コンドーム使用に関するポジションステートメント 続き

 

 コンドーム使用に関する国連人口基金UNFPA)、世界保健機関(WHO)、国連合同エイズ計画(UNAIDS)のポジションステートメント(見解)について、もう少し書きます。なぜ、この時期に・・・という唐突感はどうしても否めません。

 もちろん、HIV/エイズ対策の観点からは「いまだからこそ」という印象も一方では受けます。

 

 抗レトロウイルス治療による「予防としての治療」をあたかも究極の解決策であるかのように賞揚する発言がHIV/エイズ分野の専門家から大まじめに発せられるような現状を鑑みますれば、《コンドームは依然、効果の高いHIV予防プログラムの重要な手段の一つである》というメッセージは誠に時宜を得たものであり、本日はお日柄も良く・・・おっと、長くなりそうだね。

 ま、とにかく、個人的にはそんなスピーチのひとつもかましたくなるくらい必要性は認識できます。だからこそ、誰に頼まれたわけでもないのに日本語仮訳まで試みてしまったのですが、それにしても、 なぜ、いま、UNFPAとWHOとUNAIDSが合同でコンドームに対する見解を表明する必要があったのだろうか。

 常識的に考えて、今年はミレニアム開発目標MDGs)の最終年であり、国連では来年からの新たな開発に関する目標設定に向けた検討が続けられている。そういう時期だからこそ、この際、考え方を整理しておこうということなのでしょうね。それなりに察しはつきますが、それにしても、なぜ、いま、フィーチャリング・コンドームなのでしょうか。

 国連3機関連名のポジションステートメントはUNAIDSの公式サイトに紹介されていました。他の2機関のサイトはどうかなと思って検索してみましたが、見つかりません。私の検索能力の限界もあるとは思います。本当はどこかに載っているのかもしれません。しかし、IT技術の進歩にそこはかとない反感を秘く日本のおじさんレベルが検索したのでは、そう簡単に見つかりませんよという程度の位置づけのステートメントなのでしょうね。

 UNFPAのサイトで「Position Statement」をキーワードに検索すると・・・、おっ、あった!と一瞬、思ったのですが、それは209年のPosition Statementでした。
 http://www.unfpa.org/resources/condoms-and-hiv-prevention-position-statement-unaids-unfpa-and-world-health-organization

 末尾に[Originally published in 2004 updated in 2009]と書いてあります。2004年に発表したものを2009年に更新したということですね。その更新からさらに6年が経過したので、今回は2度目の更新を行ったということでしょうか。2015年更新版は2009年版よりも長く、参考にした文献もかなり多くなっています。この間の研究も増え、予防に対する認識が一段と深まったということなのでしょう。

 WHOのサイトでは見つけられませんでした。見つけた人がいらっしゃるようでしたら、ここにあるよとお教えいただければ幸いです。