4226 【鎌倉海びより】65 快挙、全日本選手権優勝


 誰かを知っているということは、考えて見れば何の自慢にもならないのだけれど、つい自慢したくなっちゃうんだよねえ。私の人生最大の自慢は20年前の日曜日の朝にマンハッタンの3rdアベニューを歩いていて、パンの袋を抱えていたウッディ・アレンとすれ違ったことでした。SANKEI EXPRESSの連載コラム【鎌倉海びより】65回目です。念のためにお断りしておくと、ウッディ・アレンは出てきません。

 


【鎌倉海びより】65 快挙、全日本選手権優勝
http://www.sankeibiz.jp/express/news/131126/exg1311261116000-n1.htm

 11月に入ってから秋をすっ飛ばして一気に冬に入ったような寒い日が続いた。9、10月と台風で荒れ模様の日が多く、11月はこの寒さ。ひそかにこの秋をSUP(スタンドアップパドルボード)飛躍のときと考えていた初心者ボーダーとしてはすっかりあてが外れてしまった。

 ほんの少し波がうねっているだけでもボード上に立てなくなってしまうので、おじさんが海上を滑走できる日は極めて限定される。この秋は結局、2回だけだった。

 今季はその分、砂浜観戦の機会が増え、荒波を乗りこなすサーファー、ボーダーを眺めては「もう少しタメが」などとつぶやく。9月26日には24年ぶりという伝説のサーフィン大会イナムラクラシックが開かれた。早朝、会場の稲村ケ崎に繰り出すと、予選2組になんと、原田俊広さんが出場している。当コラムでウエットスーツ購入記を報告した際、採寸をしていただいた材木座・オクダスタイルサーフィングの店長である。まずは大波に挑むその姿をごらんいただこう=写真(渡辺照明撮影)。

 残念ながら結果は予選敗退となったが、日本屈指のサーファーが集まる伝説の大会である。出場したこと自体、大変な栄誉だろう。私などはそれを見たというだけで、自慢して回ったほどだ。

 原田さんはその後、11月9日に静岡県掛川市で開かれた第2回全日本SUP選手権のWAVE部門で優勝した。これは快挙。私もさっそく「俺のウエットスーツを採寸した人だぞ」と胸を張って触れ回った。考えてみれば(みなくても)、私が自慢できる話ではまったくないが、まあ、いいか。当コラムはスタンドアップパドルボードの略称を「パドボ」としていましたが、全日本選手権における今回の快挙を機に「SUP」に変更します。