米国政府のHIV啓発サイト HIV.govのブログ欄に『Digital and Social Media Trends to Watch in 2018』というタイトルの投稿がありました。日本語に訳すと『デジタルとソーシャルメディアの2018年トレンドをさぐる』といった感じでしょうか。
投稿者はHIV.govチームとなっています。英文投稿はこちらで見ることができます。
www.hiv.gov
私はデジタル技術にもソーシャルメディアにもまったく疎いので、何を言っているんだか分からず、英文をそのままカタカナ表記にして誤魔化しているところもかなりありますが、一応、日本語仮訳を試みました。ほぼ全文に近い要旨を以下に紹介します。
下手に解説などをつけると、たちまち「あんたに言われたくないよ」と突っ込みが入りそうなので自粛しておきますが、分からないなりに、そういうことですかと思う部分もけっこうあります。
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『デジタルとソーシャルメディアの2018年トレンドをさぐる』(HIV.govから)
新たなトレンドに対し、HIV.govチームは次のような視点で分析しています。
・この新たな技術/ツール/トレンドは視聴者につながるうえで役立つか。
・この新たな技術/ツール/トレンドは戦略的ゴールの達成に役立つか。
2018年の計画策定にあたり、HIV.govチームはメンバーによる2018年注目ソーシャルメディア・トレンドの予測投票を行いました。以下がその概略です。
・人工知能(AI)の利用はさらに広がる。
・小スクリーン向けにデザインしたビデオがさらに増える。
・チャットボットは単にツールであるだけでなく、マーケティング経路にもなる。
・ソーシャルメディアはブランドコンテンツとパーソナルコンテンツに分かれる傾向が続く。
・個別化(personalized)コンテンツが自動提示(automated)コンテンツにとって代わる。
・ネットで影響力を持つ人(online influencer)の力がさらに大きくなる。
・音声技術が定着する。
・保健通信機能(health communicators)が行動変容に向けた「マイクロモーメント(意図の即時実現)」(micro moments)に活用される。
人工知能(AI)の利用はさらに広がる。
サイエンスフィクションの話ではありません。AIのデジタルコミュニケーションは、あなたが考える以上に普及しているでしょう。マーケッターの53%が過去1年にAIを使ったと答えています。AIツールは、新たな販路を試す、各ユーザーの個別化したウェッブやデジタルコンテンツに合わせる、利用者のより賢明な判断を助けるといったことを通し、データとメトリックスを利用して、デジタルコミュニケーションの拡大をはかることができるのです。今年初めにロサンゼルスで試験運用を開始したAIツール「HEALER」のように、AIは視聴者を特定し、対象をしぼった情報を伝えることもできます。10代の若者にHIV情報を提供し、HIVや他の性感染症の検査を勧めるツールです。
小スクリーン向けにデザインしたビデオがさらに増える。
AIと同じように、ビデオも新しく登場するものではありませんが、2018年にはビデオ消費が25%増え、ユーザーはデスクトップよりもモバイルのスマートフォンで見る傾向が続くと専門家は予想しています。各組織はビデオコンテンツとして何を優先させるかを考えることになるでしょう。モバイルに適したビデオの編集は当然です。もっと知りたい?この前のブログ投稿でビデオについて取り上げています。
チャットボットは単にツールであるだけでなく、マーケティング経路にもなる。
2017年末にはチャットボッツが追加機能ではなく、マーケティング経路に変化していることが見て取れました。チャットボット・メッセンジャーは、個別化したコンテンツを送れるという意味でほぼミニメールになっています。2018年には、伝えたい人に伝えたいメッセージを届けられるようになり、ソーシャルメディアよりもユーザーは多くなるでしょう。メッセージングappで送るコンテンツのオープン率は平均80%になります。それぞれの人が最も必要とする健康情報をそれぞれの人にあわせて送ることが、チャットボッツサービスを使えば考えられるのです。
ソーシャルメディアがブランドコンテンツとパーソナルコンテンツに分かれる動きが続く。
2017年にはフェイスブックが数カ国でデュアル(二重)ニュースの試験配信を始めました。ニュース配信を友達発のコンテンツとブランドやパブリッシャーからのコンテンツに分けたのです。同じようにSnapchatも最近、友達によるコンテンツとパブリッシャーもしくはインフルエンサーが作ったコンテンツを切り離すデザイン変更を行いました。このトレンドは他のソーシャルメディア・プラットフォームにも広がると予想するソーシャルメディア専門家もいます。
さよなら自動提示(automated)コンテンツ、ようこそ個別化(personalized)コンテンツ。
2017年には大量の視聴者を対象にするコンテンツは急速に縮小し、個別化コンテンツのエンゲージメント率が上昇するのを目撃してきました。視聴層はユニークであり、2018年もブランドや組織に対し、それぞれの個別化されたニーズに応えることを求めるでしょう。個別化コンテンツの作成には、まず視聴者について知る必要があります。情報を集めたら、保健関係の情報やサービスについてもeメールのようにそれぞれの視聴者に合わせたかたちで、個別のコンテンツ作成に取りかかれるようになります。こうしたトレンドの中で、各組織は全体のコンテンツ量を減らし、個別化して質の高いコンテンツの作成に力を入れるようになるかもしれません。
ネットで影響力を持つ人(online influencer)の力がさらに大きくなる。
2018年には視聴者は公式のブランドサイトから離れ、オンラインインフルエンサーを含むより「本物」の情報源を求めるでしょう。最近の研究によると、何を購入するかを判断する際にインフルエンサーの勧告に頼る視聴者は49%に達しています。一方で、インフルエンサーをフォローする人が増えれば、エンゲージメントは下がっていきます。エンゲージメントを最大化するにはマイクロ(中小)インフルエンサー(平均フォロワー数1万~10万)との協力が理想だろうとマーケッターの多くが考えています。マイクロインフルエンサーは、プロジェクトに多額のマーケッティング予算がつかなくても喜んで協力することが多く、保健分野の調査研究には極めて価値のあるパートナーになる可能性があるのです。マイクロインフルエンサーとの協力に興味がおありなら、コミュニティの中にどんなマイクロインフルエンサーがいるのか、視聴者評価を行ってみましょう。
「ようこそAlexa」。音声技術が定着する。
スマートフォン、コンピューター、タブレット、そしてスマートスピーカーは、音声を使って動かすことができます。デジタル専門家は2020年までに全検索の50%が音声検索になると予測しています。どういうことになるのでしょうか。保健コンテンツを音声検索する場合の用語を書いたりタグ付けしたりして、声を出して言うにはどんな用語が使いやすいか、そして保健施設やHIV検査施設を検索するのにどんな単語やフレーズが使われるのかを考えてみてください。
保健通信機能(health communicators)が行動変容に向けた「意図の即時実現」(マイクロモーメント micro moments)に活用される。
スマートフォンのおかげで、視聴者はインターネットにつながり、必要な時にすぐ検索し、情報を得て、購入することができるようになっています。視聴者がいつ、どのように、そしてなぜ、保健情報とサービスを検索するのかを理解すれば、2018年にはコンテンツのデザインとデジタル回路の活用によって、そのマイクロモーメントを利用できるようになります。音声技術(上記)と同じように、利用者がいつ、どのようにウェブサイトやソーシャルメディアでHIVとエイズに関する情報を探すのかを考え、マイクロモーメントを利用するのです。視聴者がどんなキーワードを使うのか。一日のうちのどんな時間帯にコンテンツを見るのか。チームとしてこうしたシナリオに沿って対応すれば、サイト上のキーワードやタグ付けの更新、ソーシャルメディアへの投稿を戦略的に行う時間の決定などが可能になります。
コミュニケーターにとって新たなトレンドとツールが進歩するスピードについていくのは大変です。でも、HIV.govチームがそのお手伝いをします。
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