『UNDETECATABLE = UNTRANSMITTABLE(検出限界以下なら感染はしない)』日本語仮訳版

 治療によるHIV感染の予防効果を踏まえ『UNDETECATABLE = UNTRANSMITTABLE(検出限界以下なら感染はしない)』というExplainer(説明書)を国連合同エイズ計画(UNAIDS)がまとめました。そのこと自体はすでに7月22日付け当ブログでお伝えしていますが、今回は日本語仮訳版もできましたというお知らせです。
 公益財団法人エイズ予防財団が翻訳を担当した日本語仮訳PDF版がAPI-Net(エイズ予防情報ネット)でダウンロードできます。
 http://api-net.jfap.or.jp/status/world.html#a20180802

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 仮訳のPDF版は直接、API-Netでご覧いただくことにして、ここでは前書きといいますか、「説明書のそのまた説明」を紹介しておきましょう。

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 説明書では『体内のウイルス量が検出限界以下に下がれば、HIV陽性者から他の人にHIVが性感染することはないというエビデンスはいまや明白です』と述べています。
 一人がHIV陽性でもう一人は陰性のカップルを対象にしたHIV性感染に関する3つの大規模研究が2007~2016年の間に数千人規模で行われ、ウイルス量が抑制されているHIV陽性者から陰性のパートナーに性行為で感染した事例は1件もなかったということです。
 ただし、短期的に下がるだけでなく、下がっている状態を維持することが大切です。ウイルス量検査を受けなければ、体内のウイルス量が抑制されているかどうかは分からないので、説明書はこの点にも注意を促しています。
 また、5つの主要メッセージのひとつとしてコンビネーション予防の必要性を指摘し、他の性感染症予防や望まない妊娠を防ぐ点からもコンドーム普及プログラムの重要性を強調しています。(API-Netから)

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 UNAIDSのExplainerは、エイズ対策上の重要事項や新たな課題について分かりやすく説明する解説シリーズで、今回がその第1号ということです。要点が簡潔にまとまっていますね。エイズ対策の『取扱説明書』といったところでしょうか。