HIV/エイズ対策に関連して、こんなのがあったらいいなとかねがね思っていたものの一つに、21世紀に入ってからの年表があります。
ただし、いまどきエイズの年表なんて・・・ということで、必要性を感じる人は、私のようなもの好きを除けば、そう多くないのかもしれません。しょうがない、自分でやるしかないか。
2003年までのHIV/エイズ関連年表は、その年の暮れにポット出版から『世界はエイズとどう闘ってきたのか』を出版していただいたときに、巻末に掲載しました。少し重複部分がありますが、乗りかかった船といいますか、それを引き継ぐかたちで去年の暮れから少しずつ整理を始めています。やってみると、なんというか、ため息が出るような作業であり、ああそうだったのかと改めて思い出すこともあり、年寄りの暇つぶしには悪くなさそうです(暇じゃないけど)。
とりあえず2001年から2005年までのたたき台ができたので、公開しておきましょう。あくまでも私家版のたたき台です。自分で書いた報告や、翻訳文献をたどりつつの作業が中心になっているので、取り上げている項目には少々、バイアスがかかっているかもしれません。
重要なのに抜け落ちている出来事もたくさんあると思います。
こんなこともあったよとか、こうした資料も参考にしたらとか、お気づきの点があればお教えください。
フットワークよく修正できるようにするため、とりあえず私のブログで公開します。できれば共同利用資料のようなかたちで、何かをまとめるときの参考にしてください。2003年までの年表は、知らない間に卒論の資料に使われていたりしていました。
それもありかなとは思いますが、使われる際は一応、事実関係のチェックはしていただくようお願いします。今回は参考用に関連資料のURLも付けておきます。ただし、元の文献が紹介されていたサイトがすでに閉鎖されてしまっているものもあります。ネットの時代は便利だけどはかない。ま、そのあたりは致し方ありませんね。
作成作業は結構、時間と労力がかかるので、資金的な裏付けも含めた年表プロジェクトのようなものができるといいのですが、なかなかそういうわけにもいかないでしょうね。例によってまた、一人で細々とやるか。
レイアウトがうまくできず、読みにくいかもしれません。悪しからず。
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【2001年】
2月 1日 薬の知的所有権をめぐる米国とブラジルの争いでWTOに紛争調停パネル
7日 インドの製薬会社シプラが抗レトロウイルス薬を途上国向け廉価供給発表
3月 5日 南アフリカで大手製薬39社がエイズ治療薬の特許権侵害で南ア政府を訴えた裁判の審理開始
4月26日 アブジャのHIV/エイズ、結核、その他の感染症に関するアフリカサミットでコフィ・アナン国連事務総長が世界エイズ基金創設を提唱
19日 大手製薬39社が南ア政府に対するエイズ治療薬特許権侵害の訴えを取り下げ
5月26日 第1回軽井沢エイズウオーク
6月 1日 国際労働機関(ILO)が『HIV/エイズと働く世界ILO行動規範』発行
https://www.ilo.org/aids/Publications/WCMS_113783/lang--en/index.htm
25日 国連エイズ特別総会開幕
米国がブラジルに対するTHRIPS違反提訴取り下げを発表
27日 エイズ特別総会がコミットメント宣言を採択して閉幕
https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/1301/
7月22日 ジェノバ・サミットで世界エイズ・結核・マラリア対策基金創設決定
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/genoa01/gaiyou.html
9月11日 米中枢同時テロ
10月 2日 鳥取大学病院でHIV除去の人工授精による出産例、新聞・TVが報道
5日 メルボルンで第6回アジア太平洋地域エイズ国際会議開幕(~10日)
https://api-net.jfap.or.jp/library/societyInfo/asia_aids_2001/asia_aids_2001.html
12日 ノルウェーのノーベル賞委が2001年ノーベル平和賞受賞者は国連とアナン事務総長と発表
11月 5日 東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議でエイズ対策宣言採択
http://worldjpn.grips.ac.jp/documents/texts/asean/20011105.D1E.html
14日 カタールの首都ドーハで開かれた第4回WTO閣僚会議で、TRIPS協定と公衆衛生に関する宣言。強制実施権を確認
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/2002/gaikou/html/siryou/sr_03_12_03.html
12月20日 WHOマクロ経済と保健委員会報告書『経済開発のための保健への投資』
【2002年】
1月 1日 世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)発足
https://www.theglobalfund.org/en/
25日 厚労省「同性間性的接触におけるエイズ予防対策に関する検討会」が第1回検討会を開催
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/03/h0327-4.html
3月 大阪にコミュニティセンターdista(drop in station)開設
https://www.dista.osaka/about/history.php
4月 日本HIV陽性者ネットワークJaNP+発足
5月14日 国際エイズワクチン推進構想(IAVI)のセス・バークレー代表が日本記者クラブで記者会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/21239/report
30日 京都大学国際保健学教室の木原正博教授が日本記者クラブで記者会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/21244/report
6月20日 ぷれいす東京の池上千寿子代表が日本記者クラブで記者会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/21252/report
6月27日 国連報告書「HIV/エイズ 中国のタイタニック危機」
http://www.hivpolicy.org/Library/HPP000056.pdf
https://api-net.jfap.or.jp/library/societyInfo/world_aids_2002/world_aids_2002.html
11日 神奈川県厚木保健所の岩室紳也予防課長が日本記者クラブで記者会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/21260/report
24日 国際労働機関(ILO)のアサン・ディオップ事務次長が日本記者クラブで記者会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/21264/report
8月22日 アフリカ日本協議会の林達雄代表が日本記者クラブで記者会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/21270/report
25日 中国公安当局が北京のHIV感染者支援組織「愛知行動」の万延海代表を拘束
9月20日 万延海氏釈放
http://miyatak.hatenablog.com/entry/2016/08/09/224112
24日 東京大学医科学研究所の岩本愛吉教授が日本記者クラブで記者会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/21283/report
10月 米国家情報会議(NIC)報告書「HIV/エイズの迫りくる波」
https://www.dni.gov/files/documents/Special%20Report_The%20Next%20Wave%20of%20HIV_AIDS.pdf
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/21289/report
11月22日 第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議プレイベント「プレカップ神戸2002」
25日 世界エイズ・マラリア・結核対策基金のリチャード・フィーチャム事務局長が日本記者クラブで記者会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/21289/report
28日 名古屋で第16回日本エイズ学会学術集会・総会(~30日)
https://jaids.jp/publish/vol4_04_j/
【2003年】
1月28日 ブッシュ米大統領一般教書演説。エイズ対策に5年で150億ドルの支出約束
https://asajp.at.webry.info/201810/article_1.html
30日 外務省調査計画課の國井修課長補佐が日本記者クラブで記者会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/21326/report
2月14日 東京でWTO非公式閣僚会議(~16日)
3月18日 厚労省の「同性間性的接触におけるエイズ予防対策に関する検討会」が中間報告書
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/03/h0327-4.html
20日 財務省元財務官で元WHO専門委員の加藤隆俊氏が日本記者クラブで会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/21339/report
4月21日 世界エイズ予防財団のリュック・モンタニエ氏が日本記者クラブで会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/21345/report
6月12日 藤田保健衛生大学の橋本修二教授が日本記者クラブで会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/21359/report
21日 第71回エイズ&ソサエティ研究会議フォーラム「HIVの検査環境を考える/保健所・検査所編」
https://asajp.at.webry.info/200906/article_2.html
27日 SARS流行への懸念から11月に神戸で開催予定だった第7回アジア太平洋地域エイズ国際会議の延期を決定。
8月 新宿二丁目にコミュニティセンターakta開設
2日 AIDS文化フォーラムin横浜で「SARS:エイズの教訓は生かされているのか」
https://asajp.at.webry.info/200906/article_3.html
https://www.jpo.go.jp/news/kokusai/wto/wto_trips_giron.html
9月18日 ポジティブ・ライブズのプロジェクト責任者、ケビン・ライアン氏が日本記者クラブで記者会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/14409/report
19日 東京・神宮前のUNギャラリーでPositive Lives写真展開幕(~10月18日)
http://www.jcie.or.jp/levi/positivelives2003.html
11月27日 第7回アジア太平洋地域エイズ国際会議が延期された神戸で「アジア太平洋地域のエイズ問題と予防・医学のフロンティア」をテーマに第17回日本エイズ学会学術集会・総会(~29日)
https://jaids.jp/publish/vol5_04_j/
神戸アートビレッジセンターではアートイベントKavcaap2003開催
29日 南アのマンデラ前大統領が呼びかけ、ケープタウンでエイズ慈善コンサート
http://www.arsvi.com/2000/0408kk.htm
12月 1日 中国と国連が「中国におけるHIV/エイズ予防、治療、ケア合同報告書」
https://asajp.at.webry.info/200501/article_6.html
WHOとUNAIDSが「3バイ5構想」の実施戦略を発表
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/14436/report
【2004年】
1月 コフィ・アナン国連事務総長提唱の世界メディア・エイズ計画(GMAI)発足
https://asajp.at.webry.info/200603/article_3.html
29日 特定非営利活動法人エイズワクチン開発協会(AVDA)設立
http://www.avda.jp/01_outline/aboutAVDA&frame.html
3月22日 東京で国際シンポジウム『アジアにおける人間の安全保障と感染症』。世界基金支援日本委員会(Friends of the Global Fund, Japan: FGFJ) の発足を発表
http://fgfj.jcie.or.jp/topics/2004-04-05_symposium
4月25日 UNAIDS が3つの統一(Three Ones)原則 ( 国内の統一されたエイズ政策、統一された対策実施主体、統一されたモニタリング・評価システム)提唱
http://data.unaids.org/una-docs/three-ones_keyprinciples_flyer_en.pdf
5月11日 WHO世界保健報告『HIV/エイズと闘い、歴史の進路を変える前例のない機会』
https://asajp.at.webry.info/200501/article_11.html
15日 第77回エイズ&ソサエティ研究会議フォーラム「エイズと表現」シリーズ1『魔女の息子、大いに語る』
6月 UNAIDSとWHOがHIV検査に関する方針。検査を4タイプに分類
https://asajp.at.webry.info/200502/article_2.html
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/14333/report
22日 有森裕子・国連人口基金親善大使が日本記者クラブで記者会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/14384/report
7月11日 第15回国際エイズ会議(バンコク)開幕 (~16日)。MAP(Monitoring the AIDS Pandemic Network)が報告書「AIDS in Asia」
12日 世界HIV陽性者ネットワーク(GNP+)が国際エイズ会議開会式に対し抗議声明
https://asajp.at.webry.info/200501/article_3.html
オランダ王室のマベル妃がHIV/エイズ対策の資金メカニズム検証を報告
https://asajp.at.webry.info/200501/article_1.html
16日 第15回国際エイズ会議でリーダーシッププログラム声明
https://asajp.at.webry.info/200501/article_5.html
8月 7日 第78回エイズ&ソサエティ研究会議フォーラム『中国のエイズ危機』
https://asajp.at.webry.info/200906/article_4.html
10月 4日 UNAIDSのピーター・ピオット事務局長が日本記者クラブで記者会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/14317/report
11月 6日 第79回エイズ&ソサエティ研究会議フォーラム「エイズと表現」シリーズ2『想像するチカラ・表現するチカラ―ゲイカルチャーからの挑戦―』
12日 UNDPのソナム・ヤンチェン・ラナHIVと開発プログラムコーディネーターが日本記者クラブで記者会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/14304/report
12月 1日 「中国におけるHIV/エイズ予防、治療、ケア合同報告書」アップデート版
https://asajp.at.webry.info/200505/article_3.html
9日 世界基金支援日本委員会と国威連大学が東京で公開シンポジウム「世界エイズ・結核・マラリア対策基金の成果と課題」を開催
http://fgfj.jcie.or.jp/topics/2004-12-23_symposium
9日 静岡で第18回日本エイズ学会学術集会・総会(~11日)
https://jaids.jp/publish/vol6_04_j/
26日 スマトラ島沖地震のインド洋大津波で多数の島々と沿岸地域に被害
https://asajp.at.webry.info/200501/article_13.html
【2005年】
2月17日 第7回アジア太平洋地域エイズ国際会議組織委の岸本忠三会長と樽井正義事務局次長が日本記者クラブで記者会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/14270/report
26日 第80回エイズ&ソサエティ研究会議フォーラム『危機への選択 特定感染症予防指針見直しと日本のエイズ対策』
https://asajp.at.webry.info/200503/article_7.html
3月 8日 女性とエイズに関する世界連合(GCWA)が報告書『女性のための経済的保障がHIV予防の鍵』を発表
9日 UNAIDSと英仏米3カ国政府がロンドンで高級レベル会合「資金をどう生かすか」開催
https://asajp.at.webry.info/200504/article_4.html
10日 エイズ会議研究会『エイズ 終わりなき夏―第七回アジア・太平洋地域エイズ国際会議に向けて』刊行
4月23日 第81回エイズ&ソサエティ研究会議フォーラム『日本のエイズ対策は立て直せるのか 拒絶と無関心の壁を越えて』
https://asajp.at.webry.info/200505/article_2.html
25日 ユニセフ/UNAIDS親善大使のジャッキー・チェン氏がベトナム訪問、HIV陽性者への差別防止を呼びかけ
https://asajp.at.webry.info/200505/article_1.html
6月 9日 名古屋市立大学の市川誠一教授が日本記者クラブで記者会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/14259/report
28日 世界基金支援日本委員会が国際シンポジウム「三大感染症との闘いと企業の役割-成功事例から学ぶ地球的課題への対応」を東京で開催
http://fgfj.jcie.or.jp/topics/2005-07-12_sympodium
7月 1日 神戸で第7回アジア太平洋地域エイズ国際会議(ICAAP7)開幕(~5日)
開会式でインドネシアのフリッカ・チア・イスカンダールさん、JaNP+代表の長谷川博史さんがスピーチ
https://asajp.at.webry.info/200507/article_2.html
https://asajp.at.webry.info/200507/article_3.html
2日 大阪サンケイホールで「風の音色 第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議記念コンサート」開催
https://asajp.at.webry.info/200506/article_2.html
5日 ICAAP7閉会式でアジア・太平洋地域の各国政府に対する市民社会声明
8日 英グレンイーグルズサミットでG8国首脳が、抗レトロウイルス治療のユニバーサルアクセスに可能な限り近づくことを約束
https://www.who.int/bulletin/volumes/84/7/editorial10706html/en/
8月 6日 第82回エイズ&ソサエティ研究会議フォーラム『まだまだ終わりなき夏 ―神戸会議報告―』
https://asajp.at.webry.info/200510/article_1.html
9月16日 国連総会の世界サミット2005で「HIV流行の縮小に向け2010年までに治療が必要な人へのユニバーサルアクセス実現に可能な限り近づく」ことに合意
https://www.unsystem.org/content/2005-world-summit-outcome-document-16-september-2005
10月22日 第83回エイズ&ソサエティ研究会議フォーラム「エイズと表現」シリーズ3『働くポジティブ―企業、職場からメッセージを伝える―』
https://asajp.at.webry.info/200511/article_5.html
11月 8日 「ほっとけない 世界のまずしさ」キャンペーンが世界基金に25万ドルを拠出
http://fgfj.jcie.or.jp/topics/2005-11-22_hottokenai
25日 都立駒込病院感染症科の根岸昌功部長が日本記者クラブで記者会見
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/14472/report
12月 1日 熊本で第19回日本エイズ学会学術集会・総会(~3日)
https://jaids.jp/publish/vol7_04_j/
23日 国連総会がUNAIDSとその共同スポンサーに対して、ユニバーサルアクセスを目指し、HIV予防、治療、ケア、支援の規模拡大を求める決議を採択
https://asajp.at.webry.info/200603/article_2.html
31日 3by5目標に対し2005年末実績は130万人