【鎌倉海びより】120 大いなる変化の年に

 見出しの割に記事に力がこもっていない? 肩の力を抜いて続けてきたもので、急に力を込めようとしても・・・。 本日(5日)付SANKEI EXPRESSの連載コラム【鎌倉海びより】です。

 http://www.sankeibiz.jp/express/news/160105/exg1601051000001-n1.htm

 

【鎌倉海びより】120 大いなる変化の年に

 明けましておめでとうございます。今年はどんな年になるのか。4日が月曜日だったせいもあって、世の中はもう、さっさと動きだしている。
 内外の情勢を見ても、平穏無事だとか、天下太平だとかといったことは望めそうもない。変化をいとわずの心構えが必要ですね。宗教都市であり、観光都市でもある鎌倉もまた、大いなる変化の年を迎える。
 長谷の高徳院では間もなく、露座の大仏が「50年に一度の健康診断」と言われる保存修理に入る。3月前半までほぼ2カ月の間は、大仏様の周囲に足場が組まれ、「美男におわす」と歌に詠まれたお顔を拝することもできなくなってしまう。昨年暮れの撮影ではあるが、しばしのお別れということでお姿をご覧いただこう=写真。

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 鶴岡八幡宮境内にある神奈川県立近代博物館・鎌倉(鎌倉近代美術館)ではいま、65年の歴史の最後を飾る展覧会が開催中だ。展覧会最終日は1月31日。この後、敷地は3月末をもって鶴岡八幡宮に返還される。建物自体はその後も保存されるし、県立近代美術館の活動は今後も、葉山館と鎌倉別館の2館体制で続けられる。
 時代の流れというものもあろう。それは分かっていてもなお、わが国初の公立近代美術館とのお別れに一抹、あるいはそれ以上の寂しさを感じる人も少なくない。
 その八幡宮境内から海へと向かう若宮大路では2014年11月から段葛の改修工事が続けられていた。鎌倉の中心軸である大路の真ん中に一段高くなった参道が真っすぐ延び、車道は遠慮がちに両側を走る。
 その参道が1年以上もの間、フェンスで目隠しされていたのだが、最近は植樹された桜の枝がフェンスの上に頭を出し、並んで見えるようになった。完成間近。お花見復活が楽しみですね。