報告の減少傾向続く 東京都エイズ通信第147号(2019年11月25日)から

 昼間は汗ばむほどの日差しでしたが、さすがに日が沈むと冷えます。もうすぐ世界エイズデーですね。東京都エイズ通信第147号(2019年11月25日)が配信されました。

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 今年に入ってから11月17日までの新規HIV感染者・エイズ患者報告数は以下の通りです。

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● 平成31年1月1日から令和元年11月17日までの感染者報告数(東京都)
  ※( )は昨年同時期の報告数

HIV感染者  289件  (304件)
AIDS患者       61件   (61件)   
   合計         350件  (365件)

HIV感染者数は昨年度よりも少なく、AIDS患者数は昨年度同数で報告されている。
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 報告の傾向は10月段階と変わりません。微減とはいえ減少傾向が続いています。実際の感染も減っていることを期待したいのですが、報告の数字だけでは分かりません。背景に何があるのか、分析が必要です。

 もしかしたらエイズ対策に対する関心の低下が影響しているのかもしれません。新規感染が減り始めていると仮定するとしても、これからさらに流行が縮小していくには、いままで以上に対策に力を入れる必要がある(と私などは思う)のですが、「エイズはもういいだろう」という気分が医療従事者や行政担当者の間ですら広がっているように(これまた私には)思えます。このような状況下で、どうすればHIV/エイズの流行に対する関心を持続していけるのか。難しいところです。
 流行の規模は世界各地で異なり、日本は最もよく流行拡大を防いできた国の一つではありますが、この点に関しては世界の課題を共有しているように思います。
 国連合同エイズ計画(UNAIDS)の2019年世界エイズデーのキャンペーンテーマは【COMMUNITIES make the defference】(コミュニティが変える)です。なぜコミュニティなのか、そもそもコミュニティ主導の対策とはどんなものなのか。エイズ予防財団がUNAIDSと協力してキャンペーン冊子の日本語版も作られています。API-Netでご覧ください。
 https://api-net.jfap.or.jp/status/world.html#a20191115

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