国連合同エイズ計画(UNAIDS)のルイス・ロレス事務局次長(プログラム担当)が3月末で退任することになりました。UNAIDSの公式サイトにプレス発表が掲載されています。
3月末で任期満了となり、再任を求めないことをミシェル・シディベ事務局長に伝えたということです。
ブラジル出身のお医者さんで、UNAIDSではシディベ事務局長に次ぐNo2の立場の方です。22年間、UNAIDSで働いていたそうですから、発足当時からのスタッフだったことになります。そうか、そろそろ引き際なのかなと思って発表文を読んでいたのですが、念のために最近のニュースを検索してみると、どうもそうではなさそうですね。
職員に対するセクシャルハラスメントの疑いがかけられ、内部調査では一応、その疑いは晴れたということになっていますが、報道では調査に対する疑問も出ていて、そうしたことが今回の退任劇の背景にはあるようです。
参考までに英紙ガーディアンのウェブサイトに掲載されている記事も紹介しておきましょう。
『Top UN official accused of sexual harassment stands down』(セクシャルハラスメントの疑いをかけられた国連幹部が辞任へ)
記事は英文ですが、悪しからず。
ロレス事務局次長は昨年11月の第31回日本エイズ学会学術集会・総会にも招かれ、全体会議で講演を行っています。HIV陽性者のグループやHIV/エイズ関係のNPOのメンバーとの交流にも積極的で、私もお会いして好印象を受けていたのですが、う~ん、つらいですね。
日本記者クラブで22日に開かれたUNAIDSの記者会見は会見者が急遽、ミシェル・シディベ事務局長からカッカティル局長に代わっています。理由がよく分からなかったのですが、こういう事情だったのかと改めて想像する次第。ジャーナリストとしてはあまりにもうかつでありました。ま、うかつなのは今に始まったことではないし、個人的にはそれを認めざるを得ないことも含め、重ねて、つらいなあと思っています。