プライドハウス東京が『森喜朗会長の発言を受けての今後の対応に関する公開質問状』 エイズと社会ウェブ版545

 東京2020大会「公認プログラム」の認証を受けているプライドハウス東京が2月8日、『森喜朗会長の発言を受けての今後の対応に関する公開質問状』を東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に提出しました。プライドハウス東京公式サイトの『ニュース/レポート」欄に質問状全文が掲載されています。

 https://pridehouse.jp/news/1211/

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 提出者は『プライドハウス東京コンソーシアムの松中権代表およびメンバー一同』です。質問状はまず、今回の森会長の発言に関し、次のように経緯を説明しています。

 『各種メディアにて、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以降、東京2020組織委員会)の会長・森喜朗氏が、2021年2月3日に開催された公益財団法人日本オリンピック委員会の臨時評議員会において、「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」等の発言をし、翌日の2月4日の記者会見で「不適切な表現であった」と認め、発言について謝罪、撤回したことが報じられました。会議参加者は、その発言を黙認したとも言われています》

 そのうえで『森氏の発言および会議参加者の対応』について『オリンピック憲章「オリンピズムの根本原則6」に反する不適切な行動』と受け止め以下の2点を質問しています。

 

 1)このような性別および性的指向性自認等に関する差別的な発言や行動が起こらないためにどのような方針を立てているか。

 2)実際に起こってしまった際に具体的にどのように対応する計画なのか。

 

 プライドハウス東京コンソーシアムは2018年発足。『日本におけるLGBTQをはじめとしたセクシュアル・マイノリティに関する理解をひろげる活動、および、性別・性的指向性自認等を問わず全ての人が安心して過ごせる環境づくりに向けた活動』を進めるために、NPO・専門家・企業・大使館などが領域をこえて参加しています。2020年10月には常設の総合LGBTQセンター「プライドハウス東京レガシー」(東京・新宿)を開設。東京2020大会ビジョンのひとつである「多様性と調和」に共鳴して大会の「公認プログラム」に応募し、認証を受けています。

 

(蛇足)  何かと言動が批判にさらされることが多い高齢おじさん層の一人としては、及び腰の反応で恐縮ですが、こうした質問状が公認プログラムの担い手から出されることは極めて重要かつ意義深いことだと思います。問題をすぐに東京オリンピックパラリンピックの開催是非論に結びつけるのではなく、オリンピック憲章の理念をどう生かすかを考えることがまず大切です。組織委にもそうした観点から開催への条件整備に鋭意、取り組んでいかれることを望みます。自分のことを棚に上げて、よく言うよという批判は個人的に甘んじて受けます(なんの影響力もないけど)。