Department of Health and Human Services

 

 

This week of World AIDS Day, we are announcing that we will be changing our name from AIDS.gov to HIV.gov in the spring of 2017.

 

Why the name change?

 

We write frequently about our commitments to following the science, tracking data, gathering user feedback, and responding to the community’s needs—and our name change honors those commitments. We want our program to reflect today’s science, as well as the terms most of our visitors use to tell their stories about HIV or to search for information about HIV and AIDS on our website.

 

As we prepare for this name change, we’ll share updates and feedback we receive. After the changeover, our program, which is funded through the Secretary’s Minority AIDS Initiative Fund (SMAIF), will automatically redirect users who search for “AIDS.gov” to the new URL (or web address).

 

We look forward to sharing more with you soon! For more details about our name change, read below. And we look forward to your feedback.

 

 

Background

What factors are driving the change?

 

For more than a year, we’ve been listening to how people talk about HIV and AIDS, and we asked our partners and users for their input on the name change. We’ve also been watching how the terms are used on other websites and social media, and we assessed how they’re used on our site. Here’s what we found:

 

    Science is advancing: In the beginning of the epidemic, the term “AIDS” became implanted in the public’s mind because it was used in the popular press before researchers identified the cause of AIDS and an international committee of scientists named it the Human Immunodeficiency Virus (HIV).

 

Today, people with HIV who are diagnosed early, linked to care, start antiretroviral therapy (ART), and take it as prescribed, can achieve life-long viral suppression that prevents HIV infection from progressing to AIDS. Viral suppression improves health outcomes for people living with HIV (PLWH), reduces HIV-related deaths, and prevents transmission of the virus to others.

 

AIDS has not gone away. People in the United States and around the world still develop AIDS and die from its complications. But as our ability to treat HIV infection has improved again and again over the years, AIDS is no longer an expected outcome of having HIV. Today, stopping the progression of the disease before AIDS develops by suppressing the virus to very low or undetectable levels is the primary aim of HIV medical care. Effective ART means that almost everyone living with HIV can achieve viral suppression, including many of those who had been diagnosed with AIDS in the past.

 

There are other reasons for focusing now on HIV rather than AIDS. Since 2010, a string of major scientific advances have dramatically improved our ability to prevent HIV transmission. Key studies showed that early treatment of PLWH could reduce transmission of the virus to HIV-negative partners by 93% over extended follow-up (HPTN 052), and that taking a daily pill containing HIV drugs significantly lowered the risk of an HIV-negative person contracting the virus (iPrEx study, the TDF2 Study and the Partners PrEP trial ).

 

 

    Searches are changing: Today, twice the number of people who come to our website from internet searches use the term “HIV” rather than “AIDS.” In addition, the majority of the social media conversations we participate in focus on the term “#HIV.” Changing our name to HIV.gov will improve our ability to help our users find the information they need.

 

Stories are evolving: In the early days of the epidemic, the public often referred to “AIDS victims.” But many people living with AIDS pushed back against that term because they did not see themselves as “victims.” They asked to be called “people with AIDS,” and this marked the beginning of a movement by those with HIV to define themselves on their own terms.

 

Now many of the people living with HIV with whom we work across the nation use the term “HIV” more often than “AIDS” to discuss themselves and the wider HIV community.

 

We see this in the personal stories shared by those who are HIV-positive in our Positive Spin digital storytelling initiative and in our Black Voices blog series, as well as in other resources by and for the community.

 

 

 

 

What did our partners say?

 

Our partners tell us that the pending name change reflects the progress we’ve made over 35 years of the epidemic and reinforces that it’s now possible for individuals to live long and healthy lives with HIV.

 

Our partners also noted that the term “AIDS” continues to make it difficult to serve key populations at risk for/living with HIV infection. “A big reason youth from communities of color and the LGBT community don’t come into the healthcare system is because they experience more stigma associated with AIDS. Talking about HIV in its current state and that it’s not a death sentence helps people come into my clinic, get on treatment, and be able to live life. I think other physicians would also welcome the chance to get out of the AIDS mindset and help people live,” said Michelle Collins Ogle, at the Warren-Vance Community Health Center, Inc.

 

“So many people have worked so hard and fought for so long to get us to this place. I started doing this work in 1985 when the reality of living with HIV was so very different than it is today. I cannot tell you how happy I am about the progress that has been made, but our work is far from over,” said Dr. Richard Wolitski, Director of the HHS Office of HIV/AIDS and Infectious Disease Policy. “Now people with HIV can live just as long as their HIV-negative peers. I’ve been living with HIV for more than 20 years, and I don’t expect to ever develop AIDS.”

 

Wolitski noted: “This change focuses all of us more clearly on ending HIV, whether that’s stopping transmission or preventing the destructive effects of HIV on the body. It represents all of us who are dedicated to stopping HIV transmission and improving HIV care, as well as those of us who are living with HIV, regardless of whether we have been diagnosed with AIDS. We will continue working to address the needs of all people who are at risk for, or living with, HIV. We understand that the experiences and needs of people living with AIDS can be different from those of other people living with HIV and that we all need to take this into account in the work that we do. Together we’ll continue to work toward our dream of seeing the end of this epidemic. It is within our grasp, but our work is not over yet.”