HIVにかかわる全ての人々に支援や働きかけを行ってきた特定非営利活動法人HIVと人権・情報センター(JHC)が、昨年末で事業を終了しました。公式サイトに掲載されたお知らせによると、『2019年9月30日に法人を解散し、同年12月を以て事業を終了させていただくこととなりました』ということです。
《1988年の設立から30有余年にわたり、HIVの感染経路を問わず全ての陽性者や感染不安を持つ人のみならず、HIVにかかわる全ての人々にたいして支援や働きかけをおこない、差別や偏見のない「誰もがあたりまえに生きられる社会」を目指すための活動をおこなってまいりました》
私のJHCとのお付き合いは1990年11月に当時の東京事務所のスタッフから講演を依頼されたのが最初でした。米国東海岸のボストンにあるHIV陽性者のドロップインセンターで、1年余りにわたってボランティア活動に参加させていただき、帰国したばかりのことです。ちょうど産経新聞紙上でボストンリポートを連載していた時期で、当時、東京事務所にいた広瀬泰久さんから「クリストファー、亡くなっちゃいましたねえ」と感想を述べられ、ついつい私もボストン時代の友人の死を思い出して言葉を詰まらせてしまいました。もう30年も前のことですね。
解散のお知らせには「NPO法人としてこの先も社会的役割を継続して参りたいところではございますが、諸般の事情により解散する運びとなりました」と書かれています。その諸般の事情については、私には分かりませんが、スタッフの方にお聞きすると「断腸の思い」だったということです。
これまでのご苦労に感謝するとともに、スタッフの皆さんが長い活動の蓄積を生かし、今後さらに新たな活躍の場を切り開いていかれることを願いつつ、「ありがとうございました」とお礼を申し上げます。