暮れなずむ海辺の町に夏神輿

 夕暮れの由比ガ浜通りを歩いていると、祭り囃子が聞こえてきました。鎌倉の夏祭りシーズンが幕をあけます。

 

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 葛原岡(くずはらおか)神社の例大祭。今年は6月4日(土)が宵宮祭、5日が本祭です。観光で訪れた人たちがほぼ引き上げ、静かな雰囲気となった町内に御神輿が繰り出しました。

 

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 静かなような、にぎやかなような・・・。提灯には「由比ヶ浜」「葛原岡神社」の文字。

 

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 葛原岡神社の境内は北鎌倉にほぼ隣接する源氏山公園にあり、後醍醐天応の側近だった日野俊基を祀っています。創建は1887年(明治20年)。海岸に近い由比ガ浜地区とはけっこう離れているのですが、この神社が由比ガ浜地区の鎮守となっています。
 日野俊基鎌倉時代末期に倒幕計画に加わり、それが発覚して京都でとらえられ、鎌倉に送られました。神社の公式サイトには次のように書かれています。
《しかし、俊基卿の身を心配された後醍醐天皇が鎌倉へ万里小路宣房(までのこうじのぶふさ)卿を派遣、とりなしに努めたので、翌年には京都へと戻ることが出来ました》
《その後も、後醍醐天皇は屈せず鎌倉倒幕の計画を進められ、俊基卿も楠木正成を説得して味方にするなど、天皇をお助けしておりましたが、元弘元(1331)年、またも計画が幕府に知られ、俊基卿は天皇をかばうため、再び捕らわれの身となりました》
《鎌倉へ送られた俊基卿は計画の中心人物として、翌元弘二(1332)年六月三日、幕府の手によって葛原岡にて悲劇のご最期を迎えられました》

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 6月の夕方、梅雨入り前の空は明るいような、暗いような・・・、何とも言えない色合いですね。