ATLAS2018 東京編 エイズと社会ウェブ版266

 オランダのアムステルダム近郊にスタジオを持つフリーランスの写真家、マーヨライン・アンネガーンさんが東京を訪れ、4月18日に東京・新宿二丁目のコミュニティセンターaktaで日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス(JaNP+)理事の長谷川博史さんにインタビューを行いました。アンネガーンさんとともにビデオ機材の設定やインタビューの質問役を担っていた男性、ハンス・ヴァン・ダイクさんは、私の拙い英語ヒアリングが正しく機能していたとしたら、彼女の夫で、今回はアシスタントとして同行したということです。

 聞き間違いだったらごめんなさい。何しろ撮影後に一緒に食事をしたakta近くの中華料理店『随園』が大繁盛だったことから、飲みかつ語る人々の声がざわざわと響き合う中で、かろうじて音声を拾うかのような聞き取りになってしまったもので・・・ま、言い訳だけど。

 お二人は2018年7月にアムステルダムで開かれる第22回国際エイズ会議(AIDS2018)に向けたプロジェクトATLAS2018のスタッフです。えっ、なに? と思わず聞き返す人も多いのではないでしょうか。私も4月17日まではそうでした。つまり、まったく知らなかった。まずはこのプロジェクトの公式サイトをご覧いただきましょう。

 http://atlas2018.org/

 ABOUT US欄のチームというページにメンバーが紹介されています。それを見ると、アンネガーンさんはPhotographer、ヴァン・ダイクさんはCreative advisorとなっています。何となく分かったような、分からないような肩書きだけど、まあ、いいか。

 事前に大手町でエイズ動向委員会の岩本愛吉委員長のインタビューと撮影を行っていたそうで、岩本さんを含めた3人がakta到着したのはもう夕方でした。暗くならないうちに・・・ということで、akta前の路地でまず撮影。トワイライトの雰囲気が東京のゲイタウンに対する彼女のイメージにしっくりきたのかもしれませんね。

 

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 呼ばれたわけでもないのに、なぜか野次馬で参加していた私も便乗して、撮影風景を1枚、撮らせていただきました。

 

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 参考までにこちらは、インタビューを終えたマーヨラインさん、長谷川さん、岩本さんのスリーショット。ヴァン・ダイクさんはこういうとき、記念撮影の被写体側には入らず、撮影役にまわります。今回の東京ツアーの中心はマーヨラインさんということのようです。

 これも撮影後の食事の際に聞いた話ですが、マーヨラインさんは1986年に自らのHIV感染を知ったそうです。長谷川さんにaktaで会ったとき、ほおのこけ方が初期の治療薬の副作用に特有のもののようだったことから「長谷川さんはいつ感染したのだろうか」と思った。インタビューの結果、長谷川さんの方が感染の時期が少し遅いことが分かったので、「私が勝った」などと話していました。

 ご夫妻は翌日、ぷれいす東京を訪れ、スタッフ何人かともインタビューを行いました。東京ツアーの成果は5月にATLAS2018の公式サイトに報告される予定です。

そのときにはまた、紹介するとして、取りあえず予告編の《ATLAS 2018  東京のゲイメン》の日本語仮訳を作成しました。英文はこちら

 

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ATLAS 2018  東京のゲイメン

 UNAIDSの最新の統計によると、1億2700万の人口を有する日本国内のHIV陽性者数は1万7000人(0.013%)にとどまっています。他のアジア諸国と比べると非常に低く抑えられているのです。報告された感染症例の60%以上はゲイコミュニティからのものであり、したがってその多くが東京からの報告であることは驚くにあたりません。

 私たちは日本のHIVの流行がどうなっているのかということに関心があります。この大国には独特の歴史と文化があるからです。HIVの流行はゲイコミュニティにとってどんな意味があるのでしょうか。日本でHIVやセックスについて語るのは容易なのでしょうか、それとも困難なのでしょうか。HIVはタブーであるということなのか、あるいはもっと何かがあるのでしょうか。

 マーヨライン・アンネガーンとハンス・ヴァン・ダイクが2017年4月に東京を訪れ、HIV陽性者および何人かの政策決定者に面会し、写真を撮って話を聞きます。このページでは、写真、Volgs(ビデオ・ブログ)、テキストにより、日本における準備の最新情報と面会の様子をお伝えします。カンボジアの時と同じように、このページでは2017年5月から編集した動画、写真、記事を掲載する予定です。

 

【ATLAS2018 ‘I Will Speak, I Will Speak’】

 5大陸14カ国のHIV陽性者の顔と声を伝えるマルチメディア・プロジェクト。2015年に最初の発表が行われた。(AIDS2018)で全体のプレゼンテーションを予定している。(注:AIDS2018=第22回国際エイズ会議。オランダのアムステルダムで2018年7月23日から27日まで開催)

 

 

 

ATLAS 2018

Gay Men from Tokyo

 

According to the latest figures from UNAIDS, only 17,000 people (0.013%) of Japan’s 127 million live with HIV. That’s a manageable number compared with other Asian countries. More than 60% of the infections are found in the gay community, so it’s not surprising that the most registered infections are in Tokyo.

 

We’re curious about HIV in Japan because of this great country’s unique history and culture. What does the HIV epidemic mean to the gay community? How easy or difficult is it for people to communicate about sex and HIV in Japan? Is HIV a taboo, or is there more to it?

 

In April 2017 Marjolein Annegarn and Hans van Dijk will travel to Tokyo to make portraits, reports and stories about men with HIV and some policymakers. On this page we’ll keep you up to date with photos, vlogs, and texts about the final preparations and the meetings in Japan. As with the Cambodian material, from May 2017 you’ll find on this page the edited films, photo documents and written pieces.

 

ATLAS2018 ‘I Will Speak, I Will Speak’.

Multimedia project giving a face and voice to people with HIV and Aids in 14 countries and 5 continents. First publications 2015. Overview presentation: the biennial ‘Aids conference 2018’ to be held in Amsterdam, The Netherlands.