東京都のメルマガ『東京都エイズ通信』の第145号(2019年9月30日)が配信されました。今年に入ってから9月22日までの新規HIV感染者・エイズ患者報告数は以下の通りです。
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- 平成31年1月1日から令和元年9月22日までの感染者報告数(東京都)
※( )は昨年同時期の報告数
HIV感染者 230件 (250件)
AIDS患者 51件 (46件)
合計 281件 (296件)
HIV感染者数は昨年度よりも少なく、AIDS患者数は昨年度よりも多く報告されている。
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HIV感染者報告は昨年同時期より20件減っています。8月23日(金)にはエルトン・ジョンの伝記映画『ロケット・マン』が劇場公開されましたが、昨年の『ボヘミアン・ラプソディ』の時のようにHIV/エイズに関する電話相談が急増したり、HIV検査を受ける人が増えたりといった現象は起きていないようです。少し時間がかかるのかもしれません。
一過性の話題による増減は、啓発の観点からはそれなりの評価ができますが、検査と治療の普及という面では、引き続き地道な努力が必要でしょう。
ラグビーがこれほど街の話題になるなんて、つい一か月前まで誰が予想した? 熱しやすく冷めやすい話題の流行と性感染が主要な感染経路とされるHIV感染の流行は異なる軌道を示すことがしばしばあります。
世の中の注目率が高く、大騒ぎになっているから広がるとか、その反対にもうあまり話題にしてくれそうもないから、感染するの、やめただとか、ウイルスにはたぶん、そんな意思はないと思います。
だからこそ、対策をとる側には、社会的関心が低下したといわれる時こそ、「ほとぼりが冷めたし、もうそろそろいいだろう」と思いたくなる気持ちを乗り越え、必要なことは継続していく強い意思が必要です。
ラグビー人気にいささか便乗気味に付け加えれば、ラグビーW杯の好勝負から学んでほしいのは、実はそこなんだけど。
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