国連合同エイズ計画(UNAIDS)が新たな年次報告書Global AIDS Update2019を発表しました。タイトルは『Communities at the centre』です。日本語では『コミュニティを主体に』と訳してみました。もっと適訳がありそうですね。これはと思う訳語があればお教えください。サブタイトルはDefending rights, breaking barriers, reaching people with HIV services(権利を守り、障壁を打ち破り、人びとにHIVサービスを届ける)となっています。
報告書の発表は、南アフリカのエショーという町で7月16日に行われました。本体は大部でちょっと訳せませんが、とりあえずプレスリリースの日本語仮訳を作成しました。どんな報告書なのか、感じはつかめると思います。
https://www.unaids.org/en/resources/presscentre/pressreleaseandstatementarchive/2019/july/20190716_PR_UNAIDS_global_report_2019
なぜ、今年はエショーで発表したのか、その理由もプレスリリースを読めばお分かりいただけるのではないかと思います。
最新の推計の数字(2018年末現在)も発表されているので、先に紹介しておきましょう。
2018年現在の推計
3790万人[3270万-4400万人] 世界のHIV陽性者数
2330万人[2050万-2430万人] 抗レトロウイルス治療を受けている人
170万人[ 140万- 230万人] この1年で新たにHIVに感染した人
77万人[ 57万- 110万人] この1年でエイズ関連の疾病により死亡した人
持続可能な開発目標(SDGs)という大きな枠組みの一部でもあるHIV/エイズ分野の世界の共通目標は、2030年のエイズ流行終結(ただし、公衆衛生上の脅威としてのという前提付き終結)です。そして、そのためには2020年までに高速対応で90-90-90ターゲットを達成しましょうということを国連の全加盟国一致で採択した2016年の政治宣言の中で約束しています。
2020年ともなれば、もう来年ですから、年の瀬ぎりぎりまで粘ってもあと1年半しかありません。さすがにUNAIDSも世界は失速気味だと認めざるを得なかったようです。
ただし、グニラ・カールソン事務局長代行は「もう無理だ」とはいいわず、「エイズ終結を目指す政治的意思がいますぐ必要です」と述べています。コメントの中には泣かせるひと言もありました。
『エイズ終結は私たちが病気ではなく、人に焦点を当てることで可能になります』
もう少し長い発言の一部を部分的に切り離して訳しちゃった嫌いがないこともありませんが、趣旨は変わっていません。日本のエイズ診療関係者にはぜひ読んでいただきたいと思い、簡潔に際立った一文にしました。翻訳上許される範囲の編集を施したと受け止めてお読みいただければ幸いです(これだけ言っておけば、無関心な人でもついつい、どれどれと思って読むでしょう・・・読まないか)。
プレスリリースもそれなりに長いけれど、以下に日本語仮訳を掲載します。長いと言っても短いから(どっちやねん!)、まあ読んでください。
2020年HIVターゲットに向けた世界の対応は失速し、各国別の成果もまちまちである UNAIDSが緊急対応の強化を要請
素晴らしい成果をあげている国もあるが、HIV対策の資金が10億ドル近く落ち込む中で深刻な事態に陥っている国もある
国連合同エイズ計画(UNAIDS)プレスリリース
エショー / ジュネーブ 2019年7月16日 - UNAIDSが本日発表した報告書によると、新規HIV感染を減らし、治療アクセスの拡大を進め、エイズ関連の死亡をなくすという世界的な目標への達成ペースは落ちている。UNAIDSのグローバルアップデート『コミュニティが主体に』が示す成果は国によってまちまちである。素晴らしい成果の国もあるが、他の国では新規HIV感染やエイズ関連の死亡が逆に増加している。
「エイズ終結を目指す政治的意思がいますぐ必要です」とUNAIDSのグニラ・カールソン事務局長代行はいう。「それにはまず、成功国の経験を踏まえ、適切かつ賢明な投資を行う必要があります。エイズ終結は私たちが病気ではなく、人に焦点を当てることで可能になります。取り残されている人や地域のためにロードマップをつくり、HIVの影響を最も大きく受けている人たちにサービスが届くよう人権に基づくアプローチをとらなければなりません」
報告によると、世界の新規HIV感染の半数以上(54%)はキーポピュレーションとその性パートナーが占めている。東欧・中央アジアと中東・北アフリカでは、2018年の新規感染の約95%がキーポピュレーション - 注射薬物使用者、ゲイ男性など男性とセックスをする男性、トランスジェンダーの人たち、セックスワーカー、受刑者を含む - だった。
しかも、コンビネーション予防サービスについて報告のあった国を見ると、キーポピュレーションの50%以下にしかサービスが届いていない国が半数以上を占め、キーポピュレーションがいまなお社会から排除され、HIV対策についても取り残されていることを示している。
2018年に新たにHIVに感染した人は170万人で、2010年より16%減っている。東部・南部アフリカのほとんどで着実に感染が減少していることが大きな要因となった。たとえば、南アフリカでは対策が大きく進み、2010年と比べると、新規感染は40%以上、エイズ関連の死亡も約40%減っている。
だが、HIVの影響が最も大きい地域である東部・南部アフリカにとっては、それでも道はまだ遠い。一方で、東欧・中央アジア(29%増)、中東・北アフリカ(10%増)、ラテンアメリカ(7%増)では新規HIV感染が憂慮すべき増加を示している。
この日は南アフリカのエショーでコミュニティのイベントが開かれ、UNAIDSのカールソン事務局長代行と南アのデービッド・マブーザ副大統領が報告書を発表した。HIV対策のペースを上げてきたコミュニティ・プログラムの事例報告や証言についても、報告書は取り上げている。
「南アフリカにはコミュニティをエイズ対策の中心に位置づけて取り組んできた豊富な歴史があります。2019年のグローバルアップデートの発表は、この国で、しかもクワズル・ナタール州のエショーで行われたのはこのためです。コミュニティに基盤を置き、HIVを中心にしたサービス提供のモデルが、ここでは結果を出しています」とマブーザ副大統領は語った。
資金確保
報告書によると、世界のエイズ対策資金は10億ドル近く減少し、必要な資金額と実際に確保いた額とのギャップは当惑するほど大きく広がっている。ドナーからの支出が減り、各国の国内投資もインフレに追いつくほどには増えなかったためで、これほどの格差は初めてのことだ。2018年に確保できたエイズ対策資金は190億米ドル(2016年ドル換算)で、2020年までに必要な年間資金額262億ドルには72億ドルの不足となっている。
エイズ終結に向けて成果をあげ続けるために、UNAIDSはすべてのパートナーに対し、10月に開かれる世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)の増資会合で少なくとも140億ドルの増資目標を満たす誓約を行い、同時に二国間援助と当事国の国内HIV予算を増やすなど、対応の強化を求めている。
治療と90-90-90ターゲット
90-90-90ターゲットに向けた成果は継続している。2018年にはHIV陽性者のうち自らの感染を知る人の割合は約79%だった。そして、感染を知る人の78%は治療にアクセスし、治療を始めた人の78%がウイルス量の抑制を果たしており、生きていくこととあわせ、他の人にウイルスが感染するのを防げるようにもなっている。
しかし、報告書『コミュニティが主体に』によると、90-90-90ターゲットへのこうした成果は地域や国によって大きく異なっている。たとえば、東欧・中央アジアでは、2018年時点でHIV陽性者の72%が自らの感染を知っているが、このうち治療へのアクセスがある人は53%にとどまっている。
「治療は16年間、続けてきました。ウイルス量は抑制され、体調も良好です」とエショーでスティグマと差別に取り組む組織シャインの創設者のスタンドワ・ブテレジはいう。「それでもコミュニティのとりわけ保健医療分野では、スティグマと差別が広がっています。私はアクティビストとして、コミュニティ指導者を含めすべての人に対し、前向きに生き、輝いていられるよう、HIVについてオープンに話そうと励ましています」
エイズ関連の死亡
治療へのアクセスが拡大を続け、HIVと結核に関するサービスの提供も大きく改善されたことから、エイズ関連の死亡件数は減少を続けている。2018年のエイズ関連の死亡件数は推定77万件で、2010年当時と比べると33%の減少となっている。
地域によって成果はまちまちである。エイズ関連の死亡が世界全体で大きく減少したのは主に東部・南部アフリカの成果によるものだった。しかし、東欧・中央アジアでは2010年と比べるとエイズ関連の死亡が5%増加し、中東・北アフリカでは9%増えている。
小児
HIV陽性の妊婦の82%には現在、抗レトロウイルス治療のアクセスが確保されている。2010年に比べると、90%以上の拡大となっている。この結果、新生児のHIV感染は41%減少した。ボツワナ(85%)、ルワンダ(83%)、マラウィ(76%)、ナミビア(71%)、ジンバブエ(69%)、ウガンダ(65%)などは2010年以降の減少率がとくに目覚ましい。それでも世界全体では、子供の新規HIV感染は年間16万件もあり、2018年までに子供の新規感染を4万件以下に減らすとしていた世界ターゲットには遠く及ばなかった。
子供の治療アクセスをもっと拡大しなければならない。抗レトロウイルス治療を受けているHIV陽性の子供(0-4歳)は世界で9万4000人に達しており、2010年当時と比べるとほぼ倍倍増したが、それでも2018年のターゲットだった160万人にははるかに及ばない状態だ。
女性と思春期の少女
若い女性は同年代の男性より60%以上HIVに感染しやすく、若い男女の間には依然として大きな不均衡があるとはいえ、若い女性のHIV新規感染を減らすことには成果をあげてきた。世界全体でみると、2018年の若い女性(15-24歳)の新規HIV感染は2010年当時より25%減少している。年長の男性(25歳以上)は10%減だった。しかし、毎週6200人もの思春期の少女や若い女性がHIVに感染しているという現実は依然として受け入れがたい。感染率の高い地域において、最大の成果をあげられるようにするため若い女性を対象にした性と生殖に関する健康と権利プログラムを拡大する必要がある。
HIV予防
『コミュニティが主体に』が示す現実は、新規HIV感染予防に最大限の成果をあげるためにすべての選択肢を利用できるような状態ではない。たとえば、治療薬を予防に使う曝露前予防服薬(PrEP)の利用者は2018年時点で30万人にとどまっており、そのうち13万人は米国内の人たちであると推定されている。サハラ以南のアフリカで最初に国のプログラムとしてPrEPの普及に取り組んだケニアでは2018年に予防服薬へのアクセスが得られた人は約3万人だった。
報告書によると、ハームリダクションは注射薬物使用者にとって明白な解決策なのに、なかなか変化は起きない。注射薬物使用者は東欧・中央アジアの新規HIV感染の41%、中東・北アフリカの新規HIV感染の27%を占めているのだが、適切なハームリダクションプログラムはどちらの地域にも欠けている。
男性には依然、対策が届きにくい。25-34歳のHIV陽性の男性は、ウイルスの抑制率が極めて低く、最近の調査によると、流行の打撃が大きい国では40%以下のこともある。結果として、パートナーにHIVが感染するのを防ぐことも難しくなっている。
スティグマと差別
HIV関連のスティグマと差別の解消に向けた成果は多くの国であがっているものの、それでもHIV陽性者に対する差別的な態度は根強く残っている。根本にある構造的拡大要因およびHIVの予防、治療の普及を妨げる障壁、とりわけ有害な社会規範や法律、スティグマと差別、ジェンダーに基づく暴力などと闘うことが急務である。
刑法や攻撃的な法執行、迫害、暴力などがキーポピュレーションを社会から排除し、保健、社会サービスの利用を阻んでいる。HIV陽性者への差別的な態度が残る国はあまりにも多い。回答があった26カ国の半数以上は、HIV陽性者に対し差別的な態度があると答えている。
コミュニティ
エイズ終結の達成に果たすべきコミュニティの中心的な役割を報告書は強調している。エイズ対策にかかわるすべての分野にまたがり、コミュニティの能力強化と自立が、HIV予防と治療の普及を進め、スティグマと差別を減らし、人権を守る大きな成果をもたらしてきた。しかし、コミュニティ主導の対策に対する資金が十分に確保されず、否定的な政治環境があることからその成果は妨げられ、最大限の効果を発揮することはできずに終わっている。
南アフリカのクワズル・ナタール州では、2016年時点で成人(15-49歳)の4人に1人はHIV陽性だった。対策を進めるために、国境なき医師団は、コミュニティベースでHIV検査を行い、治療とケアにつなげるアプローチを導入した。この結果、エショー市街地と郊外、およびムボンゴルウェインの町では、2020年の締め切りを大きく前倒しして2018年に90-90-90ターゲットを達成している。
南アフリカとザンビアで行われた別の研究では、何百人というコミュニティHIVケア提供者(CHIPS)が5年にわたって各世帯を訪問し、HIVに関する情報を伝えるとともに、HIV検査を提供してケアにつなげている。その結果、CHIPSが活動するコミュニティでは、年間の新規HIV感染が20%少なくなり、自らのHIV感染を知って抗レトロウイルス治療を受け、ウイルス量の抑制を果たした人の割合が、54%から70%以上へと増えていた。
2016年に採択した国連総会のエイズ終結に関する政治宣言で、加盟国は2030年までにコミュニティ主導のサービス提供を少なくとも全サービスの30%に拡大することを約束しており、UNAIDSはその約束を果たすよう各国に求めている。HIVに最も大きく影響を受けているコミュニティにおいて、差別をなくし、人権尊重を基本に据え、人を中心に考えるHIV予防と治療のサービスを提供するには、市民社会組織の能力構築に向けた適切な投資を行わなければならない。
2018年現在の推計
3790万人[3270万-4400万人] 世界のHIV陽性者数
2330万人[2050万-2430万人] 抗レトロウイルス治療を受けている人
170万人[ 140万- 230万人] この1年で新たにHIVに感染した人
77万人[ 57万- 110万人] この1年でエイズ関連の疾病により死亡した人
Press release
UNAIDS calls for greater urgency as global gains slow and countries show mixed results towards 2020 HIV targets
Impressive advances in some countries, troubling failures in others as available resources for HIV fall by nearly US$ 1 billion
ESHOWE/GENEVA, 16 July 2019—The pace of progress in reducing new HIV infections, increasing access to treatment and ending AIDS-related deaths is slowing down according to a new report released today by UNAIDS. UNAIDS’ Global AIDS Update, Communities at the centre, shows a mixed picture, with some countries making impressive gains while others are experiencing rises in new HIV infections and AIDS-related deaths.
“We urgently need increased political leadership to end AIDS,” said Gunilla Carlsson, UNAIDS Executive Director, a.i., “This starts with investing adequately and smartly and by looking at what’s making some countries so successful. Ending AIDS is possible if we focus on people, not diseases, create road maps for the people and locations being left behind, and take a human rights-based approach to reach people most affected by HIV.”
The report shows that key populations and their sexual partners now account for more than half (54%) of new HIV infections globally. In 2018, key populations—including people who inject drugs, gay men and other men who have sex with men, transgender people, sex workers and prisoners—accounted for around 95% of new HIV infections in eastern Europe and central Asia and in the Middle East and North Africa.
However, the report also shows that less than 50% of key populations were reached with combination HIV prevention services in more than half of the countries that reported. This highlights that key populations are still being marginalized and being left behind in the response to HIV.
Globally, around 1.7 million people became newly infected with HIV in 2018, a 16% decline since 2010, driven mostly by steady progress across most of eastern and southern Africa. South Africa, for example, has made huge advances and has successfully reduced new HIV infections by more than 40% and AIDS-related deaths by around 40% since 2010.
However, there is still a long way to go in eastern and southern Africa, the region most affected by HIV, and there have been worrying increases in new HIV infections in eastern Europe and central Asia (29%), in the Middle East and North Africa (10%) and in Latin America (7%).
The report was launched at a community event in Eshowe, South Africa, by Ms Carlsson and David Mabuza, the Deputy President of South Africa. It contains case studies and testimonies identifying community programmes that can quicken the pace of the response to HIV.
“South Africa has a rich history of communities being at the centre of the AIDS response, so it is fitting that we launch the 2019 UNAIDS Global AIDS Update in this country, in Eshowe, in KwaZulu-Natal, where a community-based service delivery model, with HIV at its centre, is showing results,” said Deputy President Mabuza.
Financing
Disconcertingly, the report shows that the gap between resource needs and resource availability is widening. For the first time, the global resources available for the AIDS response declined significantly, by nearly US$ 1 billion, as donors disbursed less and domestic investments did not grow fast enough to compensate for inflation. In 2018, US$ 19 billion (in constant 2016 dollars) was available for the AIDS response, US$ 7.2 billion short of the estimated US$ 26.2 billion needed by 2020.
To continue progress towards ending AIDS, UNAIDS urges all partners to step up action and invest in the response, including by fully funding the Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malaria with at least US$ 14 billion at its replenishment in October and through increasing bilateral and domestic funding for HIV.
Treatment and the 90–90–90 targets
Progress is continuing towards the 90–90–90 targets. Some 79% of people living with HIV knew their HIV status in 2018, 78% who knew their HIV status were accessing treatment and 86% of people living with HIV who were accessing treatment were virally suppressed, keeping them alive and well and preventing transmission of the virus.
Communities at the centre shows however that progress towards the 90–90–90 targets varies greatly by region and by country. In eastern Europe and central Asia for example, 72% of people living with HIV knew their HIV status in 2018, but just 53% of the people who knew their HIV status had access to treatment.
“I’ve been on treatment for 16 years, am virally suppressed and doing well,” said Sthandwa Buthelezi, founder of Shine, an organization in Eshowe that addresses stigma and discrimination in the community. “But stigma and discrimination are still widespread, particularly in health care settings. As an activist, I encourage everyone, including community leaders, to talk openly about HIV so that people can live positively and shine.”
AIDS-related deaths
AIDS-related deaths continue to decline as access to treatment continues to expand and more progress is made in improving the delivery of HIV/tuberculosis services. Since 2010, AIDS-related deaths have fallen by 33%, to 770 000 in 2018.
Progress varies across regions. Global declines in AIDS-related deaths have largely been driven by progress in eastern and southern Africa. In eastern Europe and central Asia however, AIDS-related deaths have risen by 5% and in the Middle East and North Africa by 9% since 2010.
Children
Around 82% of pregnant women living with HIV now have access to antiretroviral medicines, an increase of more than 90% since 2010. This has resulted in a 41% reduction in new HIV infections among children, with remarkable reductions achieved in Botswana (85%), Rwanda (83%), Malawi (76%), Namibia (71%), Zimbabwe (69%) and Uganda (65%) since 2010. Yet there were nearly 160 000 new HIV infections among children globally, far away from the global target of reducing new HIV infections among children to fewer than 40 000 by 2018.
More needs to be done to expand access to treatment for children. The estimated 940 000 children (aged 0–14 years) living with HIV globally on antiretroviral therapy in 2018 is almost double the number on treatment in 2010. However, it is far short of the 2018 target of 1.6 million.
Women and adolescent girls
Although large disparities still exist between young women and young men, with young women 60% more likely to become infected with HIV than young men of the same age, there has been success in reducing new HIV infections among young women. Globally, new HIV infections among young women (aged 15–24 years) were reduced by 25% between 2010 and 2018, compared to a 10% reduction among older women (aged 25 years and older). But it remains unacceptable that every week 6200 adolescent girls and young women become infected with HIV. Sexual and reproductive health and rights programmes for young women need to be expanded and scaled up in order to reach more high-incidence locations and maximize impact.
HIV prevention
Communities at the centre shows that the full range of options available to prevent new HIV infections are not being used for optimal impact. For example, pre-exposure prophylaxis (PrEP), medicine to prevent HIV, was only being used by an estimated 300 000 people in 2018, 130 000 of whom were in the United States of America. In Kenya, one of the first countries in sub-Saharan Africa to roll out PrEP as a national programme in the public sector, around 30 000 people accessed the preventative medicines in 2018.
The report shows that although harm reduction is a clear solution for people who inject drugs, change has been slow. People who inject drugs accounted for 41% of new HIV infections in eastern Europe and central Asia and 27% of new HIV infections in the Middle East and North Africa, both regions that are lacking adequate harm reduction programmes.
Men remain hard to reach. Viral suppression among men living with HIV aged 25–34 years is very low, less than 40% in some high-burden countries with recent surveys, which is contributing to slow progress in stopping new HIV infections among their partners.
Stigma and discrimination
Gains have been made against HIV-related stigma and discrimination in many countries but discriminatory attitudes towards people living with HIV remain extremely high. There is an urgency to tackle the underlying structural drivers of inequalities and barriers to HIV prevention and treatment, especially with regard to harmful social norms and laws, stigma and discrimination and gender-based violence.
Criminal laws, aggressive law enforcement, harassment and violence continue to push key populations to the margins of society and deny them access to basic health and social services. Discriminatory attitudes towards people living with HIV remain extremely high in far too many countries. Across 26 countries, more than half of respondents expressed discriminatory attitudes towards people living with HIV.
Communities
The report highlights how communities are central to ending AIDS. Across all sectors of the AIDS response, community empowerment and ownership has resulted in a greater uptake of HIV prevention and treatment services, a reduction in stigma and discrimination and the protection of human rights. However, insufficient funding for community-led responses and negative policy environments impede these successes reaching full scale and generating maximum impact.
In KwaZulu-Natal in South Africa, one in four adults (aged 15–59 years) were living with HIV in 2016. To advance the response, Médecins Sans Frontières managed a community-based approach to HIV testing that links people to treatment and supports them to remain in care. By 2018, the 90–90–90 targets were achieved in Eshowe town, rural Eshowe and Mbongolwane, well ahead of the 2020 deadline.
Another study in South Africa and Zambia enrolled hundreds of Community HIV Care Providers (CHIPS) over five years to visit homes, provide information about HIV and offer HIV testing and linkage to care. The study found that areas with CHIPS communities had around 20% fewer new HIV infections each year and the proportion of people living with HIV who knew their HIV status, were on antiretroviral therapy and were virally suppressed increased from 54% to more than 70%.
UNAIDS urges countries to live up to the commitment made in the 2016 United Nations Political Declaration on Ending AIDS for community-led service delivery to be expanded to cover at least 30% of all service delivery by 2030. Adequate investments must be made in building the capacity of civil society organizations to deliver non-discriminatory, human rights-based, people-centred HIV prevention and treatment services in the communities most affected by HIV.
In 2018, an estimated:
37.9 million [32.7 million–44.0 million] people globally were living with HIV
23.3 million [20.5 million–24.3 million] people were accessing antiretroviral therapy
1.7 million [1.4 million–2.3 million] people became newly infected with HIV
770 000 [570 000–1.1 million] people died from AIDS-related illnesses