【鎌倉海びより】91 平成の段葛大改修

 隔週で火曜日のSANKEI EXPRESS紙に掲載されている連載コラムです。皆さん、よろしく。

【鎌倉海びより】91 平成の段葛大改修
 http://www.sankeibiz.jp/express/news/141125/exg1411250950001-n1.htm

 鶴岡八幡宮から由比ガ浜海岸まで真っすぐに伸びる若宮大路は全長約1.8キロ。鎌倉の中心軸と言ってもいいだろう。このうち八幡宮前の三の鳥居とJR鎌倉駅に近い二の鳥居の間の約500メートルは、道路の中央部に一段、高くなった参道があり、段葛(だんかずら)と呼ばれている。桜並木の参道が真ん中にあって、その両側が車道になっているというちょっと変わった構造だ。

 こんなことはいちいち説明しなくても分かっていますよ、という方も多いでしょうね。鎌倉を訪れたことがある人なら誰でもとまでは言わないまでも、大方の人が通る道である(と思う)。

 その段葛の大がかりな整備工事が11月から始まった。大きなこま犬に守られた二の鳥居の前にも工事用の柵が設けられ、残念ながら竣工(しゅんこう)予定の2016年3月31日まで通行はできないようだ=写真。

 

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 鶴岡八幡宮の公式サイトに段葛の由来と整備工事の趣旨が掲載されている。

  《養和2年(1182年)3月に源頼朝公が妻政子の安産を祈って造作させたと云(い)われています。「道の上に道を置く」形式の古参道は珍しく、現在は国指定史跡「鶴岡八幡宮境内」の一部に含まれています》

 元は海岸まで置き石の道が延びていたと推定されているが、室町時代地震で損壊したり、明治時代に横須賀線が通ったりして、だんだんと短くなっていったという。

 《両側の土塁部に桜が植樹されたのは大正6年(1917年)頃の大改修からで、昭和40年(65年)頃の大改修でほぼ現在の姿に整備されました》

 夜桜見物は春の楽しみの一つなのだが、最近はどうも花の勢いが衰えている印象もあった。参道の安全確保などとともに、美しい桜並木の回復、育成も整備工事の目的の一つに挙げられている。