コミュニティセンターakta新体制に(追加あり) エイズと社会ウェブ版494

 東京・新宿二丁目のコミュニティセンターaktaが7月19日(日)午後、活動報告会を開催しました。とはいえ、新型コロナウイルス感染症COVID-19の感染防止を考慮して、akta YOU TUBE チャンネルによるオンライン報告会です。ライブ配信はもう終わっていますが、録画をみることはできます。

https://www.youtube.com/watch?v=Fqpv4PUlTZk

 ライブの参加者は42人だったと思いますが、後から録画で見た人も多いようですね。視聴数はどんどん増えています。スライドの資料もダウンロードできるので、この方式、けっこう便利ですね。

 あとで飲み会・・・という楽しみはなくなりますが、このご時世ですから、いまは集まったとしてもそそくさと帰るしかないでしょう。

 コミュニティセンターaktaは7月1日にセンター長が交代しています。報告会のプログラム冒頭で、新旧センター長のジャンジさん、木南さんから挨拶がありました。

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 なぜ交代したのか。「正装」で登場したジャンジさん(写真左)は以下の3点を退任の理由として挙げています。

  1 センターの公共性を考え、長期にわたる在任は避けたい。

 2 HIV/エイズの流行はまだ終わっていないので、世代交代をはかり、性的に活発な年齢層である若い人たちに活躍してほしい。

 3 より2丁目コミュニティに根差した活動を進めていく必要がある。

 この退任の弁、できればどこかの指導者にも聞いてもらいたい。馬の耳に念仏でしょうが・・・。

 aktaは2003年9月に開設され、ジャンジさんは2005年1月からスタッフとして参加しています。2012年にaktaがNPO法人化された際に初代理事長となり、その後、しばらくして現場のセンター長に専念するようになりました。

 そのセンター長からは今回、退きましたが、スタッフとしては引き続きとどまるそうです。Face bookには7月21日付で、ジャンジさんから改めてお礼のご挨拶の投稿がありました。そのごく一部ですが、紹介しておきましょう。

 『この間に私が心がけてきたことは、aktaが「We’re already Living Together」な「場」であること。HIVをもっている人も、そうじゃない人も、まだ分からない人も。また、ほかのなにかを抱えていても。わたしたちは、すでに一緒に生きている。あたりまえだけど、みえづらいことに意識的な広場であること』
 『そして、セックスやセクシュアリティについてオープンに話せるような空気をつくること。「場」を存続して、ゆるやかなセーフティネットとなり、人と人・人と最新の正しい情報や機会をつなぐこと、などです』

 コロナの時代にあって、どうすれば『人と人をつなぐ』機能を果たしていくのか。『機能』というようなひんやりとした語感をこえて、具体的につながりを生み出していくのは、堂々巡りの話になってしまいますが、人と人、そしてそれを取り巻くコミュニティです。コロナ対策としてのソーシャルディスタンスを重視すれば、集まれる場としての活動は制約されます。

 確かにこれは苦しい。ただし、その中ですでにaktaの試行錯誤は始まっています。センター長交代のタイミングとしては、いまがよかったのかなあ、と結果追認的な発想ではありますが、改めて感じました。

 ジャンジさんにかわって、新任の木南さんは、2005年の後半からデリバリーボーイズに加わっています。毎週金曜日の夜に二丁目のゲイバー約170店にコンドームやHIV/エイズ、セーファーセックスなどの啓発資材を配布するaktaの看板プログラムです。

 デリバリーボーイズのつなぎのユニフォームが来てみたかったのが参加の動機だったそうですが、その後はプロジェクトリーダーを長く務めるなど、aktaにとって、なくてはならない人材です。アウトリーチに力を入れたいというaktaを引っ張っていくには、まさに適材適所、15年間のデリバリーボーイズの体験を生かし、大いに活躍していただきたいと思います。