4331 猛暑の中、高齢化社会の課題を語る エイズと社会ウエブ版151

 

 これぞ横浜のAIDS文化フォーラム日和といいますか。朝から猛暑が厳しい8月2日(土)、横浜駅西口徒歩5分のかながわ県民センターで開催中の第21回AIDS文化フォーラムin横浜の会場を訪れました。3日間の会期の2日目ですね。

  お目当ては午前のセッション「性的マイノリティ・HIV陽性者と市民後見人」。講師の永易至文さんは、特定非営利活動法人パープル・ハンズ事務局長をされています。
 
http://purple-hands.net/

 

  

 行政書士でもあり、成年後見人制度を含む社会的諸制度の側面から高齢のHIV陽性者が直面するであろう課題に関しては、わが国でも最も詳しい方のお一人でしょうね。高齢化社会の中で、老後を迎える(つまり、ある程度、長く生きることが可能な)人なら共通して抱えるかもしれない社会的課題、および、その中でとくに性的マイノリティ、HIV陽性者がそれぞれ、あるいは共に抱える課題について、成年後見人制度に則して分かりやすく、具体的事例も含め説明していただきました。

 

 よく見ると、机の上にも、メガネがもう一つ。分かるなあ、だんだん小さい字は読めなくなるし。このあたりにも、参加者とつながるメッセージがあったりして・・・。実は会場で話されていたことには、ヘテロセクシャルで、なおかつHIVに感染していないと思っていながらHIV政策には関心が高い駆け出し高齢者のおじさん層(かなり対象が絞られるね)にとっても、お得感あふれる実務的なヒントがたくさんありました。 

 AIDS文化フォーラムin横浜は1994年8月に横浜で第10回国際エイズ会議が開催された際に、その会期にあわせ、会議登録者以外でも参加できるイベントとして第1回が開かれました。以後、8月の最初の週末の3日間という、とにかくくそ暑いことではどこにも負けない時期に毎年、開催してきました。今年で20周年21回目。この歴史はわが国のエイズ対策の貴重な、しかも現在進行形の遺産というべきでしょう。

 なお、少々見苦しい自己宣伝になってしまいますが、不肖私も昨日の開会式に招待され、ねぎし内科クリニックの根岸昌功院長、日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラスの長谷川博史前代表とともにお話しをさせていただく栄誉に浴しました。司会を担当していただいた岩室紳也先生にはこの場を借りて感謝申し上げます。

 また、何を質問されても、その質問とは関係なく、平気で自説の展開を繰り返すという困った化石3人を持てあましつつ、トークセッションを予定時間内にうまくおさめる鮮やかな司会の手際には改めて敬服いたします。