メルマガ東京都エイズ通信の第154号(2020年6月26日)が配信されました。今年1月1日から6月21日までの東京の新規HIV感染者・エイズ患者報告数は以下の通りです。
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- 令和2年1月1日から令和2年6月21日までの感染者報告数(東京都)
※( )は昨年同時期の報告数
HIV感染者 130件 (161件)
AIDS患者 38件 (30件)
合計 169件 (191件)
HIV感染者数は昨年度よりも減少し、AIDS患者は増加している。
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依然として、新規HIV感染者数は昨年同時期よりかなり少なく、エイズ患者報告数は、逆に昨年同時期より多いという状態が続いています。今年はずっとこの状態が続くのでしょうか。続くでしょうねぇ・・・。
検査の普及をはかり、感染後の早い段階でHIV陽性者が必要な治療につながれるようにする。これが抗レトロウイルス治療の進歩を背景にした現在のHIV/エイズ対策の目指す方向なのですが、なかなか期待通りにはいきません。
今年もほぼ半分を経過したので、試みにこれまでの報告で、全体の報告数に占めるエイズ患者報告の割合を計算してみましょう。
22.5%になります。全国の数字だと一応、30%を下回り、さらのその割合をどこまで下げることができるか、というのが検査普及の一つの目安なので、東京はかなり検査の普及が進んでいます。それだけの努力も重ねてきたということでしょう。
ただし、去年の同時期は15,7%でしたので、それと比べると、現状はかなりまずいな!という感じです。世の中の関心は新型コロナウイルス感染症COVID-19の流行に向いているので、HIV検査は影が薄くなっています。ま、無理もないけれど、感染症への関心が高まる中で、二つのパンデミックの相乗効果を高める戦略を何とか示したい、と個人的には思っています。いまはかなり苦しいけど、ここで弱音は吐くまい・・・。
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