【鎌倉海びより】113 合言葉はオレンジフラッグ

 こちらも9月分。『津波が来たら高いところへ逃げるプロジェクト』の続編です。

【鎌倉海びより】113 合言葉はオレンジフラッグ
 http://www.sankeibiz.jp/express/news/150929/exg1509290930001-n1.htm

 南米のチリで発生したマグニチュード8.3の地震からほぼ1日かけて、津波は18日の明け方、日本の太平洋岸に到達した。気象庁は18日午前3時に津波注意報を発令している。
 最大波は岩手県久慈港の80センチ。鎌倉に近いところでは、三浦市油壺で10センチ。大事に至らなかったのは幸いだったが、次も大丈夫だろうといった油断は禁物だ。
 5日に鎌倉市内で行われた『津波が来たら高いところへ逃げるプロジェクト』では、材木座海岸を会場にして「オレンジフラッグ海上逃げ道体験」というイベントが新たに加わった。津波警報大津波警報が発令されたら海岸にオレンジ色の大旗や垂れ幕を掲げ、マリンスポーツをしている人たちに視覚で海から戻るよう知らせる。そのための訓練だ=写真。

 

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 東日本大震災が発生した2011年3月11日午後には、鎌倉市内でも防災無線津波警報が伝えられた。だが、沖でウィンドサーフィンをしている人たちには、その無線の音声が海の風に吹き消されて聞こえなかった。
 一週間後に鎌倉マリンスポーツ連盟の会合があり、対応策を協議した。海上にいる人たちに知らせるにはどうしたらいいか。いろいろ試して、オレンジ色の旗が最も良く視覚に訴えることが分かった。
 海のスポーツはますます盛んになっている。急を伝える手段は重要だ。鎌倉発祥のオレンジフラグは新聞やテレビでも取り上げられ、全国に波及した。
 だが、時がたつと話題になることも減り最近はオレンジが避難の合図であることを知らない人もいる。合言葉が通じなければ対策は成り立たない。訓練などで折に触れて注意喚起と情報共有をはかることも重要な津波への備えだろう。