『社会的イネーブラー』 エイズと社会ウェブ版631

 新しいコンセプトを打ち出し、それをより的確に表現したい。そうした熱意の表れなのでしょうが、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の発表文書を日本語で紹介しようとすると、なじみのない言葉が次々に登場し、どう訳したらいいのか当惑することがしばしばあります。

 なじみのない用語とコンセプトに直面し、その都度、Bankは銀行、Democracyは民主主義・・・といった具合に新しい訳語を生み出していった先人の努力には改めて敬服の念を禁じ得ません。

 「新しい酒は新しい革袋に盛れ」とはいうものの、あまりなじみのない用語が仲間内だけで流通し、それで事足れりとするような言語的排他状態もできれば避けたい。なるべくなら、いま日常的に使われている用語をうまく使いまわしていけないものか。

 それができればねえ・・・というわけで、先人たちの偉業には比ぶべくもありませんが、現代性教育研究ジャーナルNo140(2022年11月15日)の連載コラム『多様な性のゆくえ』第67回(社会的イネーブラー)はささやかな苦労話です。

https://www.jase.faje.or.jp/jigyo/kyoiku_journal.html

 PDF版の12ページに掲載されています。